goo blog サービス終了のお知らせ 

原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~病める自治体~> ※46回目の紹介

2016-09-05 22:08:18 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。46回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

----------------

**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 官庁不在

(前回からの続き)

 別の原発被災自治体の担当者は、「以前は霞が関の本庁と1本でやり取りしていたが、福島復興再生総局ができてから1か所余計に”ご説明”が必要になった。まずは本庁、そして福島復興再生総局に差し戻されて決済となる。決済に時間がかかり『今でしょ』的なことが何もできない。双方から重箱の隅をつつくような質問をされ、自治体では事業が採択されることがミッションになってしまった。横の連携もできていない。

 たとえば、水一つにしても、上水道は厚生労働省、下水道は国土交通省、工業用水は経済産業省、農業省水は農林水産省と、それぞれ所管官庁が異なる。自治体がおのおの所管官庁に”ご説明”しなければならない。被災者にしてみればセットで復旧しなければ意味をなさないのに、それぞれ復旧時期が異なり、省庁間で調整しようという雰囲気も全くない」と言う。

 ある町の担当者は、こう主張する。

「今回の原発災害は、既存の災害対応のスキームでは穴を埋められない。時間との闘いなのだから、本来は既存のスキームを使って柔軟な運用をするべきだが、霞が関は柔軟性がない。福島復興再生総局のように、組織や○○会議とかたくさん作っているが、逆効果だ。やりますイコール組織を新設する、人は配置する、それで対応済みと霞が関は思っているが、それでは決済に余計時間がかかることになる。こういう災害対応は、少数精悦でコンパクトにやった方がよい」

 ※「第3章 復興が進まないワケ「官庁不在」」は次回に続く

2016/9/6(火)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月4日(日)のつぶやき

2016-09-05 02:26:15 | つぶやき