図:絶食・飢餓・ケトン食で産生されるβヒドロキシ酪酸(①)やビタミンB3(②)のナイアシン(ニコチン酸とニコチン酸アミド)は脂肪細胞やマクロファージなどに発現しているGタンパク質共役型受容体のGPR109A(HCAR2)のアゴニスト(作動薬)として作用し(③)、低密度リポタパク質(LDL)と中性脂肪(TG)を低下させ、高密度リポタンパク質(HDL)の血中濃度を上昇させ、抗炎症作用やアディ . . . 本文を読む
図:ブロッコリーやカリフラワーやキャベツなどのアブラナ科野菜にはグルコシノレートというイオウを含みグルコース(ブドウ糖)が結合した物質が含まれている(①)。グルコシノレートには複数の種類があり、そのうちのグルコラファニン(②)は、野菜の細胞が壊れるとミロシナーゼという酵素と反応してスルフォラファンを生成する(③)。別のグルコシノレートのグルコブラシシン(④)も、同様にミロシナーゼによって加水分解し . . . 本文を読む
図: 血液中のグルコースは受動的グルコーストランスポーターのGLUT1(①)と能動的な輸送体(②)のナトリウム-グルコース共輸送体 2 (SGLT2)によって細部内に取り込まれる。グルコースは解糖(③)でピルビン酸(④)に変換され、ミトコンドリアでATP産生に使われる(⑤)。ATPは物質合成(同化)と細胞増殖・生存を促進する(⑥)。増殖刺激が受容体を介して細胞に作用すると(⑦)、PI3キナーゼ(P . . . 本文を読む
図:SGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)阻害剤(①)は、腎臓で濾過されたグルコースの再吸収を阻害し(②)、尿中にグルコースを排出(③)ことによって血糖を低下する(④)。その結果、膵臓からのインスリン分泌が低下し、グルカゴン分泌が増える(⑤)。このホルモン分泌の変化は脂肪組織の脂肪分解と脂肪酸の遊離を促進する(⑥)。脂肪酸は肝臓でβ酸化によって代謝され(⑦)、アセチルCoAが増え . . . 本文を読む
図:絶食時には体脂肪(脂肪酸)が燃焼することによって肝臓でケトン体(アセト酢酸とβ-ヒドロキシ酪酸)が産生され、ケトン体は血中に移行し、脳やその他の末梢組織に代替燃料源として提供する。β-ヒドロキシ酪酸およびそのミネラル塩(ケトン塩)、ケトンエステル、R-1,3-ブタンジオール、中鎖トリグリセリド (MCTオイル)を摂取すると、体脂肪を燃焼させずに体内のケトン体濃度を高めること . . . 本文を読む
図:絶食とケトン食(①)はPPARα(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α)を活性化してFGF21の発現を亢進する(②)。FGF21はLKB1を活性し(③)、LKB1はAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化(④)、AMPKはサーチュイン1(Sirtuin1)を活性化する(⑤)。サーチュイン1はPGC-1αを活性化し(⑥)、PGC-1αは . . . 本文を読む
図:脂肪酸(中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸)はβ酸化によって分解されてアセチCoAを産生する(①)。アセチルCoAは2分子が縮合してアセトアセチルCoAになる(②)。アセトアセチルCoAはHMG-CoA合成酵素によってヒドロキシメチル・グルタリルCoA(HMG-CoA)に変換され(③)、HMG-CoA還元酵素(④)によってメバロン酸に変換され、コレステロールや糖タンパク質の合成や、G結合タンパク . . . 本文を読む
