ジャン・アレチボルトの冒険

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乃木坂の風 23Mar14 ~ 完売表から売り上げ枚数を推定するシミュレーション計算の説明(2)

2014-03-23 12:45:00 | 芸能
今日は、昨日の記事『乃木坂の風 22Mar14 ~ アレチの業務連絡、完売表から売り上げ枚数を推定するシミュレーション計算の説明』で出した問題の解答と、計算モデルの改善点と問題点を、補足的に書いておきます。

まず、この計算モデルを使って、あるメンバーの売り上げ枚数を推定する実用的な公式を一つ。

全体担当部数 N部
全体完売部数 M部

個人担当部数 n部
個人完売部数 m部
個人非完売部数 (n - m)部

完売1部あたりの売り上げ枚数 A枚

とすると、そのメンバーの推定売り上げ枚数Xは、

X = A * {m + (n - m) * b} (式1)

で計算出来ます。このとき、

b = {m * N + (n - m) * M} / (n * N) (式2)

であるというのが、シミュレーションの基礎となる仮定です。

(式2)は、昨日の記事で、全体完売率と個人完売率を使って表した式を、部数だけで表現するよう変形したものです。

部数はすべて整数なので、こちらの方が、実際に計算するには楽かなということです。

式に出てくる「 b 」は、非完売1部における売り上げ枚数の、完売1部の売り上げ枚数に対する比を表しています。

つまり、「 A * b 」が、非完売1部での売り上げ枚数です。

記号による式が分かりづらい場合は、以下の表記でどうでしょう。

あるメンバーの推定売り上げ枚数Xは、

X = (完売1部当たりの枚数) * {(個人完売部数) + (個人非完売部数) * b} (式3)

b = {(個人完売部数) * (全体担当部数) + (個人非完売部数) * (全体完売部数)} / {(個人担当部数) * (全体担当部数)} (式4)

「全体担当部数」は、個別握手会全体で設定された総部数のことで、日本語としてベストな表現とは言い難いですが(笑)、「個人担当部数」と対比するために、便宜上使っています。

これらの式を用いて、昨日出した問題を解いてみます。

(問い1)

グループ全体の設定総部数が400部、完売が120部のとき、メンバーNさんは、25部中12部を完売していた。

完売1部あたりの売り上げ枚数を675枚として、Nさんの推定売り上げ枚数を求めよ。

但し、枚数が少数点になったときは、1桁目を四捨五入して整数にせよ。

なお、「N」が中元日芽香のイニシャルであることは、全くの偶然である。

(答え)

全体担当部数 400部
全体完売部数 120部

個人担当部数 25部
個人完売部数 12部
個人非完売部数 13部

完売1部あたりの売り上げ枚数 675枚

Nさんの推定売り上げ枚数をXとすると、(式3)から

X = 675 * {12 + 13 * b}

(式4)から、

b = {12 * 400 + 13 * 120} / {25 * 400}

これを計算すると、

b = 0.636

よって、

X = 675 *{12 + 13 * 0.636}

これを計算して、

X = 13680.9

四捨五入して、

X = 13681

よって、Nさんの推定売り上げ枚数は 13681枚


何か、確定申告で納税額を計算しているような空気が漂ってきますが(笑)、もう一問、いってみましょう。

(問い2)

あるシングルの個別握手会第7次応募終了後の完売状況は、総部数500部中280部完売で、メンバーNさんは、30部中12部完売だった。

前作シングルの第7次終了後は、総部数300部中210部完売で、Nさんは、25部中15部完売。

Nさんの推定売り上げ枚数は、前作より伸びたのか、それとも落ちたのか述べよ。

また、その上げ幅、あるいは下げ幅の枚数を、完売1部あたりの売り上げ枚数を675枚として求めよ。

なお、「N」が永島聖羅のイニシャルであることと、私が彼女を見るとテンションが上がることとは、何の関係もない(笑)。

(答え)

今作第7次応募終了後のデータは、

全体担当部数 500部
全体完売部数 280部

個人担当部数 30部
個人完売部数 12部
個人非完売部数 18部

完売1部あたりの売り上げ枚数 675枚

Nさんの推定売り上げ枚数をX_今作とすると、(式3)と(式4)から、

X_今作 = 675 * {12 + 18 * b}

b = {12 * 500 + 18 * 280} / {30 * 500}

これらを計算して四捨五入すると、

X_今作 =17042.4 = 17042枚

一方、前作第7次応募終了後のデータは、

全体担当部数 300部
全体完売部数 210部

個人担当部数 25部
個人完売部数 15部
個人非完売部数 10部

完売1部あたりの売り上げ枚数 675枚

Nさんの推定売り上げ枚数をX_前作とすると、(式3)と(式4)から、

X_前作 = 675 * {15 + 10 * b}

b = {15 * 300 + 10 * 210} / {25 * 300}

これらを計算すると、

X_前作 =16065枚

X_今作 - X_前作 = 17042 - 16065 = 977枚

従って、今作は、前作より977枚売り上げが伸びていると推定される。



さて、この計算モデルの改善点や問題点を幾つか指摘しておきます。

非完売部が複数部あれば、それぞれの部における現実の売り上げ枚数は、当然異なっている筈で、会場や時間帯といった条件によって左右される面もあるでしょう。

実際、乃木坂の場合、関東の会場に比べて、名古屋の会場は、やや売れ行きが鈍いんじゃないかと、よく指摘されます。

しかし、シミュレーション計算では、非完売1部の推定売り上げ枚数を、握手会の全日程を通した全体完売率と個人完売率で推測するので、個々の会場や時間帯による変動は考えていません。

