蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

十割手打ちそば 玄  上松町

2013-07-31 23:29:20 | 蕎麦
木曽唯一の、十割蕎麦専門の蕎麦屋さんである。


蕎麦は開田高原で自家栽培。それを自家製粉している。
土日は夕方まで営業予定だが、蕎麦が終わり次第閉店なので先手必勝。なんとか、滑りこむことができた。




土日限定の粗挽き十割は既に売り切れだったので、かき揚げ天ざるそばを注文した。注文は、すべてお店に入って直ぐの食券販売機で行う。
かき揚げは地物野菜を使い、専用の汁が出るくらいが特色だろうか。


なんといっても、太打ちで柔らかめの田舎蕎麦十割が素晴らしい。
まさしく、私の好みである。
田舎と言っても、汁は洗練された辛みが勝るもの。十割を求めるお客の舌の特性を知りつくした上での計算だと感じた。

木曽では少数派の十割専門の蕎麦屋さんだが、その味わいは実に鮮烈であった。


須原の街並み  長野県大桑村

2013-07-30 21:20:37 | 古民家、庭園
定勝寺は木曽路の須原の宿にある。


寺の緑の脇に、いかにも街道沿いの造りという感じの民家が建つ。


街道の両脇には、今でも勢いよく水が流れる。
画面左手奥には、木曽の御嶽山が姿を現わす。


山からの豊富な水を使って、身を清める装置が街道沿いの宿場町の中に造られている。
本当に羨ましくなる装置である。


定勝寺  大桑村

2013-07-29 23:22:01 | 古民家、庭園
木曽谷の臨済宗寺院のなかでも、最も古い歴史を持つという。と言っても、建築物の一部が1598年に建てられた。ギリギリ桃山時代の建築と言える。




山門も、1598年に建てられた。確かに、不思議な迫力がある。


本堂より庭を望む。雪深い地だからなのか、障子は畳や廊下の面からではなく二寸ほどの小壁の上に配置される。




本堂脇の池の姿は、明治初期より変わっていないという。


額縁の効果が見事である。さすが、豪華な桃山の建築と思う。






本堂前の庭園は、岡谷市の小口基實の作庭。なかなかの迫力である。
また、木曽谷の自然をよく調べた庭とも感じた。

松風園  上越市中央

2013-07-28 22:38:12 | 古民家、庭園
直江津の昔の湊近くの盛り場は、現在の国道8号線よりもさらに北側に位置したようだ。


冬場の蟹料理の名店として知られるお店からたいして離れていない所に、明治からの老舗が大きな店を構える。


池を中心として造られた老舗は、各室から池の風景を眺められるように造られているようだ。事前に電話を入れたので1階のとても庭の姿が素晴らしい部屋を使わせていただいたようだ。
2階の部屋から見た池庭の姿も、それなりに見事だろう。
この池を中心とした庭の造りは、お江戸は谷中の朝倉彫塑館を思い起こさせる。どちらが先に造られたのかはよく分からない。


昼の弁当を予め注文してあった。まずはお造りから始まる。
こちらも、魚を寝かせる技術を発揮せれているように感じた。


手の込んだ蒲鉾の包丁細工、隣の新鮮な海老、焼き物、揚げもの、あるべきものは揃っている。
ゆっくり時間をかけて食べる価値がある。




玉子豆腐に野菜の煮物。出汁の味が濃くてにこごりとなる。


ご飯に吸い物、最後に茶菓子が付く。
満足度は非常に高い。


食後に池庭の姿を眺めて、見飽きなかった。

 

ステファノ屋台  神楽坂

2013-07-27 21:06:14 | 洋食
神楽坂祭りは、様々な連が阿波踊りを繰り広げ、外濠から地下鉄の駅付近までが観客で一杯になる。
当然、神楽坂のお店も祭りを見ながら食べやすい手軽なものを提供する。


普段は露地の奥に店を構えるステファノさんも、この時ばかりは屋台を出す。
フェットチーネは直ぐ後ろの寸胴鍋で茹で上げ、その隣の鍋にはトマトソース。
サングリア、シャンパン、赤白ワインが飲める。


