ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

乃木坂の風 22Mar14 ~ アレチの業務連絡、完売表から売り上げ枚数を推定するシミュレーション計算の説明

2014-03-22 16:00:00 | 芸能
ドンキ・ホーテがAKB48の運営であるAKSとパチンコメーカーの「京楽産業.」を提訴したというニュースが流れましたね。

AKB48の劇場は、秋葉原のドンキ・ホーテ店内にあったりして、随分と仲が良いように見えたんですが(笑)、何が起こってるんでしょう。

公式グッズの独占販売権を巡る裁判の行方は分かりませんが、こういう争いが表面化すると、AKB48の集客力や収益力が全盛期に比べて落ち込んできて、金銭面で色々と難しい問題が出てきているんだろうと考えたくなります。

「金の切れ目が縁の切れ目」ということなんでしょうか(笑)。

とりあえずは、現在の劇場が維持されるのかどうか、その辺が、ファンにとって大きな関心事になります。

劇場経営は、本当にお金が掛かるようで、宝塚でさえ決して楽ではないそうですから、場所まで提供してくれている大口スポンサーがもし撤退となると、大変だと思います。

ところで、「京楽産業.」は、NMB48の運営会社でもあり、AKSの株主という報道もあります。

乃木坂46の8枚目「気づいたら片想い」、昨日公開された「孤独兄弟」MVもそうですが、何だかAKB48やNMB48のテイストが強くなっているような気がして、「制服のマネキン」や「君の名は希望」でファンになったものとしては、やや寂しい気分になります。

あと、今の乃木坂運営、ネットの反応をかなり気にしているんでしょうか。

ただ、「JKを席巻する事間違いなし」なんて言葉、品位に欠けていて、あまり気持ちの良いものじゃないですね。

しかも、『「Ranzuki」(ぶんか社)』って出版社まで詳しく紹介したら、雑誌のランキングというより、「タイアップ」感がバキバキ出ちゃいますよ(笑)。


さて、今日は、売り上げ枚数を推定する方法を説明します。

いつも、完売表から、個々のメンバーや乃木坂全体の推定売り上げ枚数を「シミュレーション計算」で求め、それに基づいて作った順位表などをお見せしていますが、その計算方法を少し詳しく書いてみます。

以前は、推定枚数を述べる前に軽く説明していたのですが、「方法」より「中味」ということで、徐々に結果だけを載せるようになっていました。

しかし、どういう方法で推定枚数を導いているのか気になる方も多いと思うので、タイトルに「シミュレーション計算の説明」という言葉が入ったブログを一つ書いておいた方が、後々、参照しやすくて便利かと。


まず、数式を紹介する前に、簡単なケースを想定して、メンバー「 H 」さんの売り上げ枚数を実際に計算してみます。

星野みなみのイニシャルが「 H 」だというのは、思いもよらない偶然の一致で、「 H 」のチョイスにとくに意味はありません(笑)。

乃木坂のあるシングルCDの個別握手会が、総部数200部で行われ、Hさんの担当部数が20部だったとします。

第X次応募受付終了後の完売状況が判明し、グループ全体で80部の完売が出て、Hさんは14部をすでに完売していたとします。

すると、全体完売率は40% (= 80部 / 200部)、Hさんの個人完売率は70% (= 14部 / 20部)ということになります。

今、完売1部あたり500枚のCDが売れているとしましょう。

Hさんは14部を完売しているので、500枚掛ける14部の7千枚を売っていることになります。

ところが、まだ完売していない残りの6部は、1部あたり500枚に達していないというだけで、1枚も売れていないわけではない。

この非完売部での売り上げを、どう見積もるかというのが、シミュレーションの最大のポイントになります。


見積もり方法には様々な考え方がありますが、私がこれまで行ってきた方法は、残り6部での売り上げ枚数を、全体完売率の40%とHさんの個人完売率70%から推定するというものです。

