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五ケ山クロスマラソン~佐賀橋

2018-11-26 21:40:40 | 五ケ山ダム

昨日(25日)、那珂川市制施行を記念した「五ケ山クロスマラソン」が、五ヶ山ダム周辺で開催された。主催者によると約1000人が参加したとのこと。かつてこの地にこれほど多くの人が集まったことがあっただろうか。

那珂川市は、五ヶ山ダム周辺をアウトドア拠点と位置付け、このエリアを「五ヶ山クロス」と名付けた。現在、ダム周辺ではキャンプ場や商業施設の工事が進められているが、オープンは来年3月1日の予定となっている。昨年からの少雨でダムに水が貯まらず、今も試験湛水が行われているため(ダム湖を活用したカヌーなどのアウトドアスポーツができないため)、約1年遅れのオープンとなる。

もちろん登山もできる。近くには九千部山(848m)や脊振山(1055m)が控えている。五ヶ山ダムの北西には一ノ岳(648m)という山があり、山頂には一ノ岳城跡がある。そもそも五ヶ山は、地理的・歴史的に大変興味深いところなのだが、残念なことに、歴史を伝えるものは殆どダムに沈んでしまい、今では姿を見ることはできない。「五ヶ山クロス」の名付け親である松原一郎(新潟県)さんは、「クロス」に交流の意味を込めたと仰っているが、それこそ五ヶ山ダムのクロスした部分(中心部)には、かつて軍事上の要衝となった「佐賀橋」という橋があった。(下写真参照)

戦国時代、この佐賀橋を起点にし、南は肥前国(龍造寺氏)、北は筑前国(大友や毛利氏)、西は筑紫氏の詰城だった「一ノ岳城」、東は筑紫氏の本城だった「勝尾城」と、佐賀橋は、肥前と筑前を往来する十字路として重要な役割を果たしていた。まさに、ここは多くの人が交流する地点だった。松原さんがこのことをご存じだったのかはわからないが、五ヶ山は歴史的にも「クロス」な場所だったのである。

昨日、多くの人が走ったその場所で、かつて大勢の武将が走り抜けていた。よもや400年後に水の中とは思わなかっただろうが。

 

ダム堤体を走る大勢のランナー (写真:西日本新聞より)

 

 

 

 

 

五ヶ山ダム周辺施設位置図  クロスしたところに佐賀橋

 

 

 

 

佐賀橋 ダム建設がはじまるまで存在していた(写真:那珂川町の歴史を学ぶ会資料より)

 

 

 

《関連記事》

巨大ダム周辺走って満喫 那珂川市 五ヶ山クロスマラソンに1000人(西日本新聞 2018.11.26)

 

《関連資料》

那珂川市HP。那珂川市市政施行記念 五ヶ山クロスマラソン

那珂川市市政施行記念五ヶ山クロスマラソンfacebook

 

 


【福岡市長選】過去最低投票率で高島氏3選  逃げるが勝ち‼

2018-11-19 18:05:50 | 福岡市政

過去最低の投票率で高島氏が3選を果たした。福岡市長選から一夜が明けて暗澹たる気分だが、市長選の感想を少しだけ述べておきたい。

今回の選挙を一言でいうなら、”逃げるが勝ち”。なぜなら、高島市長は最後まで土俵に上がらなかったから。対戦相手の神谷氏や市民が、いくら公開討論を要請しても無視を貫き(返事もせず)、逃げ通した。その結果、高島市政の問題点は見えないまま、選挙に対する関心も薄れ、史上最悪の投票率となった。高島市長はブログで、28万5435票という史上最多得票をいただいたと誇っているが、全有権者のわずか23%にすぎない。これでは市民から信任されたとは言えない。まして政策論争から逃げるなど、政治家として恥ずべき行為だろう。

