ジャン・アレチボルトの冒険

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乃木坂の風 27Mar14 ~ SKE48とHKT48の最新CDセールス分析、極限の特典サービスは何をもたらすのか

2014-03-27 18:40:00 | 芸能
3月19日(水)に発売された、SKE48の14枚目シングル「未来とは?」のオリコン週間ランキングが、昨日発表され、第1週の売り上げが39万8千枚で、初登場1位となりました。

また、サウンドスキャン調べによる、初回限定盤などの第1週売り上げも判明し、初動に関して数字が出揃いました。

今日は、12枚目「美しい稲妻」、13枚目「賛成カワイイ!」の数字と比較しながら、14枚目「未来とは?」のセールス構造を考えてみます。

さらに、3月12日(水)発売、HKT48の3枚目「桜、みんなで食べた」についても、同様の分析を行って、AKB48グループのCDセールスの現状を見てみましょう。


次の表は、SKE48の12枚目、13枚目、14枚目について、オリコン第1週の売り上げ枚数と現時点での累計枚数を並べたものです。

(表1) SKE48の最新3シングルに関する、オリコン第1週の売り上げ枚数、いわゆる「初動」の推移

凡例
シングル番号 : 初動枚数 (現在の累計枚数)「タイトル」発売日

12枚目 : 51.1万枚 (66.2万枚)「美しい稲妻」2013/07/17
13枚目 : 44.9万枚 (56.5万枚)「賛成カワイイ!」2013/11/20
14枚目 : 39.8万枚 (39.8万枚)「未来とは?」2014/03/19

「美しい稲妻」で50万枚以上を越えた初動が、「賛成カワイイ!」では6万枚ほど前作を下回り40万代半ばとなり、今回の「未来では?」は、さらに5万枚ほど落ちて、40万枚を割り込んでいます。

また、累計枚数も、13枚目では、前作から10万枚ほど低い数字となっています。

しかし、握手会などの特典をCDに付けている場合、売り上げ枚数は、様々な要因で変動しますので、オリコンの数字だけでは、曲がヒットしているのかどうかは勿論、ファンが増えているのか減っているのか、収益が上がっているのかどうか、よく分かりません(笑)。

そこで、さらに詳しく調べてみます。


AKB48グループや乃木坂46のシングルCDは、店頭で購入出来る初回限定盤などのCDと、個別握手会への参加券が入った「キャラアニ.com」や「forTune music」を通してしか買えないCDの二つに、大きく分けられます。

このブログでは、前者を「一般流通CD」、後者を「特定流通CD」と呼ぶことにします。

(表1)で示したオリコンの数字は、一般流通CDと特定流通CDの売り上げ枚数を足したものになっていて、CDセールス全体を表しています。

一方、サウンドスキャンでは、店頭販売されるCDしかカウントしないので、そのランキング表に、タイプ別に載せられる初回限定盤などの売り上げ枚数から、一般流通CDのセールスを知ることが出来ます。

すると、オリコンの数字から、サウンドスキャンの数字を引けば、特定流通CDの売り上げ枚数が出てくる理屈になります。

以下に載せている表において、青色の数字は、サウンドスキャンのランキング表に載った、初回限定盤などの第1週売り上げの合計枚数を示していて、一般流通CDのセールスを表しています。

また、オレンジい色の数字は、オリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いた初動(OC-SS)差で、特定流通CDのセールスと見なすことが出来ます。

つまり、(表1)で示したオリコン売り上げ枚数を、一般流通CDと特定流通CDのセールスに分割したものです。

(表2) 一般流通CD特定流通CDの売り上げ推移

凡例
シングル番号 : サウンドスキャン第1週合計枚数 [初動(SS/OC)比] 初動(OC-SS)差「タイトル」
# 初動(SS/OC)比は、サウンドスキャン第1週をオリコン初動で割ったもの。数値が小さいほど、CDセールスの個別握手会依存が高いことを示す
# 初動(OC-SS)差は、オリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いたもの。店頭販売していない「特定流通」CDの売り上げ枚数にほぼ等しく、多くの場合、個別握手会によるCDセールスと見なすことが出来る

12枚目 : 16.7万枚 [32.6%] 34.5万枚「美しい稲妻」
13枚目 : 14.8万枚 [32.9%] 30.1万枚「賛成カワイイ!」
14枚目 : 11.9万枚 [29.8%] 27.9万枚「未来とは?」