500枚に比べて、どの程度の売り上げがあるのか、その割合を考えます。

まず、全体完売率が40%という点から、非完売部であっても、完売部の40%は売れていると見積もります。

つまり、500枚掛ける0.4の200枚は出ているという発想です。

次に、残りの60%、つまり300枚に対して、個人完売率である70%は上乗せして良いのではという考え方をします。

300枚掛ける0.7の210枚を、最初の200枚に加えるというやり方です。

つまり、500枚 * 0.4 + 500枚 * 0.6 * 0.7という計算をして、非完売部でも410枚は出ていると見積もります。

Hさんの非完売は6部なので、500枚 * 完売14部 + 410枚 * 非完売6部という計算で、9460枚がHさんの推定売り上げ枚数となります。

この計算をすべてのメンバーについて行い、各人の推定枚数を全部足して、グループ全体の売り上げ枚数を求めます。

全体完売率の40%は、乃木坂というグループの「勢い」を表している面があるので、かりに完売が一つも出ていないメンバーであっても、その「勢い」の恩恵を受けているだろうという発想です。

従って、すべてのメンバーについて、非完売部に40%の「下駄を履かせる」わけです。

ただ、担当20部で完売ゼロのメンバーと、Hさんのように14部完売の人では、個人の「勢い」に差があるのは歴然で、それを反映するために、完売ゼロのケースでは、それ以上の上乗せをせず、一方、14部完売のケースでは、個人完売率70%を上乗せして、個人の「勢い」を推定枚数に反映させます。

つまり、グループ全体の「勢い」を全体完売率で、個人の「勢い」を個人完売率で表現するという考え方です。

完売表が明らかになる度に、全体完売率や1期と2期の完売率を書いていますが、それは完売率が実際の計算でも重要な役割を果たすからです。


この計算モデルは、非完売部の売り上げが完売部のどの程度まで到達しているかを、各メンバーについて、全体完売率と個人完売率を基に推測するという方法ですが、完売1部あたりの売り上げ枚数を設定する必要があります。

上の説明では便宜上500枚という数値を使っていますが、実際の計算では、どうすれば良いのでしょう。

1部は90分なので、1枚のCDでメンバーと過ごせる「平均握手時間」が、その数値を求める際に重要になってきます。

このブログでは、「平均握手時間」を8秒に設定して、90分 * 60秒 / 8秒の675枚として計算しています。

「平均握手時間」は、メンバーがCD1枚に割く時間で、もしCD1枚を持ったファン1人が8秒となると、現実に握手をして話をする時間は5秒くらいしかない筈で、随分と短いという印象があります。

そして、実際の握手会でも、「1枚出し」の場合は、8秒より長いと思います。

しかし、多くのファンは「複数枚出し」を行うので、1人1枚が10秒であっても、「平均握手時間」は、それより短くなっていくと考えられます。

以前、中元日芽香のファンが、CD150枚で12分間、彼女に歌をうたってもらったというニュースが流れました。

12分 * 60秒 / 150枚を計算してみると、1枚あたりの「握手時間」は4.8秒です。

ここまで極端なケースは稀だと思いますが、「複数枚出し」による「平均握手時間」の短縮は日常的に起こっている筈で、その結果として、「1枚出し」ではやや短過ぎる印象のある8秒という数値が妥当な領域に入ってくるのだと考えられます。


次に、実際にどうやって計算しているのか説明します。

この計算モデル、数学的には四則演算しか使っておらず、シミュレーションとしてはごく簡単なものですが、乃木坂メンバーは、西川七海の卒業を考慮しても、42人いて、さすがに電卓で手計算は大変です。

そこで、Excelを使って、軽いプログラムを組んで計算しています。

Excelのシートで、1列目にメンバー全員の名前をセルに書き込み、2列目にそれぞれの完売部数、3列目に担当部数を入れます。

そして、4列目に、2列目割る3列目で個人完売率を計算して表示します。

また、「sum()」関数を使えば、総部数や全体の完売数が求められるので、それらの数字を使って全体完売率を求め、5列目に各メンバーの推定売り上げ枚数を計算して表示させて完成です。

グループ全体の売り上げは5列目を「sum()」すれば求められます。


こういったシミュレーションは、ある仮定に基づいた推測に過ぎません。

しかし、もし、シミュレーションで求めた個別握手会の推定売り上げ枚数が、オリコンとサウンドスキャンの数字から出てくる枚数に近ければ、それはかなり有効な計算方法ということになります。

従って、当たり前のことですが、シミュレーションによる推測値と、実際の数字がどの程度乖離しているのか、誤差がどのくらいあるのか、その評価は、徹底的に行う必要があります。

