観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

2019年もありがとうございました。

2019-12-28 20:56:00 | 冬の藤前干潟

※ 野鳥観察館の年末・年始のお休み ※

2019年12月29日(日)~2020年1月3日(金)は休館します。

新年は1月4日(土)より通常開館しますので、よろしくお願いいたします。

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藤前干潟

今日の満潮時間7時38分 潮位231cm

今日の干潮時間13時11分 潮位 93cm

 

今日は2019年最後の開館日でした。

寒さは感じましたが、青い空が見え、比較的穏やかな日でした。

また、今日からお休みの方が多いようで、バードウォッチャーの方が多く来館されました。

 

今日はお昼少し過ぎに最大干潮を迎えた庄内川河口。

庄内川の中ほどにも干潟が現れ、オナガガモとユリカモメなどが集まっていました。

野鳥観察館の近くの護岸沿いを歩いていると、まずみつけたのはヒドリガモのペア。

捨石についているもの(藻でしょうか?)をほとんど脇目もふらず食べていました。

また、護岸近くを泳いでいたオナガガモは・・・、

護岸近くの干潟に寄ってきて・・・、

水深が浅い場所に頭を突っ込み、採餌していました。ヒドリガモとオナガガモは同じカモの仲間ですが、採餌の方法は少し異なりますね。

その近くの干潟では、イソシギも餌を探していました。小さなカニを捕えて食べているのも観察できました。

 

この後、稲永公園では、ナンキンハゼの木にカワラヒワの群れを発見。

どのカワラヒワもナンキンハゼの白い実の根本のあたりをくちばしでつついているようには見えたのですが、今日はナンキンハゼを丸ごと飲んでいる場面は見られませんでした。

ただ、写真をよくよく見ると、白色のものがくちばしについていました。

 

 

さて、最終開館日に今年を簡単に振り返ってみると、まずは2つのイベントが思い出されます。

2月にみなとアクルスで行われた「ごみ非常事態宣言20周年記念イベント」と、

6月の「全国植樹祭あいち2019サテライト会場出展@オアシス21」です。

どちらも長い間、関係者でしっかり準備をして、当日多くの方に楽しんでいただけたので達成感がありました。

普段は野鳥観察館内や藤前干潟での案内・解説をしていますが、他の場所での多くの方との出会いも新鮮なものでした。

来年も藤前干潟の外に出て、より多くの方に藤前干潟や藤前干潟の野鳥のことを知ってもらう機会があると良いと思っています。

 

また、藤前干潟に飛来にした野鳥の中では、クロツラヘラサギとヘラサギが印象に残っています。

今年は珍しく、ヘラサギ、クロツラヘラサギの飛来が続けてある年でした。

ヘラサギは4月18日10月19日に飛来が確認されました(4月より前の確認はそれより13年前のことでした)。

10月に飛来したヘラサギは10日ほど藤前干潟に滞在していましたが、10月27日のヘラサギがヨシ船に乗って流れていく様子を紹介した日記は反響をいただいたのを覚えています。

 

一方、クロツラヘラサギは、ゴールデンウィーク中の5月2日に8年ぶりの飛来が確認されました。6日間ほどの滞在でした。

 

また、今冬はハマシギの飛来数はさほど多くはないですが、ここ数年に比べて安定していることを嬉しく思っています。

1月からも同じように干潟にハマシギの群れを見ることができるよう願っています。

 

それでは、今年も野鳥観察館に来館いただいた皆様、当ブログをご覧いただいた皆様、ありがとうございました。

2020年も野鳥観察館をよろしくお願いします。

良い年をお迎えください。

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ2、カンムリカイツブリ266、カワウ2,076、ダイサギ1、コサギ11、アオサギ21、マガモ23、カルガモ3、コガモ12、ヒドリガモ8、オナガガモ464、キンクロハジロ175、スズガモ182、ミサゴ16、トビ2、シロチドリ25、ダイゼン11、ハマシギ654、イソシギ1、ユリカモメ28、セグロカモメ3、オオセグロカモメ2、カモメ1、ウミネコ2、ズグロカモメ19 