サウンドスキャンの数字は、12枚目から13枚目で2万枚減、13枚目から14枚目で3万枚減となっていて、一般流通CDのセールスが続落しています。

また、初動(OC-SS)差も、4万枚、2万枚と続落して、特定流通CDのセールスも下がっています。

この三つのシングルに関しては、特定流通CDに付けられた特典サービスから考えて、初動(OC-SS)差は個別握手会による売り上げ枚数と同じと見なせます。

従って、12枚目から13枚目、13枚目から14枚目、ともに個別による売り上げが減少したことになります。

つまり、SKE48は、昨年の夏以来、店頭販売されているCDだけでなく、個別握手会によるCDも、少なくとも初動セールスに関しては、低落傾向にあると言えます。


一方、サウンドスキャン第1週をオリコン初動で割った初動(SS/OC)比は、12枚目から13枚目では、ほとんど数値が変わらず、30%以上の水準を維持していましたが、14枚目で、やや下がって、30%を少し割り込んでいます。

(SS/OC)比は、CDセールスの個別握手会依存度を示す指標で、この比が小さくなると、ファンの気持ちが「箱推し」から「単推し」になりつつあり、グループの人気が内向きになっている可能性があります。

そして、そうなると、グループの一般人気が落ちる傾向が出てきます。

例えば、乃木坂46の7枚目「バレッタ」は、前作「ガールズルール」と比べて、オリコン初動を6万枚近く伸ばしましたが、一方、初動(SS/OC)比は28%から21%に急落しました。

それと同時に、ダウンロードランキングは前作より明らかに振るわず、有線ランキングに至っては、一度も150位以内に入ることなく終わる「完全圏外」となった。

これは、(SS/OC)比の低下が、グループの一般人気低落と関連している可能性を示す一つの例です。

握手会に何万円も使う熱心なファンが大多数を占めるようなアイドルグループは、一般層から見て、アクセスしにくい印象があるのかもしれません。

特典サービスでCDセールスを押し上げている場合、一般流通であれ、特定流通であれ、売り上げ枚数そのものは様々な要因で変動するので、枚数が増えたからどう、減少したからこうと、一概には言えないのですが、(SS/OC)比が低落し始めると、グループにとってあまり宜しくない事態が起こってくる危険が高くなります。

SKE48の場合は、下がったと言っても、「未来とは?」の(SS/OC)比は30%で、数字だけを見る限り、乃木坂ほど「厳しい」という印象は受けません。

しかし、15枚目以降も、(SS/OC)比が下がり続けるとなると、話が違ってきます。

あるいは、SKE48の人気は、一つの分岐点に立っているのかもしれません。

そこで、もう少し詳しく調べてみましょう。


一般流通CDと特定流通CDの売り上げ推移は以上のような感じですが、それらを評価するには、セールスを支えている特典サービスの内容を知る必要があります。

かりにCDセールスが、前作より大きく落ち込んでも、極端な話、今作では一切特典サービスを付けなかったのであれば、売り上げ枚数の評価は全然違ってきます。

握手会なしの30万枚と、個別6日での30万枚では、まったく意味が違うということです。

下の表は、一般流通CDに付けられた、主要な特典サービスの内容です。

(表3) 一般流通CDに対する特典サービス内容

#「全国」は全国握手会を意味する
# 「抽選」は、CD購入後に応募して抽選が行われるシステムで、個別握手会のように抽選後購入とは本質的に異なるという意味
# 「?」は、まだ発表されていないか、私が知らないかのどちらか(笑)

12枚目 : 6日(全国 in 関東2、名古屋2、大阪1、福岡1)
13枚目 : 6日(全国 in 関東2、名古屋2、岡山1、?1)
14枚目 : 3日(全国 in ?1、名古屋1、?1)+6日(抽選Zeppライブ in 札幌1東京2名古屋1大阪1福岡1)

注目したいのは、14枚目で全国握手会を3日減らして、一方、「抽選」によるZeppライブを6日付けたことです。

全国握手会は通常、参加券が付いていて、CDを1枚買えば、必ず参加出来る仕組みになっています。

しかし、このZeppライブは、CDに付いている応募券を使って申し込み、その後、抽選が行われるようで、当選確率はどのくらいなのか、観覧するために何枚くらい買えば良いのか分かりません。

