先日(25日)サントリーホールで開かれた東京フィルハーモニー交響楽団「第879回サントリー定期シリーズ」公演を聴いてきた。指揮はミハイル・プレトニョフ。
【演目】
エドヴァルド・グリーグ/劇付随音楽「ペール・ギュント」
語り:石丸幹二
ソールヴェイ:ベリト・ゾルセット(ソプラノ)
アニトラ:富岡明子(メゾ・ソプラノ)
ペール・ギュント:大久保光哉(バリトン)
女の子1:直野容子
女の子2:肥沼諒子
女の子3:紺野恭子
泥棒:上野裕之
仲介者:山下友輔
合唱:新国立劇場合唱団
《19時00分開演 21時40分終演》(休憩1回)
東京フィルの2016〜2017年サントリーホールの会員になった。理由は6公演のうち3公演が演奏会形式で、それも『ペール・ギュント』『蝶々夫人』『イリス(あやめ)』と興味深い演目ばかりだったからである。
今回の演奏会形式は石丸幹二の語りは日本語、歌はノルウエー語(日本語字幕付き)ということで、イプセン原作の物語も解りやすい。前半はペール・ギュントの生い立ち、ソールヴェイとの恋などが語られていく。そして、後半は放浪の旅に出て、金を儲けては無一文になったペール・ギュントが故郷に戻り、ソールヴェイと再会して人生を終える、というもの。
石丸幹二は舞台俳優(歌手でもある)ということもあり、その朗読は表情豊かでありテンポも絶妙。またプレトニョフの指揮との間合いも阿吽(あうん)の呼吸で、石丸幹二の『ペール・ギュント』と言っても過言ではないぐらいのは適役だった。
歌手ではソールヴェイのベリト・ゾルセットが素晴らしかった。3曲しか歌わないのだが、清廉かつ包容力のある声質としっかりとした声量で観客を大いに魅了させた。ただ、他の出演者が少し控えめすぎたのがちょっと残念。
指揮のプレトニョフはおそらくこの作品をかなり手のうちに入れているようで、語り、歌手、合唱団、そしてオケを見事なまでに束ねていた。またコンマスの荒井英治もしっかりと弦および全体をもリードしていて、終演後に観客から盛大な拍手をおくられていた。
これまでに『ペール・ギュント』の組曲は何度か聴いているが全曲を聴くのは初めて。前半(1〜3幕)60分、後半(4〜5幕)80分という長丁場であったが、前半の途中で凡庸に感じる部分もあったが、変幻自在ながらも美しいグリーグの音楽とイプセンの詩的世界を堪能することができ、大変満足であった。『蝶々夫人』『イリス(あやめ)』も大いに期待したい。
【演目】
エドヴァルド・グリーグ/劇付随音楽「ペール・ギュント」
語り:石丸幹二
ソールヴェイ:ベリト・ゾルセット(ソプラノ)
アニトラ:富岡明子(メゾ・ソプラノ)
ペール・ギュント:大久保光哉(バリトン)
女の子1:直野容子
女の子2:肥沼諒子
女の子3:紺野恭子
泥棒:上野裕之
仲介者:山下友輔
合唱:新国立劇場合唱団
《19時00分開演 21時40分終演》(休憩1回)
東京フィルの2016〜2017年サントリーホールの会員になった。理由は6公演のうち3公演が演奏会形式で、それも『ペール・ギュント』『蝶々夫人』『イリス(あやめ)』と興味深い演目ばかりだったからである。
今回の演奏会形式は石丸幹二の語りは日本語、歌はノルウエー語(日本語字幕付き)ということで、イプセン原作の物語も解りやすい。前半はペール・ギュントの生い立ち、ソールヴェイとの恋などが語られていく。そして、後半は放浪の旅に出て、金を儲けては無一文になったペール・ギュントが故郷に戻り、ソールヴェイと再会して人生を終える、というもの。
石丸幹二は舞台俳優(歌手でもある)ということもあり、その朗読は表情豊かでありテンポも絶妙。またプレトニョフの指揮との間合いも阿吽(あうん)の呼吸で、石丸幹二の『ペール・ギュント』と言っても過言ではないぐらいのは適役だった。
歌手ではソールヴェイのベリト・ゾルセットが素晴らしかった。3曲しか歌わないのだが、清廉かつ包容力のある声質としっかりとした声量で観客を大いに魅了させた。ただ、他の出演者が少し控えめすぎたのがちょっと残念。
指揮のプレトニョフはおそらくこの作品をかなり手のうちに入れているようで、語り、歌手、合唱団、そしてオケを見事なまでに束ねていた。またコンマスの荒井英治もしっかりと弦および全体をもリードしていて、終演後に観客から盛大な拍手をおくられていた。
これまでに『ペール・ギュント』の組曲は何度か聴いているが全曲を聴くのは初めて。前半(1〜3幕)60分、後半(4〜5幕)80分という長丁場であったが、前半の途中で凡庸に感じる部分もあったが、変幻自在ながらも美しいグリーグの音楽とイプセンの詩的世界を堪能することができ、大変満足であった。『蝶々夫人』『イリス(あやめ)』も大いに期待したい。