 

【藤前干潟に関連する今後のイベント】

☆2020年1月1日「初日の出ウォッチング」@藤前干潟の堤防(藤前活動センター前の堤防)(主催:NPO法人藤前干潟を守る会)→詳細はこちら(NPO法人藤前干潟を守る会HP)

 

☆2020年1月11日(土)・12日(日)「あいち・なごや 生物多様性EXPO~未来へつなぐ「国連生物多様性の10年」せいかリレー キックオフイベント~」@名古屋国際会議場(主催:国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)、環境省、愛知県、名古屋市)

 

☆2020年1月25日(土)藤前干潟の渡り鳥調査隊@名古屋市野鳥観察館詳細はこちら(PDF)

 

☆2020年1月25日(土)第9回ごみと水を考える集い@藤前会館(主催:藤前干潟クリーン大作戦実行委員会等)→詳細はこちら(藤前干潟クリーン大作戦実行委員会HP)

※明日より1月3日までは休館します。 

明日の満潮時間 8時12分 潮位224cm

明日の干潮時間13時44分 潮位 94cm

 

12月30日の満潮時間 8時45分 潮位216cm

12月30日の干潮時間14時18分 潮位 96cm

 

12月31日の満潮時間 9時19分 潮位206cm

12月31日の干潮時間14時56分 潮位100cm

 

1月1日の満潮時間 9時54分 潮位198cm

1月1日の干潮時間15時40分 潮位103cm

 

1月2日の満潮時間10時34分 潮位189cm

1月2日の干潮時間16時40分 潮位106cm

 

1月3日の満潮時間11時20分 潮位183cm

1月3日の干潮時間18時02分 潮位102cm

 

1月4日の満潮時間12時17分 潮位179cm

1月4日の干潮時間19時24分 潮位 91cm 

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明日は2019年の最終開館日です。

2019-12-27 19:50:29 | 冬の藤前干潟

藤前干潟

今日の干潮時間12時36分 潮位 93cm

今日の満潮時間18時08分 潮位225cm

 

昨夕から今朝にかけては雨がよく降りましたね。

そして、今日はものすごい風。

風が音を立てて吹き、川には白波が立っていました。

波しぶきの立つ護岸で休むヒドリガモたち↓。

ミサゴも風で流されていきます↓。

(※本日掲載の写真は、来館者の方に提供いただきました。)

 

今日は波があり、水面にいる野鳥の観察はしずらかったですが、ここのところ300羽を超えているカンムリカイツブリは今日も300羽以上を数えました。

今冬年も昨冬同様、カンムリカイツブリの飛来数はとても多いです。

また、干潟には昨日より多い約950羽のハマシギをカウントできました。

 

さて、早いもので、明日は2019年最後の開館日です。

明後日(12月29日)~1月3日までは野鳥観察館はお休みとなります。

 

今日観察できた主な野鳥 カンムリカイツブリ303、カワウ68、ダイサギ9、コサギ1、アオサギ15、マガモ40、カルガモ69、コガモ1、ヒドリガモ10、オナガガモ955、ホシハジロ3、スズガモ152、ミサゴ16、ハヤブサ1、シロチドリ6、ダイゼン16、ハマシギ953、ダイシャクシギ1、ユリカモメ130、セグロカモメ10、オオセグロカモメ1、カモメ2、ウミネコ14、ズグロカモメ18

 

明日の干潮時間13時11分 潮位 93cm

明日の満潮時間18時42分 潮位220cm

 

※ 野鳥観察館の年末・年始のお休み ※

2019年12月29日(日)~2020年1月3日(金)は休館いたします。

 

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やっと出会えた姿

2019-12-26 23:48:53 | 冬の藤前干潟

藤前干潟

今日の干潮時間11時59分 潮位 93cm

今日の満潮時間17時33分 潮位225cm

 