販売する側は、ライブ見たさに、ファンが何枚もCDを買うという目論みがあるのだと思いますが、(表2)のように、サウンドスキャンの数字は、前作より3万枚近く落ち込んでいます。

こういった「抽選」による特典は、買う側からすると、そのイベントの価格を、心理的に押し上げる効果があって、「割高感」が発生するため、多くの場合、購買意欲がかえって減少するのだと思います。

もちろん、そのイベントの価値が極めて高いと思われれば、購入者は増える筈ですが、SKE48のライブは、これまでも行われてきたし、これからも行われる筈で、とくに、今回だけ、割高な値段で観覧することに抵抗感を持つファンが多いのかもしれません。

また、「抽選」は、主催者の収支という点で、危険なやり方だと思います。

というのも、もしCDの売れ行きが芳しくなければ、それ以上、お金を取ることが出来ないので、イベントの必要経費が賄えず、大きな赤字を出してしまう可能性があります。

やはり、イベントの人気を考慮した適切な価格で、チケットを販売するのが一番で、だからこそ、ほとんどのライブはCDではなく、チケット制になっているのでしょう(笑)。

サウンドスキャンの数字が落ち込み、その上、追加入場料を貰わず、6日間も全国ライブツアーを行うというのは、イベントの収支としては、相当に厳しい状況だと思いますが、大丈夫なんでしょうか。


次は、特定流通CDの特典を見てみましょう。

(表4) 特定流通CDに対する特典サービス内容

#「個別」は個別握手会を意味する
# [ ]内は、個別握手会などの大型特典イベント1日あたりの売り上げ枚数

12枚目 : 6日(個別 in 関東3、名古屋2、大阪1) [5.7万枚/日]
13枚目 : 6日(個別 in 関東3、名古屋2、大阪1) [5.0万枚/日]
14枚目 : 7日(個別 in 関東2、名古屋3、大阪2) [4.0万枚/日]

12枚目 : 発売 = 25日 => 最初の個別 = 63日 => 最終個別(第6回)
13枚目 : 発売 = 53日 => 最初の個別 = 35日 => 最終個別(第6回)
14枚目 : 発売 = 2日 => 最初の個別 = 71日 => 最終個別(第7回)

ついに、14枚目で個別握手会が7日まで引き上げられてしまいました。

しかし、[ ]内に示したように、個別1日あたりの売り上げ枚数は、減ってしまっています。

SKE48のCDセールスでもっとも心配なのは、この個別1日あたりセールス減です。

個別握手会を1日増やすというのは、会場費、人件費、宿泊費、交通費など、大きな出費を必要とする上、メンバーの外仕事を1日あるいは2日奪ってしまう損失もあって、十分な売り上げ増がなければ、赤字が出てしまいます。

14枚目で、個別を7日にする際、負担の大きな関東を一つ減らして、近場である、名古屋と大阪を一つずつ増やしたのは、出費を抑える意識が感じられて、まだ評価出来ますが、いかんせん、7日というのは多過ぎです。

運営の収支が悪化してくると、アイドル活動に不可欠なプロモーションなどの費用が出せなくなって、メンバーやグループに根強い人気があっても、身動きが取れなくなります。

「未来とは?」に関する売り上げの数字や特典内容を見ていると、「抽選」イベントや個別の日数増など、運営の手法に疑問符が付くような、「悪手」としか思えない特典が目立っていて、枚数の落ち込みより、そちらの方が気になります。

CDの売り上げ枚数を手っ取り早く上げたいと思っているのか、出費がかさむ特典イベントを連発しているけど、それにもかかわらず、セールスは伸びていません。

運営の台所事情が不安になってきます。


(表4)の後半には、シングル発売から最初の個別と最後の個別までの日数スケジュールを載せました。

14枚目でとくに日程が厳しいわけではないので、(表2)オレンジ色で示された個別握手会によるCDセールスの落ち込みは、コアファンの人数減少を反映している可能性が高いと思います。

そして、運営も13枚目でそれに気づいていたから、今回、個別の日数を無理を承知で増やしたのだけど、握手会の売り上げは伸びず、かえって1日あたりのセールスが下がってしまった。

