原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

終章 東京ブラックアウト ※3回目の紹介

2015-06-17 22:00:00 | 【東京ブラックアウト】

*『東京ブラックアウト』著者:若杉冽

章 東京ブラックアウトを複数回に分け紹介します。3回目の紹介

 

Amazon カスタマーレビュー )から
恐ろしい本です。小説という体裁はとっていますが、帯に「95%ノンフィクション」とあるように、限りなく現実に近い話でしょう。これを読んでも、原発再稼働に賛成と言えるでしょうか。一人でも多くの国民に読んでほしい本です。

作中に登場する資源エネルギー庁次長の日村直史は、経産官僚の今井尚哉氏だと、国会議員の河野太郎氏がTwitterで言及しています。現在、安倍首相の政務秘書官を務めている人物です。

 

( 「東京ブラックアウト」)から
「バ、バカ野郎!おまえは知っているのか? かつて新潟県の泉田知事が、たった400人を対象に避難訓練をしただけでも、その地域には大渋滞が起こったんだぞ!・・・あと数時間で、東京の都市機能は失われるっ。いいか、これは命令だ・・・」
・・・玲子は絶句した。いつも冷静でクールな夫が、15年の結婚生活で初めて見せる取り乱しぶりだったからだ。


過去に紹介した記事(【原発ホワイトアウト】終章 爆弾低気圧(45) )から

救いがあるとすれば著者・若杉冽氏の次の言葉だ。
「まだまだ驚くべき事実はたくさんあるのです。
こうした情報が国民に届けば、きっと世論のうねりが起きる。
私が役所に残り続け、素性を明かさないのは、情報をとり続けるためです。
さらに第二、第三の『若杉冽』を世に送り出すためにも」

 

----------------

**『東京ブラックアウト』著書 「章 東京ブラックアウト」の紹介

前回の話:終章 東京ブラックアウト ※2回目の紹介

 京都で特別国会が開催されているあいだ、2016年リオデジャネイロオリンピックに併せて、国際オリンピック委員会(IOC)総会が開催されていた。ここで中国の理事から緊急の議題が提案された。2020年の東京オリンピックの取り消しを求めるものだ。

「これから科学的・計画的に除染を実施しますから、2020年の東京オリンピックは安全に実施できます。我が国にはフクシマの経験で培った除染の技術があります。その技術で、放射能汚染は完全にコントロール下にあります」

 と、松添都知事は得意のフランス後と英語を交えながら、必死で反論していた。

「・・・私は、東京オリンピックの成功を日本の復興のシンボルにしたい。みなさん、ぜひ東京を、そして日本を助けてください。世界のスポーツの力で助けてください!」

 最後は浪花節だった。しかし、オリンピック選手への健康の影響を心配するIOCの委員からしてみれば、除染によってどの程度線量が低下するか、その科学的根拠が示されないことが不満だった。

 結局、2020年の東京オリンピックの取り消しは93対1の圧倒的多数で決定された。

 続いて、同じく中国の理事から、上海を東京の代わりの候補地とする提案がなされた。すると、92対2の圧倒的多数で、上海がそのまま選出されてしまった。反対に一票加わったのは、委員に一人を出しているチャイニーズ・タイペイのおかげだ・・・。

 日本が新崎原発事故で混乱するなか、中国がじっくりと各国に根回ししておいたのだ。

 1908年のオリンピックはローマが開催予定地であったが、イタリアのヴェスヴィオ山が噴火し、その被害がローマにも及んだことから、開催地が急遽ロンドンに変更された。この先例を引き合いに出し、近隣国である中国が日本の危機を助けたい、という絶妙の根回しだった。

※続き「終章 東京ブラックアウト」は、6/1822:00に投稿予定です 

東京ブラックアウト(若杉冽)

原発ホワイトアウト(若杉冽)

 


最新の画像もっと見る