例えば、(問い1)のケースでは、Nさんの非完売である13部について、それぞれの部での売り上げ枚数の変動は考慮せず、1部あたりの「平均枚数」が、完売部の0.636 (= b)、つまり63.6%だとして計算しています。

会場や時間帯の特異性を考慮して、非完売部の売り上げ枚数を、いくつかの区分ごとに見積もるという改善は、検討に値すると思います。

とくに開催場所に関しては、会場ごとに、全体と個人の完売率を求めて推定売り上げ枚数を計算するのは、すぐに出来る試みです。

まあ、面倒なので、私はやったことないのですが(笑)、名古屋会場のように、他会場とはやや売れ行きが違う感じのある場所で行われる部で、個々のメンバーの売り上げ枚数を推定したいときなどは、試してみてもいいかもしれません。

ただ、全体にせよ、個人にせよ、対象となる部数があまり小さいと、実際値に統計的な均し効果が入らなくなり、かえって推測しずらくなるので、注意が必要だと思います。


あと、計算モデルの問題点なんですが、いつも気になるのは、完売率が低いときの精度ですね。

例えば、あるメンバーが、30部中28部完売なんて状況だと、残り2部も、ほぼ完売に近いのは間違いない筈で、それほど誤差は出ないと思います。

一方、30部中2部完売といったケースは、精度がかなり厳しくなってきます。

とくに、全体完売率が低いと、手掛かりがほとんどないに等しい上に、担当部数が多いために、全体枚数への影響も大きく、まあ、お手上げ状態です(笑)。

乃木坂46の個別握手会は、シングル発売直前になると、全体完売率は40%を越えるまで上昇し、担当部数の大きいメンバーは、全完売に近い部数を売って個人完売率が高くなる人が多いので、なんとか計算モデルの精度を確保出来るのだと考えています。

もちろん、それは偶然ではなくて、握手会人気の高いメンバーには、運営も大きな部数を割り当てるからです。

逆に、CDリリースが近づいているのに、全体も個人も完売率が低ければ、部数設定のミスということになります。

実は、「気づいたら片想い」の場合、運営が個々のメンバーへの割り当て部数を、強気に設定し過ぎている節があって、前作「バレッタ」と比べて、担当部数が大きいのに個人完売率の低い人が多い印象がある。

初動売り上げ枚数を予想するには、個別握手会によるCDセールスをどれだけ正確に読めるかが、当然のことながら、一番のポイントなので、完売表の数字をExcelに入力していても、「バレッタ」に比べると、テンションは上がってこないですね(笑)。

完売部数が伸びないメンバー本人は、断然、もっとテンションが上がらないと思うので、シミュレーションの精度向上と相俟って、「もっと売れればなあ」などと考えてしまうことがあります。

運営の思う壷です(笑)。


「気づいたら片想い」の個別第6次応募終了後、つまり判明している最新の完売表から推定した売り上げ枚数は、計算モデルを使うと、31万7千枚になります。

「バレッタ」では、発売第1週に関して、シミュレーションによって求めた個別の推定売り上げ枚数は、オリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いた数字より、1万枚ほど高めに出ていました。

これは推測値の約3%に相当する数字で、発売第1週の全体枚数に関して、その程度の誤差が出たということです。

そのため、今回も、推測値から3%ほど割り引いて、実際の売り上げ枚数は、30万枚を少し越えたあたりかなと考えています。

ここに、個別第7次応募分と初回限定盤の売り上げが加わるので、まあ、前作初動の39万5千枚は越えるんじゃないかと思っています。

しかし、「交換留学」で、AKB運営が乃木坂への関与を露骨に強める中、今回のシングル、個人PVがない上に、収録曲とMVは、AKB48やNMB48のテイストを感じさせるものが多い。

こういった「48」化への流れを、既存の乃木坂ファンがどう捉えて、初回限定盤がどこまで伸びるのか、やや心配な部分があります。

今のところ、個別握手会の売れ行きは、明らかに「バレッタ」より鈍いですが、初回限定盤については、全国握手会参加券と「お茶会」などのスペシャルイベント応募券に加えて、アンダーライブ観覧の応募券と二期生イベントの参加券を入れ、特典サービスを充実させまくっているので、さすがに「バレッタ」のサウンドスキャン第1週である8万3千枚は越えないと話になりません。

ただ、一般流通CDのセールスは、何が起こるか分からないので、それなりにシミュレーションが出来る個別と違って、蓋を開けてみるまで、まったく読めないというのが本当のところです。

まあ、個別にせよ、初回限定盤にせよ、多売特典だらけのCDセールスなんて、全然ヒット指標にはならないので、数字が大きかろうが小さかろうが、とくに気にすることはないんですが。

それよりも、ダウンロードランキングや有線ランキングの方が遥かに重要で、これらの成績がぐんと上がれば、東京ミッドタウンで、CD10枚分くらいのシャンパンを買って乾杯します(笑)。

「気づいたら片想い」、発売は10日後の4月2日(水)です。



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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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