やはり、メンバーの卒業や「組閣」によって、気持ちが離れていくファンが多いのかもしれません。

この辺の問題も、まさに運営の手法から発生していて、ん~、乃木坂の運営も含めて、しっかりして欲しいものですね。


ところで、NMB48の9枚目「高嶺の林檎」が昨日発売され、初日で36万枚を突破して、話題になっているようです。

NMB48に関しては、オリコン初動やサウンドスキャンが出てから、機会があればセールス構造を考えてみたいのですが、以下の表だけ紹介しておきます。

(表5) NMB48のオリコン第1週枚数と個別握手会日程

凡例
シングル番号 : オリコン初動枚数「タイトル」発売日

7枚目 : 48.2万枚「僕らのユリイカ」2013/06/19
8枚目 : 37.5万枚「カモネギックス」2013/10/02
9枚目 : 36.9万枚(初日)「高嶺の林檎」2014/03/26

7枚目 : 発売 = 87日 => 最初の個別 = 50日 => 最終個別(第6回)
8枚目 : 発売 = 95日 => 最初の個別 = 34日 => 最終個別(第6回)
9枚目 : 発売 = 24日 => 最初の個別 = 42日 => 最終個別(第7回)

表の後半に載せた個別握手会の日程を見ると、今回のシングル、最初の個別までの日数が短くて、明らかにCDを買い易いですね(笑)。

オリコンの初動が回復したのは、スケジュール的に好条件だったということもあるかと思います。

ただ、「僕らのユリイカ」は、発売から最初の個別までが長いのに、50万枚に迫る初動を達成していて、昨年の夏と比べて、NMB48のコアファンの人数などがどう変わったかは、今後出てくる数字を見ないと、何とも言えません。

CDセールスを特典サービスで支えている場合、個別スケジュールといった複数の要因が絡み合って、売り上げ枚数が変動するので、(SS/OC)比や(OC-SS)差など、あれこれ分析しないと、なかなか実態が見えてきません。

まあ、あれこれ計算しても、大したことは分からないという話もありますが、一応、データは増えて、ブログは書けますね(笑)。


次にHKT48の「桜、みんなで食べた」を見てみましょう。

(表6) HKT48の最新3シングルに関する、オリコン初動の推移

凡例
シングル番号 : 初動枚数 (現在の累計枚数)「タイトル」発売日

1枚目 : 25.0万枚 (29.2万枚)「スキ!スキ!スキップ!」2013/03/20
2枚目 : 26.9万枚 (30.6万枚)「メロンジュース」2013/09/04
3枚目 : 27.7万枚 (28.7万枚)「桜、みんなで食べた」2014/03/12

AKB48グループとしては例外的に、安定したCDセールスを達成しています。

オリコン初動を、一般流通と特定流通に分けると、以下のようになります。

(表7) 一般流通CD特定流通CDの売り上げ推移

凡例
シングル番号 : サウンドスキャン第1週合計枚数 [初動(SS/OC)比] 初動(OC-SS)差「タイトル」

1枚目 : 9.2万枚 [37.0%] 15.7万枚「スキ!スキ!スキップ!」
2枚目 : 9.2万枚 [34.3%] 17.7万枚「メロンジュース」
3枚目 : 8.0万枚 [28.9%] 19.7万枚「桜、みんなで食べた」

1枚目と2枚目で9万枚ほどで安定していた初回限定盤など一般流通CDの売り上げが、今回、1万枚ほど落ちてしまいました。

また、それに伴って初動(SS/OC)比も下がっています。

以下のように、一般流通CDの特典は、2枚目と3枚目でほとんど変わっていないので、セールスが落ちたのは、サービス内容が原因ではなないようです。

(表8) 一般流通CDに対する特典サービス内容

1枚目 : 6日(全国 in 関東2名古屋1大阪1福岡2)
2枚目 : 3日(全国 in 関東1名古屋1福岡1)
3枚目 : 3日(全国 in 関東1名古屋1福岡1)

では、特定流通CDの特典はどうなっているでしょう。

(表10) 特定流通CDに対する特典サービス内容

1枚目 : 3日(個別 in 関東1大阪1福岡1)+2日(写メ会 in 関東1福岡1) [3.2万枚/日]
2枚目 : 4日(個別 in 関東1大阪1福岡2) [4.4万枚/日]
3枚目 : 4日(個別 in 関東1名古屋1大阪1福岡1)+2日(抽選船上パーティー in 東京1福岡1) [3.3万枚/日]