そして、乃木坂46の複数のシングルについて、個別による初動売り上げ枚数を、シミュレーションによる推測値と比較すると、かなり良好な一致を見せることが分かっています。

全体完売率と個人完売率から売り上げ枚数を推測するという計算モデル、基礎となる仮定にあれこれ「ツッコミ」を入れたくなる方は、私も含めて少なくないと思いますが(笑)、現実の数字と比べてみると、想像以上によく合っていて、その経験から、このモデルは、某かの現実を反映している可能性があるという気持ちに傾いています。

そのため、モデルによる計算結果を、選抜選考での握手会主義の検証や、シングルCDの売り上げ予想の際に使っているという次第です。


この計算モデルを理解して頂く一助になればと、ちょっとした問題を作ってみました。

興味のある方は、挑戦してみて下さい。

式を紙に書けば、電卓で解ける問題です。

(問い1)

グループ全体の設定総部数が400部、完売が120部のとき、メンバーNさんは、25部中12部を完売していた。

完売1部あたりの売り上げ枚数を675枚として、Nさんの推定売り上げ枚数を求めよ。

但し、枚数が少数点になったときは、1桁目を四捨五入して整数にせよ。

なお、「N」が中元日芽香のイニシャルであることは、全くの偶然である。

(問い2)

あるシングルの個別握手会第7次応募終了後の完売状況は、総部数500部中280部完売で、メンバーNさんは、30部中12部完売だった。

前作シングルの第7次終了後は、総部数300部中210部完売で、Nさんは、25部中15部完売。

Nさんの推定売り上げ枚数は、前作より伸びたのか、それとも落ちたのか述べよ。

また、完売1部あたりの売り上げ枚数を675枚として、その上げ幅、あるいは下げ幅の枚数を求めよ。

なお、「N」が永島聖羅のイニシャルであることと、私が彼女を見るとテンションが上がることとは、何の関係もない(笑)。


答えは、記事の最後部分に書いてあります。


最後に、この計算モデルをちびっと数学的に表現したものを以下に載せておきます。


グループ全体について、

総部数 N部
完売部数 M部

とすれば、

全体完売率 h = M / N (式1)

です。

また、あるメンバー「 i 」について、

担当部数 n[ i ]部
完売部数 m[ i ]部

とすれば、

個人完売率 k[ i ] = m[ i ] / n[ i ] (式2)

となります。

乃木坂は現在42人なので「 i 」は0から41までの整数で表現出来ます。

メンバー「 i 」の売り上げ枚数は、

完売1部あたりA枚
非完売1部あたりB枚

とおけば、

A * m[ i ] + B * (n[ i ] - m[ i ]) (式3)

と表せます。

ここで、Bは、Aから、全体完売率 hと個人完売率 k[ i ]を使って、

B = A * {h + (1 - h) * k[ i ]} (式4)

で求められるという仮定を導入します。

すると、メンバー「 i 」の売り上げ枚数は、(式3)に(式4)を代入して、

A * m[ i ] + A * {h + (1 - h) * k[ i ]} * (n[ i ] - m[ i ]) (式5)

という形になります。

つまり、(式4)が成り立つという仮定をすれば、あるメンバーの売り上げ枚数を、完売1部あたりの売り上げ枚数 A、担当部数 n[ i ]、完売部数 m[ i ]、個人完売率 k[ i ]、全体完売率 h から、(式5)を使って推定することが出来ます。

文字化けの懸念があるので、総和記号シグマの代わりに「i_sum()」を、すべての「 i 」に渡って足すという記号とすれば、グループ全体の売り上げ枚数は、

i_sum(A * m[ i ] + A * {h + (1 - h) * k[ i ]} * (n[ i ] - m[ i ])) (式6)

となります。

まとめると、

メンバー「 i 」の売り上げ枚数
A * m[ i ] + A * {h + (1 - h) * k[ i ]} * (n[ i ] - m[ i ]) (式5)

グループ全体の売り上げ枚数
i_sum(A * m[ i ] + A * {h + (1 - h) * k[ i ]} * (n[ i ] - m[ i ])) (式6)

という式を使ってシミュレーション計算を行うということです。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


問いの答え

(問い1)
13681枚

(問い2)
前作より977枚売り上げが伸びた


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