今日は雲が多かったですが、昼間は何とか雨が持ちました。

学校の冬休みが始まり、さらに年末年始のお休みに入った社会人の方々もいたようで、バードウォッチャーの姿が目立ちました。

 

今日もお昼頃に干潟が広がった庄内川河口。

穏やかなお天気でしたが、今日はカモの姿が特に少なく、この時期一番多いカモであるオナガガモは150羽ほどしか確認できませんでした。

オナガガモの庄内川河口への飛来数は、今冬は今のところ少ない傾向にあると感じていますが、少し前までは藤前干潟の後背湿地の田んぼ、最近は日光川で多くのオナガガモが確認されており、近くには飛来しているようです。

 

同じく越冬しているハマシギは、今日は約750羽を確認。

今シーズンはハマシギの飛来数が多いということはないですが、ここ数年のハマシギの傾向だった庄内川河口での滞在時間が短かったり、極端に少数しか見られない日があるということはなく、干潟が出ている時間はずっとハマシギを干潟に見ることができ、飛来数も比較的安定しています。

 

ただ、昨シーズンまで比較的、飛来数が安定してしいたダイゼン↓に関しては、今年はいまいちで、飛来数が伸びず、今日は8羽のみのカウント数でした。

 

この他に藤前干潟のヨシ原の冬の鳥、オオジュリンをご紹介。

オオジュリンは、11月初め頃からヨシ原で見られていましたが、ヨシ原の中に入って餌を探していることが多く、いることはわかってもなかなか写真が撮れないでいました。

でも、やっとオオジュリンの全身を見られる場面に出会えました。

ヨシの穂の根本にとまるオオジュリン。

穂を何度も咥えていました。

種を食べているのでしょうね。

今回はオオジュリンをじっくり観察できました。

(※今日の掲載写真は全て来館者の方に提供いただきました(12月22日撮影)。)

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ4、カンムリカイツブリ361、カワウ605、ダイサギ4、コサギ2、アオサギ18、マガモ52、カルガモ14、ヒドリガモ12、オナガガモ146、キンクロハジロ57、スズガモ337、ミサゴ31、シロチドリ8、ダイゼン8、ハマシギ740、ダイシャクシギ1、ユリカモメ95、セグロカモメ7、オオセグロカモメ1、カモメ2、ウミネコ6、ズグロカモメ14

 

 

明日の干潮時間12時36分 潮位 93cm

明日の満潮時間18時08分 潮位225cm

 

※ 野鳥観察館の年末・年始のお休み ※

2019年12月29日(日)~2020年1月3日(金)は休館いたします。

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ハマシギのくちばしが泥だらけの理由

2019-12-25 19:30:00 | 冬の藤前干潟

藤前干潟

今日の干潮時間11時18分 潮位 94cm

今日の満潮時間16時56分 潮位223cm

 

今朝は冷え込みましたが、昼間は昨日同様、今日も穏やかで暖かな日となりました。

クリスマスイブとクリスマスがこんなに暖かで良いのかなと思いつつも、過ごしやすくて嬉しくもあります。

今日もお昼頃に干潟が現れ、その干潟にはカモやシギ・チドリ、カモメなどの鳥たちが集まりました。

 

昨日はズグロカモメの様子をご報告しましたが、今日は主にハマシギの様子をご紹介(撮影日は12月24日)。

現れた干潟に降り立つハマシギなど↓。

干潟ではハマシギが餌を探して歩き回ります↓。ハマシギが餌を探し歩いた後の泥の干潟には、ハマシギの小さな足跡がいっぱいです。

そして、ハマシギのくちばしは根本まで泥だらけでした。

なぜなら、くちばしの根本まで(いや、それ以上?!)、泥の中に突っ込んで餌を探すからです。何度もくちばしを泥の中に差し込み、餌を探します。

おっ、泥の中からゴカイのようなものをみつけて引っ張り出しました!

