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高島市長、ロープウエー構想断念も 復活の可能性ある!?(3月22日更新)

2019-03-19 18:25:00 | ロープウエー問題

先週、山口へ向かっていたころ、福岡市議会はクライマックスを迎えていた。福岡市が予算案に計上していたロープウエ―の検討費を削除する修正案が13日本会議で賛成多数で可決され、あとは高島市長がこれを不服とし、再議を発動するのかどうかに注目が集まっていた。ところが、高島市長が出した答えは、再議どころか、「もうロープウエーは議論もしない」と意表を突くものだった。市長選で公約にまで掲げたロープウエ―構想は、まるでなかったかのように消え去った。背後にあったのは、間近に迫った市議選だった。

福岡市は、2019年度の当初予算案にロープウエーの導入を検討する費用として5000万円を盛り込んだ。同時に、市の広報誌「市政だより」に、ロープウエ―の導入が決まったかのような記事を掲載。これに議会が反発した。議会で議論がされていない中で、このようなものが出されたのだから当然だろう。自民党は検討費を削除し、予備費にする修正案を提出、12日の条例予算特別委員会で可決された。13日本会議では、自民党、市民クラブ、共産党などが「議論が不十分で、ロープウエーに絞った検討は時期尚早だ」、「市民の多くはロープウエーを必要としていない」と主張したのに対し、公明党、みらい・無所属の会、自民党新福岡は「まずは検討費で判断材料を集めて議論すべきだ」と市長側に付いた。結果は、特別委員会同様、賛成39、反対20の賛成多数で修正案は可決された。

この結果を受け、高島市長は市の幹部会議を開いて、今後の対策を協議をすると、公明党、みらい・無所属の会、自民党新福岡とも懇談。その後、これら3会派の代表とともに断念表明をした。山口に居たため、記者会見をリアルタイムで見れなかったが、何と異常な光景か。これほど首長に寄り添う議員の姿を見たことがない。本来、首長と議員は一定の緊張感を保つものだが、ここまで露骨に親密さをアピールするのは、市議選で自らに近い議員を当選させ、議会を自分の思い通りに動かすために他ならない。つまり、ロープウエーより今後の議会運営を選んだということ。市長側近は「負けて勝つ。戦略的撤退だ」と息巻いているが、議会で正々堂々と議論できないだけだろう。

高島市長、自ら立ち上げた検証委員会(これがかなり怪しいものだった)が新交通システムを検討している最中に、いきなりロープウエ―構想を公約に掲げ、自分に不利だと思うやいなや、決断は早いほうがいいからと、なかったものにした。そこに公約の重みはなく、最初から最後まで自分本位だった。(ロープウエ―には反対だが)本当に夢であるなら、純粋に市民に語ればよい。それもせずに、偉そうなことは言えないだろう。ところが、これを英断だという人がいるから驚く。まさに衆愚政治だ。絶望的な気分になるが、何はともあれ、一先ず博多のまちは守られた。今頃、胸を撫でおろしている市民も少なくないのではないだろうか。あとは4月7日の市議選で、信頼できる議員が誕生すること願うばかりだが、、

 

ロープウエー構想、復活の可能性もある!?(2019.3.22更新)

喜ぶのはまだ早かった。議会に精通した人の情報によると、ロープウエー構想は白紙になったものの、復活する可能性は十分あるという。何故なら、高島市長は、ロープウエーの議論はしないと言っているが、導入しないとは言っていない。しかも、自民党はロープウエー構想には反対していない。自民党は、高島市長が手柄を独り占めしようと急いで事を進めていたことが面白くなかったようで、今回は修正案という形で反発した(市民から反対の声が多かったこともあり選挙対応とも考えられる)が、ロープウエーは、JR九州など地元経済界から期待の声も大きいため、復活する可能性は十分あるという。それがいつになるかはわからないが。いずれにせよ、今度の市議選が要になるのは間違いない。やれやれ、一難去ってまた一難。高島市政が続く限り、安心していられない。

【福岡市政インサイダー情報】ロープウエーは死んだのか?~ゾンビとなって甦る悪夢( NETIB-NEWS 2019.3.20)

 

 

 

断念表明をする高島市長にぴったり寄り添うシンパの皆さん(写真:西日本新聞より)

左から国分議員(みらい・無所属の会)、黒子議員(公明党)、飯盛議員(自民新福岡)

 

 

 

 こちらが問題の市政だより3月1日号 ※これを読んで、ロープウエー導入決定と思った市民は多い

市政だよりに載ったロープウエーの耐風速の数字はデタラメだった(かみや氏) 

