恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

ハルくんの独り言(本編6話)その4

2015-04-21 07:58:25 | 吉祥寺恋色デイズ 種村春樹

ハル君ルート本編をハル君目線から妄想してみた。
o(〃^▽^〃)o

ハルくんの独り言(本編6話)その3へ


☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg 血液型:A型 特技:勉強・空手 性格:明るいしっかりもの。 優しくて明るい爽やか少年。小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。
4月25日生まれ

☆☆☆☆☆

ハルくんの独り言(本編6話)その4


一人で落ち込んでいたら、紗枝の声がした。

紗枝「お兄ちゃん!!」

春樹「紗枝、来てくれたんだ」

紗枝「うん! 紗枝、一人で来たんだよ」


誇らしげに言う紗枝がたまらなく可愛い。


春樹「そっか、じゃあ帰りは俺と帰ろう。遠くに行っちゃダメだぞ」

紗枝「うん!」


嬉しそうな紗枝が俺の腕にしがみついて来た。


春樹「痛っ! 紗枝、そこ触んないで!」

紗枝「えっ?・・・あっ、お兄ちゃんまた怪我してる!」


紗枝が心配そうに俺の顔を覗きこんだ。


紗枝「お兄ちゃん、死んじゃうの!?」

春樹「ははっ、これくらいで死なないよ」

紗枝「でもお兄ちゃん、ずっと元気ないもん!」


俺は慌てて明るく言った。


春樹「大丈夫。そんなことないから」

紗枝「でもでも! 毎日帰ってくるの遅いし、昨日もずっと起きてたし…」

春樹「紗枝はそんなこと心配しなくてもいいの。
それより、向こうに紗枝の好きなクジあったよ。
お小遣いあげるから遊んできな?」

紗枝「うん!!」


紗枝が元気に走って行く後ろ姿をぼんやりと眺める。


百花「あの、ハルくん」

春樹「佐々木!」

2人「さっきは、ごめんなさい!」


2人で同時に謝ってしまって顔を見合わせる。


春樹「え?」

百花「どうして、ハルくんが謝るの?」

春樹「だって、佐々木のこと、すごい傷つけただろ? 10年、離れたくて離れたわけじゃないのに」

百花「それは…」


言いよどむ佐々木をからかう。


春樹「え!? もしかして、俺らと離れたかったの?」

百花「そんなことないよ!
 ていうか、本当に謝らなくちゃいけないのは、私の方だよ!
 みんなのこと、ハルくんのこと、ヒドイこと言ってごめんなさい」

春樹「…じゃあ、俺が傷つけちゃったのとおあいこね。
だって、みんなの10年間、知らなくて当然なわけだし。
それに…佐々木は、俺が将来のこと言ったから不安に感じちゃっただけなんだろ?」

百花「…」

春樹「なら、佐々木が考え込んじゃった原因は俺じゃん? だから、佐々木は悪くないよ」

百花「…優しすぎるよ、ハルくんは」

春樹「そんなことないって! それにしても、よかった! 無事に戻ってきてくれた」


俺は佐々木の頭をくしゃっと撫でた。こんなこと10年前には出来なかったよな…。

あの頃は佐々木は俺より少し大きいくらいで…。

でも、今はこんなに小さい。

佐々木が恐る恐る言う。


百花「…もう怒ってないの?」


俺はにっこり笑った。


春樹「最初から怒ってないから」

百花「でも…」

春樹「俺、そんなに根に持つタイプに見える?」

百花「うーん…最近のハルくんのことは、あんまり分からないから」


正直な佐々木の言葉に苦笑が漏れる。


春樹「何それ、ちょっとショック。そこまでガキじゃないよ、俺」

百花「あ…そ、そういう意味じゃなくって」


佐々木、慌ててる。可愛い。


春樹「分かってるって。もう気にしないでいいから」

百花「…うん」


もうこの話はしたくなくて、俺は話題を変えた。


春樹「あ、そういえば、俺のオブジェ結構売れてるよ? 変わった形してるね、とか言われて」

百花「ホントだ! 残り少ないね」

春樹「頑張って作ったから、全部売れてくれるといいんだけど。ふぁ…眠っ」

百花「ハルくんって、どうしてそんなに頑張るの?」

春樹「…頑張ってないよ」

百花「…でも…」

春樹「俺は、俺に出来る事をやってるだけだから」


佐々木…。

俺、佐々木が思うほどすごい人間じゃないから…。

やらなきゃいけないこと、自分にできること…。

それだけだよ…俺がやってるのは。


本編6話 おわり


ハルくんの独り言(本編7話)その1へ



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。