
本日は重機の資格試験のうち「解体免許」を取得するための技能講習を受けてきました。
講習会場は北広島市にあるコマツ教習所北海道センタ。
以前の建設系作業免許は北区の中央バス自動車学校で取得したのですが、そこでは解体の講習は行っていないため、コマツさんでの受講となりました。
建設系作業免許というのは、バックホウ、ブルドーザー、ホイールローダーが操縦できる作業免許ですが、今回の解体免許を取得すると、家やコンクリート構造物を壊すための各種アタッチメントを付けた重機が操縦できるのです。

ベースはバックホウの車体です。
そしてこの先端についているバケットを、コンクリート大割圧砕具や小割圧砕具、鉄骨切断具、ブレーカーユニットなどに替えることでそれぞれの作業ができるようになるというわけです。
以前長野県の小布施にある防災パークnuovoを訪ねた際に、「重機ボランティアを目指されるのであれば、バックホウなどの建設機械のほかに『解体免許』と『チェンソーの免許』を取っておかれるとさらに良いですよ」と言われて、ようやく取る気になったのですが、ようやくその日が来ました。

受講もすでに建設系作業免許を取得しているのでコンパクトで、法律だとか大まかな重機のシステムなどについては履修済み扱いになり、学科3時間、実技2時間の5時間コースで今日一日で取得できてお得でした。
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今日の受講者は10名で、30代と思しき若者が7名、60代以上は私ともう一人くらいと全体に若い感じ。
受講の合間に声をかけて会話をしてみると、おおむね皆さん仕事で既にバックホウの操縦をしている方たちばかり。
「普段から操縦しているんだったら今日の受講もお手のものでしょうね」と水を向けると多くの人たちが、「それが逆なんですよ」とおかしなことを言います。
「え?どうしてですか?」と訊くと、「レバー操作が普段乗っている機種と違うんです」というのです。
バックホウの操縦というのは、左右にあるレバーを操作してそれぞれが上下左右に動いてそれぞれに機械の動きが割り振られています。
今日乗る機械はJIS統一による「横旋回」という動きの機種なのですが、今日いたメンバーの多くが乗っているのが「縦旋回」というこれとは違うレバー操作のものなのだと。
「だから体に染みついた操作ではないのでいちいち考えなくちゃいけなくてすごいストレスなんです」
JIS規格の「横旋回」は下記のようなレバーパターンです。

【これが横旋回パターン】
それに対して「縦旋回」というのは、皮肉なことにコマツの重機で使われた「コマツパターン」と呼ばれるレバーパターンでもあるのですが、その違いは左手のレバーです。
「横旋回」ではレバーを左に倒せば左に回転し右なら右に回転するようにできていますが、「縦旋回」では、左レバーを上に倒すと右に回転し下に倒すと左回転になります。。

【一方こちらが縦旋回パターン】
これはアーム操作と右手のバケット操作の連動性を大事にした配列という意味があり、単純に土を掘る動作を効率的に行う上では理にかなった配列と言えるのだそう。
最近の重機では、操縦席のスイッチで横旋回と縦旋回も選べるようになっているものがあるのだそうですが、今日の機械は横旋回のみ。
普段縦旋回にしか乗っていない人たちには、私のように「ゼロから覚える」のではなく「マイナスから覚える」形になってそれはそれで大変なことだったようです。
まあそれでも2回ほど乗っているうちに、操縦の勘所がすぐにつかめたようで皆さん上手に仕上がっていました。
私と言えば、右と左のバランスが悪いうえに連動した動作もできずに最後の検定はグダグダ感があって試験終了後は自己嫌悪で落ち込むレベル。
それでもまあなんとか検定中止にはならずに無事ゴールまで行けたのでなんとか合格を果たすことができました。
解体の重機資格って、実は冬に凍ったアスファルトや地面をブレーカーで砕くときに必要な資格なので、舗装会社と全く縁がないわけでもありません。
まあ会社生活では使うことはないと思いますが、いつか災害ボランティアのお鉢が回ってきたときには生きるようにしたいと思います。
年に一度の頭を焼けるように使う一日でした。 疲れた、ひー
