870)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その3): ケモカインが増殖と転移を促進する

図:抗がん剤治療によってがん組織はダメージを受ける(①)。ダメージを受けた組織を修復するために、がん組織中の線維芽細胞からケモカインや増殖因子が産生される(②)。がん細胞はケモカインや増殖因子に対する受容体が刺激され、増殖が亢進する(③)。ケモカインや増殖因子は骨髄の血管内皮前駆細胞や炎症細胞(マクロファージなど)をがん組織に動員する(④)。その結果、抗がん剤でダメージを受けたがん組織は血管の新生 . . . 本文を読む
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869)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その2): アポトーシス細胞ががん幹細胞の再増殖を促進するフェニックス・ライジング(不死鳥復活)

図:がん細胞が放射線照射や抗がん剤で強いダメージを受けるとアポトーシス経路が活性化され(①)、最終的にアポトーシスを実行するカスパーゼ3と7が活性化されて(②)、細胞死(アポトーシス)が誘導される(③)。活性化したカスパーゼ3と7は細胞のホスホリパーゼA2を切断して活性化し(④)、細胞膜のリン脂質からアラキドン酸を産生し(⑤)、がん細胞に過剰に発現しているシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)によ . . . 本文を読む
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868)抗がん剤治療はなぜ失敗するのか(その1):多倍体巨大がん細胞 (Polyploid giant cancer cell)の出現

図:抗がん剤や放射線照射によってがん細胞が遺伝子毒性の強いストレスを受けると(①)、多くのがん細胞は死滅してがん組織は縮小する(②)。しかし、一部のがん細胞は多倍体あるいは多核の巨大がん細胞になる(③)。この巨大がん細胞は増殖能を喪失しているが代謝的に活性であり、SASP (senescence-associated secretory phenotype : 老化関連分泌表現型)と呼ばれる様々な . . . 本文を読む
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867)活性酸素ががんを消す(その2):酸化的リン酸化と酸化ストレスの亢進

図:がん細胞では低酸素やPI3K/Akt/mTORC1シグナル伝達系の活性化によって低酸素誘導因子-1(HIF-1)の活性が恒常的に亢進している(①)。HIF-1はピルビン酸脱水素酵素キナーゼの発現を誘導し(②)、ピルビン酸脱水素酵素キナーゼはピルビン酸脱水素酵素をリン酸化してその活性を阻害する(③)。その結果、ピルビン酸からアセチルCoAへの変換が阻止されてミトコンドリアでの糖代謝(酸化的リン酸 . . . 本文を読む
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866)活性酸素ががんを消す(その1):乳酸脱水素酵素A(LDHA)阻害

図:がん細胞ではグルコース・トランスポーター1(GLUT1)からグルコースの取り込みが増えている(①)。解糖系では1分子のグルコースから2分子のピルビン酸、2分子のATP、2分子のNADH + H+が作られる(②)。乳酸脱水素酵素Aは、NADH + H+を還元剤として用いてピルビン酸を還元して乳酸にする(③)。この乳酸発酵によってNAD+を再生することによって解糖系での代謝(無酸素でのATP産生) . . . 本文を読む
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865)がんに勝つケトン食スープ

図:ケトン食は低糖質+高脂肪(特にMCTオイル、ω3多価不飽和脂肪酸を増やす)の食事となる(①)。グルコース(ブドウ糖)とインスリンとインスリン様成長因子-1(IGF-1)はがん細胞の増殖を促進する。したがって、低糖質食は血糖とインスリンとIGF-1によるシグナル伝達系を抑制して(②)、がん細胞の増殖や浸潤や転移や抗がん剤抵抗性を阻止する(③)。MCTオイル(中鎖脂肪酸中性脂肪)はケト . . . 本文を読む
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864)cGAS-STINGを活性化する抗腫瘍免疫増強法

図:抗がん剤と放射線治療はがん細胞のDNAにダメージを与え、細胞質内にdsDNA(二本鎖DNA)が存在するとcDAS-STINGシグナル経路が活性化され(②)、インターフェロン(IFN)の分泌が誘導され(③)、T細胞(④)とNK細胞(⑤)が活性化される。死滅したがん細胞は樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞に貪食され(⑤)、dsDNAによってcGAS-STING経路が活性化され(⑥)、1型I . . . 本文を読む
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863) 5-アミノレブリン酸と鉄剤とアルテスネイトの併用によるがん治療

