クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

山口泰弘さんが先導する絵画に仕組まれた謎解き

2017年02月18日 19時42分03秒 | 美術展
楽しいお話で、あっという間の2時間でした。
今日一宮市三岸節子記念美術館で行われた「美術の学校10」。
講師は三重大学教授の山口泰弘さん、演題は「絵を読む -江戸時代絵画を中心として-」です。

山口さんは語ります。
『絵は感性だけでみるのではない。』
『時代背景や、画家の伝えたかったこと、絵に仕組まれた謎を読み解くことも大事である。そうすれば、より深く絵を理解でき、より豊かに絵に接することができます。』

お話の中で使われたのが、鈴木晴信や曾我蕭白、尾形光琳らが描いた6つの絵画(群)。
それらについて固有名詞として決まってしまっている絵画名は、一面しか捕えていないこと。
画家がその絵を描いた時のモチーフを知るべく、絵に描かれている持物(じもつ)、アトリビュートを手掛かりに山口さんの探索(、過去に遡って同じ持物の絵を探し比較する)が始まります。

山口さんの丹念に準備された教材がスクリーンに映し出され、会場の聴講者と対話を進めながら、豊富な知識で面白おかしく分かり易く話は進みます。

特に面白かったのが、奈良県立美術館蔵の蕭白の『美人図』にまつわる「屈原」、「粽(ちまき)」、「ドラゴンボート」の読み明かしです。
蕭白は『美人図』をどんな心持ちで描いたのでしょうか。
『美人図』の女性が発する妖気、狂気は、ただものではありません。
コメント
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