12-17.J.エドガー
■原題:J.Edgar
■製作年、国:2011年、アメリカ
■上映時間:137分
■字幕:松浦美奈
■観賞日:2月23日、渋谷シネパレス(渋谷)
□監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド
◆レオナルド・ディカプリオ(J.エドガー・フーバー)
◆ナオミ・ワッツ(ヘレン・ガンディ)
◆アーミー・ハマー(クライド・トルソン)
◆ジョシュ・ルーカス(チャールズ・リンドバーグ)
◆アニー・フーバー(ジュディ・デンチ)
【この映画について】
レオナルド・ディカプリオ主演、クリント・イーストウッド監督という、ハリウッドきっての黄金コンビで、FBI初代長官、ジョン・エドガー・フーバーの半生をつづる衝撃のドラマ。1972年に亡くなるまで、50年近くも政府機関の長を務め、世界で最も恐れられ、アメリカを支配した男の知られざる姿が明らかになる。(この項、Movie Walkerより転載しました)
【ストーリー&感想】
FBIのジョン・エドガー・フーバー長官は、人生の終盤に差し掛かり、部下に命じて回顧録を書き取らせる。記憶はFBI誕生以前へと遡り、彼の表の経歴が語られるとともに、その裏側の野望、企み、葛藤、苦悩が次第に明らかにされていく……。
20世紀の半分を占めるおよそ50年もの間、アメリカで大統領さえも及ばない強大な権力を手にしていた男。そのたった一人の人間が、アメリカのあらゆる秘密を掌握し、国さえも動かしていたという事実。50年間に入れ替わった大統領は8人にのぼり、その誰もが彼を恐れた。それが、ジョン・エドガー・フーバーFBI初代長官である。
20代でFBI前身組織の長となり、以後、文字通り死ぬまで長官であり続けた。今日では当たり前とされる科学捜査の基礎を確立し、犯罪者の指紋管理システムを作ったのも彼なら、FBIを子どもたちの憧れの的にまで押し上げたのも彼だった。
紛れもない英雄であるにもかかわらず、彼には常に黒い疑惑やスキャンダラスな噂がつきまとった。やがて、国家を守るという絶対的な信念は、そのためになら法を曲げてかまわないというほど強く狂信的なものとなる。それゆえ彼は正義にもなり、悪にもなった。国を守るという大義名分のもと、大統領を始めとする要人たちの秘密を調べ上げ、その極秘ファイルをもとに彼が行った“正義”とは一体何だったのか?
イーストウッド監督が今回取り上げたのはFBI初代長官として知られている「フーバー」だが、原題は「J.エドガー」であり「公」の部分と同時に「私」の知られざる部分を大胆に描いている。盟友トルソンと秘書という立場から支えたミス・ガンディとの関係を巧に絡ませ、更に、母アニーの期待を背負っているジョンという、この3人との関係が中心だ。
まずは有名なリンドバーグ愛児誘拐事件がFBI誕生のきっかけになり、この事件捜査で捜査の壁にぶち当たりジョンはいらだつ。だが、逆にこの事件で、州をまたいでの犯罪にFBIが関与できる事になったので、冒頭部分にこれを持ってきたのは正解。そこからトルソンという後の盟友を得てからのジョンに関しては、年老いた現在と回想部分が重なって行く。この中で盛んに強調されるのが、母アニーの過大な期待とそれに応えようとするジョンの姿、トルソンとの同性愛の2点である。そんなジョンの行動を逐一静かに?見守っていたのが秘書のヘレンという構図で、実はこのヘレンの存在が陰ながら大きかった。
ジョンの権力が大きくなるに従って、彼に対抗するグループも現れるのだが秘書ヘレンは常にジョンの考えの一歩先を読んでいた感がする。生涯独身を貫いたジョンだが、秘書ヘレン不在では50年間の長い間長官として君臨することは出来なかっただろう。トルソンの存在も公私に渡って大きかったが、彼はイエスマンでありジョンに取っては都合の良い部下だったのでは無いだろうか?
観る方としては8人の大統領との関係を通じて、ジョンが如何に巨大な権力を手中に収めて行ったのかの部分も見たかった。公聴会での反論や大統領から呼び出されるシーンもあるが、その辺の描き方は不充分だった。ラストで亡くなった直後、ニクソンの側近がジョンの執務室を徹底的に調べ、ホワイトハウス側に不利な書類が無いかまるで家宅捜索のように血眼になって捜すが、秘書ヘレンはそんな時がいずれ来ると予感していたのだろう。この辺は流石だ。
ジョンを演じたディカプリオはメイクで若い時代から老け顔まで一人で演じ切った。アビエーターでも実在の人物を演じていたが、今回は政治家を演じた。この手の重厚な作品の主役は重圧もあるだろうが、もはや演技派とも称される彼の演技は円熟味さえ感じさせる。
秘書ヘレンを演じたナオミ・ワッツは一歩下がって?ジョンを支える役だったが、役の意味をしっかりと理解していてこちらも良い演技だった。
たしかに レオの演技は円熟味とは納得ですね
今後 新境地なるのか・・・
レオは自分がステップアップ出来そうな作品
を吟味している感じですね。いずれ、アカデ
ミー賞も受賞されることでしょう。
演技派の道を一直線ですね!!