1枚目 : 発売 = 11日 => 最初の個別 = 48日 => 最終個別(第3回)
2枚目 : 発売 = 10日 => 最初の個別 = 43日 => 最終個別(第4回)
3枚目 : 発売 = 3日 => 最初の個別 = 64日 => 最終個別(第4回)

ここでも「抽選」イベントが出てきました。

特定流通CDに付いた応募券を送って、抽選で選ばれたファンが、メンバー参加の「船上パーティー」にご招待ということだそうです。

「桜、みんなで食べた」に関しては、(表7)オレンジ色で示されたように、特定流通CDの売り上げは前作を上回っています。

つまり、船上パーティーの効果が出ているように思えます。

ところが、数字を眺めていると、ちょっと興味深いことが見えてきます。

「桜、みんなで食べた」は、一般流通CDの売り上げ枚数が前作より1.2万枚少なくなり、特定流通CDは前作を2万枚上回った。

その結果、併せて8千枚ほど、オリコン初動が伸びたわけです。

ところが、初回限定盤を1枚1600円とすれば、一般流通CDの売り上げ額は1600円掛ける1.2万枚で、1千9百万円減少し、一方、特定流通CDの売り上げ額は、1枚1000円として、1000円掛ける2万枚で2千万円の増加です。

つまり、総売り上げ額は、差し引き、ほぼゼロです。

「抽選」船上パーティに行きたいファンが、特定流通CDを普段より多めに買ったのだけど、その分、初回限定盤などの購入を抑えた。

そういう風に見えますね(笑)。

ただ、笑い事じゃないのは、売り上げ総額が伸びていないのに、3枚目は、2枚目にはなかった船上パーティーを、二日間も開催しなければならないといういうことです。

東京までメンバーが出向いて、船を貸し切って、さまざまな企画を行う。

追加料金は取れないので、宿泊費、人件費、交通費、会場費など、必要なお金を、CDの売り上げで賄わなければならないけど、額は伸びていない。

しかも、CDというのは、チケットと違って、著作権の塊ですから、それなりの売り上げ総額が出ても、主催者である運営に入ってくる額は、それよりずっと小さいものになってしまう筈です。

結局、「抽選」イベントを特典にするのであれば、かなりの枚数の売り上げ増がなければ割に合わないということで、まあ、確たる見込みがないのであれば、止めた方がいいと思います。


ただ、HKT48、コアファンの人数が減っている感じはないです。

(SS/OC) 比も、まだ30%近いので、今のファンを大切にして、過剰な特典や「組閣」で疲弊させるようなことがなければ、これからグループとして人気が伸びて行く可能性は大いにあるんじゃないでしょうか。

実際、「桜、みんなで食べた」は、有線ランキングで、ランクイン2回目にして、すでに23位をマークしていて、相変わらず強さを見せています。

オリコンの枚数は、1位を獲得するには、もう十分な域に達しているので、特典サービスの拡大ではなく、パフォーマンスレベルを上げて、本格的ヒットを飛ばすことを目指したらどうでしょう。

HKT48のさまざまな数字は、AKB48グループの中で、際立って良いので、今、大きなチャンスだと思うのですが。


シングルCDは、本来、ライブなど、お金の掛かるイベントを打たなくても、かつては楽曲の魅力だけで、10万枚、20万枚と売れたからこそ、経済的に効率が良くて、優秀な商品だったわけです。

ところが、7日間の個別握手会を全国各地で行うなど、ここまで特典サービスが過剰になると、イベントに投入する経費と労力が大きくなり過ぎて、CDを売る意味がなくなってきます。

とくに、「抽選」イベントは、もっとも効率が悪く、危険な特典で、大当たりする見込みがなければ、適正な価格でチケットを販売した方が、主催者にとって、間違いなくお得でしょう。

AKB48グループや乃木坂46は、プロデューサーが楽曲の著作権を持っている作詞家だからか、やたらとCDセールスにこだわっていますが、特典サービスに掛かる費用は、もはや限界に近くなっていて、運営の経営を圧迫しているとしか思えないレベルにまで膨らんでいます。

乃木坂46も、初回限定盤にアンダーの「抽選」ライブを特典にしていて、かえって売り上げを下げてしまうんじゃないかと気になっています。

売り上げ枚数が多くて、動くお金の総額が大きいと、景気が良いように感じますが、特典サービスの内容次第では、大きな赤字が出る可能性があります。

AKB48、SKE48、NMB48は、ひたすら個別握手会の日数を増やすなど、特典サービスを拡大し続けていますが、CDセールスがそれに見合うだけ伸びておらず、収益構造に無理があり、危険な状況に入りつつある印象を受けます。

