14-11.黒執事
■配給:ワーナー・ブラザース
■製作年、国:2014年、日本
■上映時間:119分
■料金:1,800円
■観賞日:1月26日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(六本木)
□監督:大谷健太郎、さとうけいいち
◆剛力彩芽
◆水嶋ヒロ
◆優香
◆山本美月
◆岸谷五朗
◆伊武雅刀
◆城田優
◆丸山智己
◆安田顕
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
漫画、アニメなどで絶大な人気を誇る枢やな原作のコミックを、水嶋ヒロ主演で実写映画化。貴族の執事セバスチャンと女性であることを隠している幻蜂清玄を中心に、映画版オリジナルのストーリーが展開していく。
巨大企業の若き総帥にして、女王の密命を帯びる名門貴族の末裔である幻蜂清玄伯爵は、過去の壮絶な傷を抱え、わけあって女であることを隠して生きる男装の令嬢だ。執事のセバスチャンとは絶対的な主従関係にあるが、その関係は主の魂で契約された究極のものだった。そんな中、街で“連続ミイラ化怪死事件”が頻発。警察保安省外事局局長・猫磨実篤は、部下の鴇沢一三、松宮高明に捜査命令を下す。やがて鴇沢は、幻蜂伯爵とその執事が事件の周辺にいることに気づき、疑いの目を向け始める……。
水嶋ヒロ、久々の映画出演と剛力彩芽が出ている事で注目されている邦画。原作はアニメだが映画化された本作はオリジナル・ストーリーだそうだ。飼い犬の名前をそのまま付けられた黒執事ことセバスチャンは命をかけて主である清玄を守り命じられるままに「御意に!」の一言で完璧に遂行する。
名門貴族の跡取り清玄は両親を目の前で虐殺され叔母華恵が後見としてサポートするなか、この華恵は実はこのストーリーの鍵を握る人物でもあり、清玄両親惨殺事件の首謀者でもあったことが後半で明かされる。優香は華恵役を前半は忠実な後見人を、後半は一転して清玄の父に棄てられた元妻として幻蜂家に復讐する役を見事に演じていた。
ストーリーは後半になって二転三転するなか、中盤に秘密のドラッグを巡る場面があり、これが事件の真相を結び付くのかと思いきや、華恵の私怨から幻蜂家へどうしても復讐したかった。後継ぎを求める父が華恵と別れ姉(清玄の母)と結婚したこと、それを恨んで反西側の犯罪組織による清玄の両親殺害を手引きし、不死の肉体を得て生き続けることで清玄から幻蜂家を奪おうとしていたことを暴露する。そして黒幕犯罪組織の正体を知らないと言い、清玄はショックを受ける。セバスチャンに欺かれさらに毒を盛られた華恵は、急激にミイラ化し肉体を消滅させ死ぬ。
その後、爆破を防ぎ人々を救うため命がけで装置を運び出す清玄をセバスチャンは冷ややかに見つめるが、彼女が自力で装置を解除し倒れたあと、解毒剤を口移しで飲ませて救う。ストーリーとしては中盤のドラッグ・パーティーが思わせぶりで事件の真相とは直接結びつかなかった。
出演陣の中では水嶋ヒロが事実上の主役である。セリフが少ないながらも立ち居振る舞いなどで魅せてくれた。「御意に」の決めゼリフも場面に応じてタイミングを変えたりしていて、彼の存在が無ければ映画として目立つ事は無かっただろう。もう一人の主役である剛力彩芽だが、まだまだ演技力には疑問符が幾つも付くのはセリフと演技が一体化していないからだろうか?逆に優香演じる叔母の華恵は後半になってから一気に存在感が増して行った。
剛力彩芽が数年後か数十年後に目指すお手本のような存在が優香だったような気がする。