フォカッチャは、素朴な生地をベースに生ハム、チーズ、生トマトを挟みこんでいる。
これは、どの酒ともよくマッチする。


フェットチーネは、茹で時間の計算が見事。比較的短い茹で時間でありながら、適切な茹で具合を味わえる。
ソースやチーズもたっぷりしている。


ご馳走様でした。


弁天岩  糸魚川市能生

2013-07-26 23:02:15 | 自然
弁天岩はなんとも不思議な形をした岩であり、信仰の対象となっているようだ。


ごく簡単に橋を渡って行けるので、今年も寄ってみた。


灯台あり、鳥居あり。灯台の裏側は絶壁で、かろうじて岩を降りる小道はあるのだが踏み外したらお終い。


夏の季節だから、海にそそり立つ岩にも寄ってみようかという気分になる。水温の高そうな海がとても穏やかなものに見える。
しかし、これが北風の吹きつける冬場だったら、と思うと思わずぞっとする。


称念寺  飯山市

2013-07-25 21:15:15 | 古民家、庭園
飯山の寺町の中でも特に賑わう交差点からたった数十メートル。


山門へと登る参道はよく手入れされた緑にあふれていた。


境内はカエデと苔の庭。
庭を覆い尽くす松や杉などはなく、とても明るい庭となっている。




苔は生き生きとして、手入れの素晴らしさを感じさせる。
シダと苔、そして時代のついた石は、時の経過の深さを感じさせるよい取り合わせである。


カエデが一斉に紅葉する秋にも、素晴らしい姿を見せてくれるのだろう。




目立つような巨石が配されている庭ではないが、おそらく庭石にも一言ある方が作庭されたのではないだろうか。



北志賀家電そば部  下高井郡中須賀川

2013-07-24 23:27:41 | 蕎麦
自家栽培の蕎麦をオヤマボクチつなぎの十割で食べさせるお店である。


土日祝日のみお店を出し、一日限定10食。
家電販売店のおかみさんが兼業するお店なので、それくらいが蕎麦を打つ限界なのかもしれない。
この日は、ズッキーニと茄子の油味噌がサービスでついた。自家栽培の茄子は新鮮で、驚くほど美味。




お店のキャリアはそこそこあるようで、蕎麦は実に端正な姿を見せる。
暴れ者の十割とはまるで違う姿である。

ふと調味料が置かれているトレイを見ると、そば豆知識のプレートがあった。
「そばは時間が経つと甘みが増します。」とある。


蕎麦の味の変化に気がついた人は意外にいるようだ。銀座の蕎麦屋吉田で、蕎麦の甘みが出てくるのを待って、お店の人をひやひやさせたエピソードなど、どこかで読んだ記憶がある。
豆知識の指示どおり、少しだけ蕎麦を残しておいて、表面がちょっと乾いた感じになるまで待って食べてみたらその差は歴然であった。


このお店、お品書きは1種類。基本はもり蕎麦で1200円。ちょっと高いと感じられる方が多いかもしれない。
しかし、自家栽培でお店の規模も大きくしないとなると、この値段でも採算ギリギリかもしれない。
あくまでも妥協しないで素姓の確かな蕎麦を食べたいと思うなら、お勧めである。


稲泉寺 ハスの花の頃  木島平村

2013-07-23 22:14:23 | 古民家、庭園
背景に北志賀高原の名もなき山がひかえている。


信州、飯山の町は寺町で有名だが、そこから少し山に入ったところにも歴史ある寺が数々見られる。
この寺は、曹洞宗の禅寺らしく人里離れた場所を選んだのだろう。


およそ20年前にお寺の田圃を減反することになり、そこに大賀ハスを植えたのが始まり。
いまでは10万株が植えられている。


本堂の前に蔵が経つ豊かなお寺だが、その足元からハス田が広がる。
ハス田のはるか向こうには戸狩の山々が望める。


めずらしく斜めに咲いたハス。




本堂前の庭も、よく手入れされている。
三尊石も裏側から拝見した。


割烹 嶋村  八重洲

2013-07-22 22:41:48 | 日本料理
江戸末創業の割烹料理屋であるが、意外に庶民的な使い方もできるお店である。


東京駅から直線距離で300メートル位の場所にある座敷である。予め季節のものを盛り込んだつきだしがしつらえられていた。


出汁の吟味された椀物。
蓋の置き方を間違えたようだ。


お造りは、白身。
魚を寝かせる技法を使っている感じの滑らかさを感じた。


煮物は色取りもよく、味も深い。手がかかっているのが、一目で感じられる。


生湯葉に生ウニ。そこへ餡かけ。
このお店のオリジナルのようだ。


茶漬けでさらっと〆る。
大いに語らう、充実したひとときであった。