一方、売り上げ枚数が少なくとも、収益構造のバランスが取れていれば、そのグループは、大きく発展する可能性を秘めていると思います。

売り上げ総額は大きいけど、巨額の赤字を抱えて苦しんでいる今のソニーと、小さくとも順調にコツコツ収益を上げている企業。

どちらがより将来の見込みがあるかということです。


最後に、乃木坂に関して、「走れ!Bicycle」以降のシングルについてデータを載せておきます。

やはり、乃木坂46がテーマのブログなので(笑)。

3枚目「走れ!Bicycle」
発売 : 2012/08/22
オリコン第1週 : 18.7万枚 (1位, 24.3万枚)
サウンドスキャン第1週 : 5.9万枚
初動(OC-SS)差 : 12.8万枚
初動(SS/OC)比 : 31.4%
一般流通CD特典 : 2日(全国)+1日(抽選「似顔絵会」)
特定流通CD特典 : 4日(個別) [3.2万枚/日]
総部数 : 330部 [3.9万枚/百部]
発売 = 11日 => 最初の個別 = 55日 => 最終個別(第4回)
有線 : 7回 (最高69位)

4枚目「制服のマネキン」
発売 : 2012/12/19
オリコン第1週 : 23.3万枚 (1位, 30.9万枚)
サウンドスキャン第1週 : 6.1万枚
初動(OC-SS)差 : 17.2万枚
初動(SS/OC)比 : 26.0%
一般流通CD特典 : 2日(全国)
特定流通CD特典 : 5日(個別) [3.4万枚/日]
総部数 : 430部 [4.0万枚/百部]
発売 = 4日 => 最初の個別 = 56日 => 最終個別(第5回)
有線 : 7回 (最高66位)

5枚目「君の名は希望」
発売 : 2013/03/13
オリコン第1週 : 24.2万枚 (1位, 31.0万枚)
サウンドスキャン第1週 : 6.9万枚
初動(OC-SS)差 : 17.3万枚
初動(SS/OC)比 : 28.5%
一般流通CD特典 : 3日(全国)+1日(抽選「録音会」)
特定流通CD特典 : 5日(個別) [3.5万枚/日]
総部数 : 437部 [4.0万枚/百部]
発売 = 3日 => 最初の個別 = 44日 => 最終個別(第5回)
有線 : 3回 (最高112位)

6枚目「ガールズルール」
発売 : 2013/07/03
オリコン第1週 : 33.7万枚 (1位, 45.6万枚)
サウンドスキャン第1週 : 9.4万枚
初動(OC-SS)差 : 24.3万枚
初動(SS/OC)比 : 27.8%
一般流通CD特典 : 3日(全国)+1日(抽選「お茶会」)
特定流通CD特典 : 6日(個別) [4.1万枚/日]
総部数 : 630部 [3.9万枚/百部]
発売 = 24日 => 最初の個別 = 78日 => 最終個別(第6回)
有線 : 4回 (最高96位)

7枚目「バレッタ」
発売 : 2013/11/27
オリコン第1週 : 39.5万枚 (1位, 51.2万枚)
サウンドスキャン第1週 : 8.3万枚
初動(OC-SS)差 : 31.2万枚
初動(SS/OC)比 : 21.0%
一般流通CD特典 : 3日(全国)+1日(抽選「お茶会」)
特定流通CD特典 : 6日(個別) [5.2万枚/日]
総部数 : 664部 [4.7万枚/百部]
発売 = 18日 => 最初の個別 = 77日 => 最終個別(第6回)
有線 : 0回 (圏外)

8枚目「気づいたら片想い」
発売 : 2014/04/02
オリコン第1週 : --万枚
サウンドスキャン第1週 : --万枚
初動(OC-SS)差 : --万枚
初動(SS/OC)比 : --%
一般流通CD特典 : 3日(全国)+1日(抽選「お茶会」)+2日(抽選アンダーライブ)+3日(二期生ミニトーク&握手会)
特定流通CD特典 : 6日(個別) [--万枚/日]
総部数 : 759部 [--万枚/百部]
発売 = 4日 => 最初の個別 = 106日 => 最終個別(第6回)
有線 : --回 (最高--位)


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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