晴れのち平安

源氏物語を中心に平安な日々♪
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【講演会】里中満智子&上野誠 万葉講演会「万葉集にみる恋愛のカタチ」

2010年09月25日 | 日記
今日は友人と佐賀県唐津市の唐津市民会館で開催された




里中満智子&上野誠 万葉講演会
「万葉集にみる恋愛のカタチ」


を拝聴♪


開催を知ったとき(唐津市ポータルサイトのメルマガがきっかけでした)から、ずーっと、今日を楽しみにしていました。


私が住む北九州市から決して唐津市は近いとはいえませんが、唐津まで行くことができて、本日の講演会が拝聴できて嬉しかったです。

上野先生の著書は恥ずかしながら未読で恐縮なのですが
里中先生の漫画は「天上の虹」・「長屋王残照記」・「女帝の手記」の三部作を読んでいます。

中学生のとき(だったかしら?)に友達から「天上の虹」という漫画があることを教えてもらい、読ませてもらったところすぐにハマり、少ないお小遣いから「天上の虹」を買い始めたのが、歴史好きになるきっかけのひとつでした。

※今回、一緒に講演会に行ったのはその「天上の虹」の存在を教えてくれた偉大なる(笑)友人です。


お堅い講演会というより、おふたりのトークショーのような親しみやすい雰囲気でした。


講演会での印象的な内容をおそるおそる書き出してみます。
メモをとっていたわけではないので、私の感想も交じってごちゃまぜになっています。ごめんなさい。
(私の思い違い、勘違い、受け取り間違いも、おおいにあるかも。
 軽~い気持ちでどうぞ。)

・里中さんは風になびく衣装、裳(も)と呼ばれる巻きスカート状のものや領巾<比礼>(ひれ)がお好き。
・風がない場面でも、風があるかのようなふわりとした変化や感情表現のひとつとして風になびく髪や衣装を表現するのがお好き。

・袖や領巾<比礼>(ひれ)は、女性の感情表現に用いられることが多い。
唐津市に伝わる“松浦佐用姫(まつらさよひめ)が大伴狭手彦(おおとものさてひこ)との別れを惜しみ、領巾<比礼>(ひれ)を振り続けた故事”をもとに。

例えば・・・くやしければ袖を噛んだり、恥ずかしければ袖で顔を隠したりもする…etc・・・ →その袖を使った仕草で感情が伺える。
好意を抱く夫<当時は、男性から見た愛しい女性も夫(ツマ)であり、女性から見た愛しい男性も夫(つま)である>へ、袖をちぎって渡したり、ふたりが結ばれれば衣装をそのまま贈ったりもする。→袖を振る必要がないから。

・現代のように婚姻関係が戸籍できっちり定まっていなかったので、生涯にわたって、常に愛情確認が必要。→現在でも、夫婦の年齢を重ねても「愛してる」と伝えるのは重要!

・古代は愛情表現を言葉で鍛えることで歌を詠むことが栄えた。

・天皇の皇子であっても、自身より身分低い女性を愛した場合、権力を駆使して女性の心を無視して強引に奪うことなく、和歌で恋情を訴えたり悩んだりしている。→恋心は平等?

・和歌を愛する女性に贈っても、女性は一度目は断りの歌を詠むのがお決まりのパターン。
だから、男性も簡単に諦めることはない。→一度目でOKをするわけでないので、男性にとっても女性にとっても、冷却期間を置き冷静に相手の心と向き合えるのかも。

・切ない恋愛の歌を詠む自分を冷静に見ながら、自分に酔っていた一面もあったのかも

・資料があるが故に、漫画としての表現や演出が妨げられることもありうる。→長屋王邸跡の出土調査資料と「長屋王残照記」執筆時のご苦労

・歴史の解釈は人それぞれ。歴史上の人物として知られる人々は、誰一人として“悪人になろうとして”その行為をした人物はいない。
様々な作者・研究者の本を読んでいろいろな解釈を知ることがいい。


・「天上の虹」は、あと●巻で終了予定!後日談もおまけで描くかも?
・「天上の虹」のラストは、持統天皇(鸕野讚良皇女)が××××(以下、省略)

なーんてお話もありました。


万葉集に登場する和歌もトークの中でどんどん飛び交いましたが割愛。
額田王が大海人皇子へ詠んだ歌の解釈をめぐるもろもろなど。

あかねさす紫野行き標野(しめの)行き 野守(のもり)は見ずや君が袖振る
※「恋歌」ではなく「雑歌」のコーナーにこの歌は収載。


里中さんの初恋トークや上野先生のご自宅から唐津へ出発にあたって奥様の対応トークなど、プライベートな話題も盛り込まれた、楽しい時間を過ごしました。



あっという間の1時間30分で、もっともっとお話をお聞きしたい思いがしました。
この貴重な機会を得られて幸せです。



 会場で、上野先生や里中先生の作品が販売されていないかなと思っていましたが、販売されていませんでした。

万葉集も疎いので、これからいろいろな本を拝読していきたいです。
今の気持ちは、なんと言うか胸がいっぱいで幸せなのです。(人´∀`).☆.。.:*・゜




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