図:鉄はトランスフェリンに結合して全身を循環している。1分子のトランスフェリンは3価の鉄イオン(Fe3+)を2個運搬できる(①)。ほとんどの細胞の細胞膜に存在するトランスフェリン受容体(TFR)に3価鉄イオンを結合したトランスフェリンが結合すると、この複合体はエンドサイトーシス (Endocytosis)によって細胞内に取り込まれる(②)。エンドソーム(endosome)内の酸性の環境では、鉄イオ . . . 本文を読む
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862)アルテスネイトの抗がん作用(その2):ヘムとの相乗効果

図:がん細胞はトランスフェリン受容体(①)の発現が多く、細胞内に鉄を多く取り込んでいる(②)。ヘム(2価の鉄原子とポルフィリンから成る錯体)の合成も亢進している(③)。抗マラリア薬のアルテスネイト(④)は分子内にエンドペルオキシド・ブリッジ(endoperoxide bridge)を有し、これは鉄イオンやヘムと反応して、活性酸素を発生する(⑤)。鉄イオンやヘムを介してがん細胞内で多量に発生した活性 . . . 本文を読む
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861)アルテスネイトの抗がん作用(その1):ヒドロキシクロロキンとの相乗効果

図:がん細胞はトランスフェリン受容体(①)の発現が多く、細胞内に鉄を多く取り込んでいる(②)。抗マラリア薬のアルテスネイトは分子内にエンドペルオキシド・ブリッジ(endoperoxide bridge)を有し(③)、これは鉄イオンやヘムと反応して(④)、活性酸素を発生する(⑤)。鉄イオンを介してがん細胞内で多量に発生した活性酸素は、細胞膜や細胞内小器官の膜の脂質を酸化して傷害し、フェロトーシスやア . . . 本文を読む
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860)GPR109A(HCAR2)受容体の活性化(その2):抗がん作用

図:腸内細菌による食物繊維の発酵によって産生される酪酸(①)とケトン食やケトン供与体で産生されるβヒドロキシ酪酸(②)は大腸がん細胞に発現しているGPR109A(HCAR2)に作用して(③)転写調節因子のHoxpを活性化し(④)、大腸がん細胞の増殖を抑制する(⑤)。 860)GPR109A(HCAR2)受容体の活性化(その2):抗がん作用 【HDLコレステロールが高いとがんの発生リス . . . 本文を読む
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859)GPR109A(HCAR2)受容体の活性化(その1):抗老化・寿命延長効果

図:絶食・飢餓・ケトン食で産生されるβヒドロキシ酪酸(①)やビタミンB3(②)のナイアシン(ニコチン酸とニコチン酸アミド)は脂肪細胞やマクロファージなどに発現しているGタンパク質共役型受容体のGPR109A(HCAR2)のアゴニスト(作動薬)として作用し(③)、低密度リポタパク質(LDL)と中性脂肪(TG)を低下させ、高密度リポタンパク質(HDL)の血中濃度を上昇させ、抗炎症作用やアディ . . . 本文を読む
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858)アブラナ科野菜の抗がん作用を強める調理法:40℃スープ

図:ブロッコリーやカリフラワーやキャベツなどのアブラナ科野菜にはグルコシノレートというイオウを含みグルコース(ブドウ糖)が結合した物質が含まれている(①)。グルコシノレートには複数の種類があり、そのうちのグルコラファニン(②)は、野菜の細胞が壊れるとミロシナーゼという酵素と反応してスルフォラファンを生成する(③)。別のグルコシノレートのグルコブラシシン(④)も、同様にミロシナーゼによって加水分解し . . . 本文を読む
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857)SGLT2阻害剤カナグリフロジンの抗がん作用

図: 血液中のグルコースは受動的グルコーストランスポーターのGLUT1(①)と能動的な輸送体(②)のナトリウム-グルコース共輸送体 2 (SGLT2)によって細部内に取り込まれる。グルコースは解糖(③)でピルビン酸(④)に変換され、ミトコンドリアでATP産生に使われる(⑤)。ATPは物質合成(同化)と細胞増殖・生存を促進する(⑥)。増殖刺激が受容体を介して細胞に作用すると(⑦)、PI3キナーゼ(P . . . 本文を読む
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856)ケトン体療法(その6):SGLT2阻害剤と全体のまとめ

図:SGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)阻害剤(①)は、腎臓で濾過されたグルコースの再吸収を阻害し(②)、尿中にグルコースを排出(③)ことによって血糖を低下する(④)。その結果、膵臓からのインスリン分泌が低下し、グルカゴン分泌が増える(⑤)。このホルモン分泌の変化は脂肪組織の脂肪分解と脂肪酸の遊離を促進する(⑥)。脂肪酸は肝臓でβ酸化によって代謝され(⑦)、アセチルCoAが増え . . . 本文を読む
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