 

 

《関連記事》

目玉公約あっさり撤回 福岡市長ロープウエー構想 市議選争点化避ける(西日本新聞 2019.3.14)

「市民の幸せにつながらない」 ロープウエー構想断念 高島市長一問一答(西日本新聞 2019.3.14)

理解と戸惑い交錯 福岡市議会 市長のロープウエー構想撤回(西日本新聞 2019.3.14)

木下敏之氏ブログ『ロープウエイ断念にみる衆愚政治』(2019.3.15) 

 

 


ロープウエーが最適?~福岡市ウォーターフロント地区アクセス強化研究会

2019-01-11 21:54:50 | ロープウエー問題

昨年1月、福岡市が新交通システムの導入を検討するために設置した「福岡市ウォーターフロント地区アクセス強化研究会」は、9日、ウォーターフロント地区と博多駅を結ぶルートは、ロープウエーが最も望ましいという意見をまとめた。研究会座長の筑波大学・石田東生名誉教授は、記者会見で「ロープウエーの実現は、ウォーターフロント地区開発をより成功に導くための条件だと考える。今後は市民とのコミュニケーションを取りながら進めてほしい」と話している。これ以上、”ロープウエ―ありき”なコメントはないだろう。(下写真)

今後、福岡市は、ロープウエー導入に向けて本格的に検討をはじめるという。高島市長の嬉しそうな顔が浮かんでくるが、市民は必ずしも喜んでいるわけではない。まちのインタビューでも賛否両論ある。そもそも新交通システムが必要なのかも、きちんと議論されていない。市はインバウンドやMICEの増加を見込んで、20年後のWF地区周辺での往来を、1日約16万人(現在1日5万6千人)と予測しているが、中国経済は減速しており、このところクルーズ船による中国人の入国数も減っている。市の予測どおりになるとは到底思えない。16日の福岡市議会特別委員会で、市は研究会での最終報告をするとみられるが、議員がどこまで追及できるか。委員会を傍聴したいが、生憎福岡にいないし、ネット中継もない(これがなかなか実現しない)。気にはかかるが、2月議会での議論を見ていくしかない。

ただロープウエ―導入は、髙島市長が思い描くほどすんなり行くとは思えない。市長選の出口調査でも6割の市民が導入に反対している。無理やり進めようとすると、おそらく住民投票ということになるだろう。(すでにその動きはある)高島市長はロープウエーを公約に掲げ当選したことで、市民から白紙委任されたと思っているのだろうが、市長選では7割の有権者が棄権している。これは民意とは言えない。ロープウエ―は必要なのか、住民投票で明らかにすべきだろう。高島市長の暴走を止めるにはもうこれしかない。

 

最適どころか最悪な、、(写真&CG:RKBニュースより)

 

   

 

 

2kmの間に柱10本 交通量の多い大博通り、地震が起きれば予期せぬ災害も(福岡市資料より)

 

 

 

 

 

柱の高さは28m(埋設部分を除く)7階建てビルくらい このあたりの地質は脆弱な砂地 (福岡市資料より) 

 

市の研究会は、建設費が一番安いからロープウエ―が最適だと言っているが、試算は海外事例(イギリスのエミレーツエアライン)を参考にしたもので、正確性に欠ける。実際、車両基地がどこになるのかによって建設費は大きく変わる。だからか試算表に明記がない。第一、車両基地費をその他に含まれているとしているところが怪しい。安い買い物をした後に、ほとんどがオプションだったというようなもの。ちなみに、目安として、整備費は1kmおよそ100億円と言われている。天神~WF間は必要ないと結論を出しているので、これでいくと200億円ということになる。

 

 

大博通りだって十分景観を損なう 

 

 

 

 

もう導入が決まったようなコメント これもお役目?(写真:NHK福岡ニュースより)

 

 

 

ちなみに、こちらは8年前に市長選に出馬され、現在は福大経済学部の教授をされている木下敏之氏のブログ。経済的な観点から研究会の検討内容に疑問があるとコメントされている。参考まで。ロープウエーは大儲け?研究会の検討の穴(2019.1.11) 

 

 《関連記事》 

研究会「ロープウエー望ましい」(NHK福岡ニュース 2019.1.9)

「ロープウエーが望ましい」JR博多駅と博多港WFの新交通システム(毎日新聞 2019.1.10)

WF再整備/ロープウェー導入へ調査/福岡市の研究会(建設通信新聞 2019.1.11)

ロープウエー巡り応酬 福岡市議会特別委総会 往来予測に疑問指摘も(西日本新聞 2018.3.23)