一方、神谷氏はブログで、無名の新人として出馬したが、様々な方面から支援があり、選挙戦の中で大きな広がりを感じたと述べている。高島氏の当選と得票については、公開討論に応じないことで作り出した「魔法の数字」であり、納得しないとも。公開討論会は、1対1の選挙で市民にわかりやすく論点を示すことで多くの市民の選挙への関心を高め、市政の問題を一方的な宣伝でなく双方のわかりやすい議論で明らかにするものであり、政治家としての責任から提案したと述べている。これについては、公開討論会を企画した市民団体代表の一人として、私も残念でならない。実現していれば少しは変わっていたと思うが。

ただ、救われたこともある。それは、神谷氏が出馬されたことによって、8年間にわたる高島市政の問題点が公に晒されたこと。しかも、分かり易い。これらは今後の市政運営に関わる問題だけに、その功績は大きい。さすが福岡市政を知り尽くした方だけある。それに対し、厄介なのは高島市長。ロープウエー計画を公約に掲げ(これが高島流)、それが信任されたと思っているからどうにもならない。当選直後の記者会見では、強引に進めないと言っていたが、おそらく計画を加速させるに違いない。すでに市は調査費2千万円をかけ専門家による議論を進めているが、ロープウエーの導入はまだ決まったわけではない。議会でしっかり議論し、市民の意見も聴くべきだ。”私の夢”だか何だか知らないが、空港出資問題の時のような暴走(議会軽視)は許されない。来月11日からはじまる12月議会を注視したい。

ところで、今回、高島市長は公約を正式に公表していない。ポスターにも公約らしきことは書かれていない。あるのは報道記事だけ。8年前、福岡市長選に出馬された木下敏之氏(今は福大教授)もこれには驚いて、当選するとわかっていても公約を広く示して、それに対して審判を受けるという民主主義の基本に則っていないといけないとコメントされている。全く同感である。よもや、ここまで舐められるとは思ってもいなかったが、どれほどの市民がそのことに気付いているのだろう。いやはや、頭の痛い日々は続く。

 

お友達が並ぶ (左から井上貴博衆議院議員・飯盛利康市議・高島氏・麻生太郎氏 写真:高島市長公式ブログより)

 

 

 

安倍首相から電話が入る どこみて仕事してる?(写真:西日本新聞)

  

 

 

有権者は約124万人、棄権した市民は85万人にも上る 無投票数(白票)は過去最高 (福岡市選挙管理委員会資料より)

 

 

《関連記事》

「高島流」思い信任 福岡市長3選 議会、知事と軋轢抱え 首相の祝電に破顔(西日本新聞 2018.11.19)

神谷氏善戦、万歳三唱も 共産公認・推薦で最多9万票 福岡市長選(西日本新聞 2018.11.19) 

候補者少なく関心高まらず 福岡市長選、投票率過去最低(西日本新聞2018.11.19)

福岡市長選:盛り上がり欠ける論戦 公開討論会なく(毎日新聞2018.11.8) 

 

《関連資料》

福岡市HP。平成30年11月18日執行 福岡市長選挙 投・開票速報(2018.11.18)

かみや貴行のブログ 1%でなく99%のための福岡市政を 

 


博多駅前陥没事故から2年、掘削に向けた課題

2018-11-09 21:59:29 | 博多駅前陥没

博多陥没事故から2年、市民の関心が薄れる中、昨日、あの衝撃映像が流れていた。それで思い出した方も多かったのではないだろうか。現在、陥没現場では地盤改良工事が行われているが、今のところ工事は順調に進んでいるようで、地盤に大きな変化は見られない。だが、問題はこれから。いろいろ難関が待ち受けている。(報道はされていないが)

福岡市交通局の資料によると、先月末、陥没箇所の地盤改良工事、⾼圧噴射撹拌⼯(地下水の流入を防止する工事)と薬液注⼊⼯(地盤の強度を上げる工事)が完了。現在、その部分のチェックボーリングが行われている。今後はトンネル坑内の地盤改良工事が行われる。 それが終わると、いよいよ水抜き作業がはじまる。報道によると、水抜き作業は年明けからおよそ2か月半かけて慎重に行われるらしい。