でも、左右のハマシギが奪おうとすかさず追いかけてきます。この後、無事逃げて、ゴカイを飲み込んでいました。

こちらは同じく、泥の中の餌を探していたダイゼンです↓。でも、ダイゼンはハマシギと食餌スタイルが違います。ハマシギがくちばしを何度も泥に差し込みながら餌を探すのに対して、ダイゼンは目で獲物をみつけてから、泥の中の生きものをひっぱり出します。

この他、昨日は野鳥観察館の前を泳ぐヒドリガモの群れも観察できました。オスはすっかりきれいな繁殖羽です。

 

そして、こちらは今日の夕焼けです。

凪いでいたので、夕日の色がきれいに庄内川の水面に映りました。

夕日色の水面にはカンムリカイツブリやカモの姿がありましたし、この時間、導流堤にはハマシギと、昨日と今日の昼間は見当たらなかったダイシャクシギ2羽が休んでいるのを確認できました。

 

昨日、今日は穏やかに晴れてお出かけ日和でしたが、明日は雨が降りそうとの予報ですね。

あまり荒れないでほしいと思っています。 

 

明日の干潮時間11時59分 潮位 93cm

明日の満潮時間17時33分 潮位225cm

 

※ 野鳥観察館の年末・年始のお休み ※

2019年12月29日(日)~2020年1月3日(金)は休館いたします。

 

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ズグロカモメの空中戦

2019-12-24 23:20:55 | 冬の藤前干潟

藤前干潟

今日の干潮時間10時31分 潮位 94cm

今日の満潮時間16時16分 潮位219cm

 

今日はとても暖かく穏やかな日でした。

護岸にいても、この季節ならではの伊吹おろしを感じることなく、快適に野鳥観察を楽しめました。

 

 午前中の庄内川に広がった干潟↓。オナガガモが集まっていました。

 

護岸に立ってじっと干潟を見ていると、様々な音が聴こえてきました。

風の音、カモの鳴き声、カモが翼で水を叩く音、ヨシ原でオオジュリンがヨシの茎を割る音...。

でも、一番響いていたのはズグロカモメのキュッとか、ギュイッという高い声。

干潟の上をフワフワ飛ぶズグロカモメ↓。

 複数のズグロカモメが餌を探して、干潟の上を下流から上流に向かって、そして上流まで行ったら再び下流に戻って、何度もすぐ目の前を飛んでいました。

 

 穏やかな時が流れていて良いなぁと思ってズグロカモメが行ったり来たりしているのを眺めていたのですが、急に甲高い声が立て続けに響きます。

そちらを見ると、2羽のズグロカモメが空中で揉めていました。

 ケンカでしょうか?飛びながらほぼ真後ろを向けるんですね。

この後、1羽が1羽を追いかけていきました。

 

ズグロカモメは、行動がおもしろくていつまでも見ていることができます。

ズグロカモメに似たユリカモメは名古屋市内の他の場所でも見られますが、干潟のカモメとも行っても良いズグロカモメをこれだけよく観察できるのは、大きな干潟が広がる藤前干潟ならではです。

干潟の出ている時間であれば、かなり近くで観察できることもあります。

冬の藤前干潟の一押しであるズグロカモメをぜひ見にお越しください。

 

 

今日観察できた主な野鳥 ハジロカイツブリ2、カンムリカイツブリ304、カワウ919、ダイサギ14、コサギ11、アオサギ30、マガモ33、カルガモ2、オカヨシガモ7、ヒドリガモ11、オナガガモ440、キンクロハジロ1、スズガモ226、ミサゴ16、シロチドリ15、ダイゼン13、ハマシギ515、イソシギ1、ユリカモメ169、セグロカモメ17、オオセグロカモメ3、ウミネコ15、ズグロカモメ12 

 

明日の干潮時間11時18分 潮位 94cm

明日の満潮時間16時56分 潮位223cm

 

※ 野鳥観察館の年末・年始のお休み ※

2019年12月29日(日)~2020年1月3日(金)は休館いたします。


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