《関連資料》

福岡市HP。福岡市ウォーターフロント地区アクセス強化研究会」について(2019.1.10更新)

日本総研・中国経済展望

 

 


福岡市にロープウエーは必要なのか(12月25日更新)

2018-12-22 21:20:40 | ロープウエー問題

福岡市にロープウエーは必要なのか。高島市長が自分の夢だと言って、突然、公約に掲げた「ロープウエー構想」に波紋が広がっている。12月議会最終日に、箱崎ふ頭の埋め立てとロープウエー導入に対し、共産党などから慎重な検討を求める決議案が出された。決議案は、自民、公明、みらい、維新、自民新(高島市長親衛隊)などの反対により否決されたが、ロープウエーに関しては、与党自民党からも疑問の声が上がっている。

ロープウエー構想が表面化したのは、昨年12月5日の高島市長政治資金パーティーでのこと。高島市長は海外での実例を交え、博多駅から大博通り、ウォーターフロント(WF)地区を経由し、北天神の須崎公園付近までを結ぶ「福岡スカイウェイ構想」を提示した。しかし、この構想。実は、福岡市が15年にWF地区の再整備案を民間事業者から公募した際、JR九州から提案されたものである。そこのところは封印し、さも自分が考案したように「自分の夢」だと言うところに、この人の浅はかさがある。

それはさておき、自民党は、箱崎ふ頭の埋め立ては必要だとする一方で、ロープウエーについては苦言を呈した。どうやら自民党の所属議員のところにも多くの市民から反対意見が届いているようで、中でも問題になっているのが、高島市長が自ら立ち上げた有識者研究会で、WF地区の交通手段について検討している最中に、いきなりロープウエー導入を公約に掲げたこと。さすがにこれには、自民党からも苦言が出た。決議案には反対したが、導入に100%賛成しているわけではないと言いたかったのだろう。一方、野党会派である市民クラブなどは、必要性や採算性などの情報があまりに少なく、議論はこれからというスタンスで、慎重な検討を求める決議案に賛成している。

そもそも、なぜ新交通システムが必要なのか。ここが一番大事なところだが、市は、クルーズ船外国人観光客などの増加を見込み、今月、1000億円とも言われるWF地区の再整備計画を発表した。市の試算によると、将来的には1日約16万人の観光客がWF周辺を行き来する。そのため1時間当たり片道最大2000人~1400人を運べる新交通システムが必要になるという。しかし、それを裏付ける資料は出していない。そこで、観光庁が先月、公表した訪日外国人消費動向調査の結果を見てみた。すると博多港から入国した観光客はすべて中国人。内訳は個人5%、団体ツアー客95%、交通手段は100%貸し切りバスとなっている。目的は第1位が買い物、第2位が飲食。行先は第1位がコスモス薬品などのドラッグストアー、第2位がコンビニとなっている。さて、ドラッグストアーで買い物をするために、ロープーウエーに乗る外国人観光客がどれほどいるだろうか。

というわけで、今後、議会でどのような議論がなされるのか、しっかり見ていかないといけない。議会で反対されたら、また再議ということになるかもしれない。(高島市長ならやりかねない)ちなみに、先の市長選出口調査では、63%の市民がロープーウエーは必要ないと答えている。福岡市は、良識ある市民の意見を聞くことを忘れてはならないだろう。市民生活に直結する問題は置き去りにして、不要不急のものに400億円もの血税を使おうとしているのだから。

 

 

 

大博通りは風の通り道 ここにロープウエー、、(写真手前が博多駅、中央が大博通り 写真:西日本新聞より)

 

 

 

 

 

大博通り(紫色)に平行して走る警固断層南東部(赤表示) 地震が起きたら、、(国土地理院活断層地図より)

 

 

 

 

地盤は軟弱な砂地(ルーペ印) ちなみに陥没事故現場はすぐそば(産総研地質図より)

 

 

 

 

自民党と高島市長との微妙な関係が見え隠れする (12月20日西日本新聞朝刊より)

 

 

 

《関連記事》

3期目の置き土産となるか?実現に向けて進む高島市長の夢・ロープウエー(前) (NETIB-NEWS 2018.12.15)

3期目の置き土産となるか?実現に向けて進む高島市長の夢・ロープウエー(後) (NETIB-NEWS 2018.12.16)

 

《関連資料》

箱崎ふ頭地区の埋立てについて慎重を期すことを求める決議案 

ロープウェイなどのウォーターフロント地区の公共交通アクセス強化の検討に関する決議案

観光庁。訪日外国人消費動向調査(2018.11.16)