晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
※写真の無断転載禁止!!

【風俗博物館】平安女性の務め 装束誂え(あつらえ)・裁縫

2022年07月07日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

七月七日の夜は、牽牛星(けんぎゅうせい)と織女星(しょくじょせい)が年に一度、天の川を渡って逢瀬を楽しむという伝説がある日。

 

伝説の二星

  • 牽牛星(彦星)=農耕の神
  • 織女星(織姫)=裁縫の神

 

七月七日は織女星(しょくじょせい)にちなみ裁縫の上達を願う日でもあるのだとか。

 

2022年の風俗博物館では、七夕の節句の展示において平安時代の女性が担った裁縫の様々な工程についても展示されていました。

 

 

平安女性の務め 装束誂え(あつらえ)・裁縫

 

 染める

糸を染める。

 

 

 

 布を裁つ(たつ)

刀子(とうす)を手に裁板(たちいた)の上に体重をかけて裁つ。

 

 

 打ち物(うちもの)

絹を砧(きぬた)で打って光沢を出す作業。

 

 

 

 地直し(じなおし)

反物の整理。

 

 

 

 綿入れ(わたいれ)

防寒のため綿入れの用意。

 

 

 

 ひねり

裏地のない単仕立ての裁ち生地の端を、もち米を練って作った糊(のり)[続飯(そくい)]をつけ、絎(く)けずに「ひねる」という仕立てをしたもの。

 

 

 

 縫う

装束を縫う

 

 

以上、装束を誂える工程の展示でした。

完成された装束の展示を見ることはあっても、その工程を知る機会は少ないので興味深いですね!

 

 

この記事の掲載写真は、風俗博物館の展示[2022年 5月撮影] の一部です。

 

  五節句のルーツをたどる・平安時代の年中行事

    七月七日 七夕の節句  ~七夕のルーツ・乞巧奠~(『源氏物語』「幻」より)

    ~平安女性の務め 装束の誂え・裁縫~

 

 


 風俗博物館

   https://www.iz2.or.jp/

   京都市下京区堀川通新花屋町下る(井筒左女牛ビル5階)


 

 

 

 

 

 

 


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【風俗博物館】七月七日 七夕の節句 ~七夕のルーツ・乞巧奠~ (『源氏物語』「幻」より)

2022年07月07日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

7月7日は 七夕 ですね!

 

七夕の起こりは

 

  1. 牽牛星[彦星」と織女星[織姫]が年に一度、天の川を渡って逢瀬を楽しむという伝説[二星会合(にせいかいごう)]
  2. 織女星に機織(はたおり)や手芸上達を願う行事[乞巧奠(きっこうてん・きこうでん)]

 

  \ 1 と 2 が合体 !!! /

 

どちらも中国由来の伝説や行事なのだそうです。

 

2022年の風俗博物館の展示では、

二星会合(にせいかいごう)と乞巧奠(きっこうてん・きこうでん)を主とした七夕の夜を、紫の上の生前の姿(幼い頃)と光源氏として具現化されており、 光源氏の前にある机の上には、梶の葉・硯・筆が置いてあります。

具現化された紫の上と光源氏のポーズや配置は、『扇面古写経絵』のうちのひとつをモデルにされているのだそう。

扇面古写経絵(模本)[東京国立博物館 画像検索より]

 

机の上にある梶(かじ)の葉と硯と筆。

梶の葉に和歌を書きます。

 

レジュメより

 ❝梶は古来より神に捧げる神聖な木とされていました。梶の葉は天の川を渡る船の舵(かじ)になぞらえ乞巧奠には欠かせない植物とされました。七夕では梶の葉に和歌をしたためて祭壇に供え、詩歌や手芸の上達を祈ったといいます。その名残は現在、短冊に願い事を書くという形で受け継がれています

 

 

梶の葉は、カジノキ(梶の木)の葉のこと。

クワ科の落葉高木でコウゾ(楮)の仲間。

大きな葉で表面はざらつき、裏面には毛が密生しているのだとか。

そのため墨の乗りが良いようです。

 

 

祭壇には、糸や針、蓮の香花、琴(筝または和琴、琵琶)、

茄子、桃、大豆、干鯛

酒盃

熟瓜、梨、大角豆(ささげ)、薄鮑 などが供えられました。

 

 

『源氏物語』「幻」では、

紫の上を亡くした光源氏が過ごす七月七日にも触れられています。

光源氏は管弦の遊びなどもせず、何もせずに一日中物思いに耽って過ごし、牽牛星[彦星]や織女星[織姫]の逢瀬を見る人もいません…。

 

在りし日の幼い紫の上

哀しいですね…。

 

 

