散日拾遺

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ウリ坊よ

2019-09-02 16:15:03 | 日記
2019年8月30日(金)
 診察室の壁にかかった日本郵政のカレンダー8月の写真、兵庫県六甲山にて撮影とある。JPのサービスのあり方には多々疑問があるが、カレンダーは良いものをお作りですね。



 六甲山のイノシシは有名である。山麓に位置する神戸大学のキャンパス内には「ウリ坊ロード」と呼ばれる散策路 ~ イノシシの ~ があり、さらにずっと下って海に近い阪急神戸線・岡本あたりまで、川に沿って家族連れ ~ イノシシの ~ が出没する。
 北条では昨夏、墓地の地面が盛大に掘り返されて始末に困った。今年は今のところ出現の形跡がないが、わが家の山側に住んでイノシシ対策に余念のなかったSさんがつい先ごろ他界され、跡が空き家になっている。怖いな・・・
 茨城出身の患者さんから聞いた話で、隣りの農家が畑を荒らされて困っており、罠を仕掛けたところ見事にかかった。さっそくぼたん鍋を催して近隣にふるまったところ、その話がお上に聞こえ、警察に呼ばれてこってり絞られたそうである。鳥獣保護法違反、なのだ。
 「山に出かけて撃ったのと話が違う、うちの畑を荒らすのを現行犯で捕獲して、煮て食おうが焼いて食おうがこっちの勝手、だいいちイノシシの迷惑がお前らにわかるか」と腹の中は煮えくりかえっていた由。
 僕? 僕はなかなか食べる気にはなれないが、この御仁には同情する。罠にかかったイノシシは畑の持ち主が手を下さないとしても、他の誰かが何らかの形で殺すのだろう。人が生きる一瞬ごとに、必ず何かの形で他の生き物の命を奪っている。奪い方に節度を求めルールを定めるのは人の道だが、生き物の命を奪うことそのものを野蛮とするなら人の道を反対側に踏み外すことになる。
 畑に入るな、ウリ坊よ。

Ω