ここが難関のひとつ。地下鉄のトンネル内は事故で流れ込んだ地下水で満たされている。その水抜きを行うわけだが、安全に水を抜くためには、地盤改良がどれだけ確実にできるかがポイントになる。というのも、トンネル内の水位と一緒に周辺の地下水位も下がれば、上からの水の流れを止められず、ふたたび陥没する恐れがあるからだ。地盤改良部分の地下約11mのところには、直径約2.5mの雨水幹線が通っている。さらにトンネル崩落時に一緒に落ちた信号機や管路なども埋まっている。こうしたところは固化材の噴射や撹拌の度合いを適切に設定できず、改良不足になる恐れがあると言われている。(だからチェックボーリングを行っているのだろうが)果たして、上手くいくか。

無事に水抜き作業が終われば、トンネルの再掘削(ナトム)工事となる。再掘削は地盤改良が行われているところ(人工岩盤)を掘るわけだが、ここにもリスクはある。岩盤層と改良部の境界、いわゆる難透水性風化岩層がどうなっているかだ。高圧噴射撹拌工法は、難透水性風化岩層のような比較的固い地盤では効果を発揮しにくいと言われている。もしも難透水性風化岩に亀裂が生じればそこが水みちとなり、ふたたびトンネル内に水を引き込む恐れがある。しかも、掘削工法は前回と同じナトム。福岡市は工法に問題はないと自信たっぷりだが、地質が複雑なところだけに油断はできない。順調にいけば、再掘削は来年夏頃からはじまる。ロープウエーどころではない。

 

写真:NHK福岡ニュースより(11月8日放送)

事故当時の様子 

 

 

 

 

 

現在の様子

 

 

 

 

10月31日現在の工事状況(福岡市資料より)

 

 

 

 

再掘削前に説明会をすべきだと思うが (福岡市資料より)

 

 

 

《関連記事》

博多駅前大規模陥没事故から2年(NHK福岡 2018.11.8)

博多陥没2年、トンネル掘削へ準備進む 福岡市長選、当時の対応も争点(西日本新聞2018.11.8)

 

 《関連資料》

福岡市交通局。地下鉄七隈線延伸建設工事における地盤改良工事の状況について(2018.11.1更新)

大成JV。福岡市地下鉄七隈線建設工事 博多駅工区(ナトム・人工岩盤掘削区間)に関する情報




高島市長へ公開質問書提出 そこで秘書課長がとんでも発言!

2018-11-08 21:19:09 | 福岡市政

先月28日、市民主催の公開討論会が開催された。候補者の一人、神谷氏は出席されたが、高島市長は姿を現さなかった。それどころか(欠席する旨の)返事すらしなかった。市民からは非常識との声が上がっている。そんな中、今週、高島市長に公開質問書が提出された。そこで秘書課長のとんでもない発言があった。

「話を聴く会」の原氏によると、6日、まず高島市長の選挙事務所(中央区)へ出向き、公開質問書を提出。受け取ったのは秘書の伊藤氏だったという。質問書を読み上げて手渡し、公開討論会(告示後は第三者が主催する公開討論会は開けないので、二人同席の個人演説会を開く形)の受諾を重ねて求めたという。それに対し、伊藤氏は「いろいろスケジュールも有るので検討します」との返答だったという。

次に、市役所秘書課へ出向き、同様の公開質問書を提出。今回の高島市長の対応を正したところ、自分の個人的意見だと前置きした上で、野木秘書課長は「出席すると約束しておいて、欠席したのであれば問題があるが、そうではない(返事をしていない)のだから問題はない」と述べたという。屁理屈にも程がある。全く話しにならない。野木課長は個人的意見だと言っているが、おそらく高島市長の言い分を代弁しているのだろう。親分が親分なら子分も子分といったところか。

ところで、西日本新聞は両候補者にアンケートを実施しているが、その中で「あなたが考える組織の指導者とはどのような存在か」というのがある。それに高島市長は「声なき声に耳を傾け、いろいろな価値観を持つ人たちと向き合う」と答えている。大嘘だろう。自分の意見と違う人の声には耳もかさない。このような人に市長になる資格はないだろう。

 

 

 高島市長は答えるか、また無視か  

 

 

《関連記事》

福岡市長選アンケート(1)~(10)(西日本新聞2018.11.7~11.8)