(*´ω`)oO(お気づきだろうか。光源氏が座っている畳の縁(へり)と紫の上が座っている畳の縁とでは違っていることを…。光源氏の畳は繧繝縁。紫の上の畳は高麗縁。こういう細かいところにも身分の差を表して展示されるのですね。)

 

 

この記事の掲載写真は風俗博物館の展示[2022年 5月撮影] の様子です。

 

  五節句のルーツをたどる・平安時代の年中行事

   七月七日 七夕の節句  ~七夕のルーツ・乞巧奠~(『源氏物語』「幻」より) 

   ~平安女性の務め 装束の誂え・裁縫~

 


 風俗博物館

  https://www.iz2.or.jp/

  京都市下京区堀川通新花屋町下る(井筒左女牛ビル5階)


 

 

 

 

 

 

 

 

 


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【京都】「女子宮廷装束の華」展④ 『国宝 源氏物語絵巻』で見られる直衣や唐衣

2022年07月01日 | 京都・風俗博物館

平安時代好きブロガー なぎ です。

 

2022年 5月、

京都産業大学 むすびわざ館2階 ギャラリー (京都市下京区中堂寺命婦町1-10)での企画展「女子宮廷装束の華」を見学した時のこと。

いただいたレジュメをもとに印象的だったものと自分で少し調べたことを加えて個人的な覚え書きとして記事に残しておきたいと思います。

 

 ①十二単の変遷

 ②十二単[唐衣裳]の構成 

 ③平安十二単 

 ④『源氏物語絵巻』で見られる直衣や唐衣  今ココ

 

 

会場では国宝『源氏物語絵巻』で見られる直衣(のうし)や唐衣(からぎぬ)もそれぞれ2点ずつ展示されていました。

❝ ❞内、説明パネルに掲載されていた文章を転記しています。

 

 

白唐花丸文直衣(からはなのまるもんのうし)

 ❝唐花丸文直衣は、唐花菱の丸文を単純化したもので、『源氏物語絵巻』においては光源氏が着用した冬の直衣の文様としてたびたび登場します。

 また、この文様は女性の唐衣の文様としても描かれています。

 また、勅許により直衣で参内することを許される「雑袍聴許(ざっぽうちょうきょ)」では、冬は白の直衣を着装することと定められていました。❞

 

(国宝『源氏物語絵巻』は愛知県名古屋市にある徳川美術館、東京都世田谷区にある五島美術館が所蔵しています)

 

 

 

 

二藍三重襷文直衣(ふたあいみえだすきもんのうし)

 ❝3本の斜線の中に四菱を配置した三重襷は、夏の直衣の文様としてよく用いられました。『源氏物語絵巻』「蓬生」では、光源氏が二藍に三重襷の文様の直衣を着用している姿がみられます。またその他の夏の場面でも、公達が夏の直衣としてよく着用しているのがみられます。

 二藍は藍を所定の色に染め、それに紅花の紅を重ねて染めた紫系の色で、夏の直衣の色として用いられました。❞

 

(国宝『源氏物語絵巻』「蓬生」は徳川美術館所蔵)

 

 

 

 

藻勝見文唐衣(もかつみもんからぎぬ)

 ❝藻勝見文は、『伴大納言絵巻』など多くの絵巻物に描かれる袍に見られる文様です。「勝見」とは、一般的にマコモ(真菰)の別称とされます。『源氏物語絵巻』「柏木一」では女房の唐衣に描かれています。❞

 

(国宝『源氏物語絵巻』「柏木一」は徳川美術館所蔵)

 

 

 

 

梅散文唐衣(うめちらしもんからぎぬ)

 ❝旧暦の正月に芳香とともに開花する梅は、初春のシンボルでもあり、人々に愛され続けた植物です。そのため文様としても多くのバリエーションを持ちます。梅散文は花の模様を多数散りばめたもので、『源氏物語絵巻』「柏木三」では女房の唐衣の文様として描かれました。❞

 

(国宝『源氏物語絵巻』「柏木三」は徳川美術館所蔵)

 

 

国宝『源氏物語絵巻』を見ながら文様を参考にして自分でイラストを描くことが度々あったので、『源氏物語絵巻』にはとても思い入れがあります。

 

今回、この展示において『源氏物語絵巻』に見られる文様での直衣や唐衣も見ることができて嬉しかったです!

 

 

…というわけで、展示の個人的覚え書きでした。

 ①十二単の変遷

 ②十二単[唐衣裳]の構成 

 ③平安十二単 

 ④『源氏物語絵巻』で見られる直衣や唐衣  今ココ

 

 


京都産業大学むすびわざ館2階 ギャラリー

 第25回企画展「女子宮廷装束の華」

 2022年 5月18日(月)~ 7月 9日(土)


 

 

 

 

 

 


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