図:炭素数8のカプリル酸の多いMCTオイル(①)と卵黄(②)をコップに入れ(③)、電動ミルクシェーカーで攪拌して(④)、乳化させたものを摂取する(⑤)。脂肪酸分解酵素(リパーゼ)のサプリメント(⑥)を一緒に服用すると脂肪酸の遊離が促進され、コーヒー(⑦)を飲むとカフェインによってミトコンドリアでの代謝が促進されてケトン体合成が促進される。カプリン酸(炭素数8の中鎖脂肪酸)から肝臓でケトン体の&be . . . 本文を読む
図:ケトン食はケトン体の産生を高める低糖質・高脂肪食で、古典的ケトン食(長鎖トリグリセリドがエネルギーの90%)、MCTケトン食(摂取脂肪量の30%〜60%を中鎖脂肪酸のMCTオイルから摂取)、修正アトキンズ食(糖質摂取を1日10g〜20gに制限する以外は自由)、低グリセミック指数食(グリセミック指数が50以下の食品を食べる)の4種類がある。ケトン食は血糖上昇やインスリン分泌の抑制など様々なメカニ . . . 本文を読む
図:糖質の多い食事は血糖を高め、インスリン/インスリン様成長因子-1(IGF-1)受容体のチロシンキナーゼ・ドメインのチロシン残基のリン酸化を介して(①)、PI3キナーゼ(PI-3K)/Akt/ mTORC1シグナル伝達系(②)を活性化し、栄養素取込みやエネルギー産生、細胞分裂・増殖、細胞生存などを亢進して(③)、がん細胞の増殖を促進する(④)。2-デオキシ-D-グルコース(2-DG;⑤)が細胞内 . . . 本文を読む
図:インスリン様成長因子-1(IGF-1)はIGF-1受容体(IGF-1R)に結合すると(①と②)、PI3キナーゼ(PI3K)というリン酸化酵素が活性化される(③)。PI3Kは細胞膜の構成成分であるイノシトールリン脂質をリン酸化する酵素でp80とp110の2つのサブユニットから構成されている。PI3Kはホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)の3位のOHをリン酸化してホスファチジルイ . . . 本文を読む
図:がん細胞ではグルコースの取り込みと解糖系での代謝が亢進し、乳酸と水素イオン(H+)が増え(①)、水素イオンはV型ATPアーゼ(V-ATPase)で細胞外に排出され(②)、がん細胞外に水素イオンが貯留して酸性化している(③)。がん細胞では低酸素誘導因子-1(HIF-1)の発現と活性が亢進してピルビン酸脱水素酵素キナーゼの発現を誘導し(④)、ピルビン酸脱水素酵素の活性を阻害している(⑤)。その結果 . . . 本文を読む
図:がん細胞はグルコースの取り込みと解糖系が亢進し(①)、乳酸産生が亢進している(②)。さらにペントース・リン酸経路が亢進し、核酸やアミノ酸や脂肪酸やNADPHの合成が亢進している(③)。ミトコンドリアでの酸化的リン酸化は抑制されている(④)。発酵小麦胚芽エキスに含まれる2,6-ジメトキシベンゾキノンはグルコースの取り込みと解糖系と乳酸産生を阻害し(⑤)、ペントースリン酸経路を阻害して、物質合成と . . . 本文を読む
図:大腸内には多数の腸内細菌が存在し(①)、その量や組成が免疫チェックポイント阻害剤(②)などの免疫療法の抗腫瘍効果に影響する。一部の腸内細菌が産生するイノシン(③)がチェックポイント阻害剤の応答率を高めることが報告されている(④)。
846)腸内細菌が産生するイノシンが免疫チェックポイント阻害剤の効き目を高める
【腸内細菌叢の組成は個々人で大きく異なる】人間の腸内には、種類にしておよそ1,0 . . . 本文を読む
図:動脈の内面を覆う血管内皮細胞(①)の中で、様々な刺激で一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)が活性化され、L-アルギニンからNO(一酸化窒素)が生成される(②)。内皮細胞で生成されたNOは血管平滑筋細胞内のグアニル酸シクラーゼを活性化し(③)、サイクリックGMP(cGMP)を生成する(④)。cGMPはcGMP依存性プロテインキナーゼ(プロテインキナーゼG)を活性化し(⑤)、タンパク質リン酸化や細 . . . 本文を読む