ちくま 弁天町

こちらのご主人は、それなりの店の弟子を育てたり、名のある方なのだが、弁天町の四つ辻近くにあまり広からぬ店を構えてそれを一人で切り盛りされたり、なかなかマイペースの方なのだな、と感じる。


蕎麦汁は甘めのものと、どろっと濃いのにすっきりした塩辛めのものが出てくる。蕎麦猪口（というか鉢）はひとつ。さらに、山葵は客がおろす。蕎麦が出てくる前に、謎かけが多い。



蕎麦は江戸風。細打ちだが、つやつやとした綺麗な姿。お店は清楚な姿とは言えないが、蕎麦はとびきりの別嬪さん、


この日の昼にはきす天もりにした。私の経験では、こちらのご主人は蕎麦や汁も凄いが、ちょっとした揚げ物などに抜群のセンスをパッとみせてくれる。それ程味の濃い魚ではないが、ほっこりと揚がった天麩羅はめずらしくも、蕎麦へと向かう箸を中断させる勢いがあった。