18日(土)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。午後1時47分ごろ教室の戸を開けると、玄関が暗い。洋間に入っても暗い。そこでは大野八一雄七段が4面指しを行っていた。初顔氏もいる。Fuj氏はMinamiちゃんに学校の勉強を教えている。Minamiちゃんはこの9か月が勝負だ。
部屋が暗い理由を聞くと、Fuj氏が天井を指す。そこの一部が剥がされ、ビニールが張られていた。先日雨漏りがあり、現在修繕の最中だという。
奥の和室の灯りは大丈夫だ。ここでは植山悦行七段がHanaちゃんらに2面指しを行っていた。
Hanaちゃんの実姉のAkiちゃんは、きょう(18日)女流王座戦の一次予選を戦ったが、竹俣紅女流2級に、武運つたなく敗れた。
Akiちゃんが▲3四飛と横歩を取ったのはさすがだが、そのあとの指し手が冴えなかった。実戦経験に乏しかったようだ。もっとも竹俣女流2級の指し回しも見事で、女流棋戦で横歩取りの将棋が見られるのは珍しく、収穫だった。
きょうは大野七段から教えていただく。部屋は薄暗いが、陽光でギリギリ指せる状態だ。
将棋は私の居飛車。△8五歩に▲7七銀か▲7七角かいつも迷うが、きょうはじっくり指そうと▲7七銀。以下矢倉城を作り、▲8八玉と入城した。矢倉に組んでも8八まで入るのは、私の将棋では珍しい。
私は3三で桂交換をし、それを▲5七桂と据える。次は▲4五歩が狙いで、△同歩▲同桂は銀の両取りだから大野七段は△4二銀の先受けだが、それでも▲4五歩と行った。
大野七段は△5五歩~△7五歩~△8六歩とポンポン突き捨て、猛攻にくる。たびたび書くが、角落ちは受けの勉強である。上手が攻めてきたら、ありがたく受けるようでなければならない。
お客さんがひとり来た。また新人さんだ。植山七段に指導を仰ぐことになったが、「電王戦を見て将棋を指したくなりまして」とか言っている。電王戦のニコニコ生放送はずいぶん観戦者がいたそうだが、こういう将棋ファンの増え方もあるのかと思う。
きょうの生徒はこの9人。スタッフのW氏はいないし、常連のHon氏、Na氏、Ok氏、Ii君らもいない。きょうは異例の日だ。
8六で銀桂交換になり、私の手番。ここで私は▲4七の銀をじっと▲5六銀と上がった。ここは▲4四歩△同銀▲5六桂とか攻めたいのだが、反動がきつい。
私が大野教室で教わったことに、「1.遊び駒を作らない」「2.焦って攻めない」がある。「2」などは面と向かって言われたわけではないが、大野七段の指し手をみれば分かる。この局面、大野七段なら▲5六銀と指すだろうと思った。
実戦は私の優位に進んだようにも見えたのだが、少しずつ駒損をしたのが悪く、投了のやむなきに至った。
終盤は1対1の対局だったので、感想戦は初手から行われた。ここで自身の読み筋を披露し、教えを乞うのだ。
前述の▲5六銀は、
「ここはこの一手でしょう」
と絶賛された。「▲4四歩△同金(銀)▲5六桂もあるけど、それだと戦いになったとき▲4七銀が置いてけぼりになる。▲5六銀は▲6七金とスクラムを組んで、いい形です」。
私はけっこう考えての着手だったが、▲5六銀を第一感で指せるようでなければならない。
ここで終盤の一場面を記す。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2四歩、3二玉、3四歩、4二銀、4三金、4四銀、4五歩、7三桂、8三飛、9一香 持駒:金、銀、歩2
下手・一公:1六歩、1九香、2八飛、3六歩、3七角、5五歩、5六銀、5七桂、6六歩、6七金、7六歩、8七歩、8八玉、8九桂、9七歩、9九香 持駒:金、桂、歩5
(△8三飛まで)
以下の指し手。▲4五桂△4四銀▲5四桂△3一銀▲4二歩△8五桂▲2三歩△7七歩▲同金△同桂成▲同桂△6七歩▲4六角△3五歩▲2四飛△3三金!…以下、大野七段の勝ち。
▲4五桂△4四銀に、私は▲5四桂と打った。しかしこれがトンデモなく重い手で、△3一銀と引かれて不発になった。
「▲5六銀といういい手をを指す人が▲5四桂という手を指すなんて、これが同一人物の指し手かと呆れましたよ」
と大野七段が苦笑する。
「すみません、時々病気が出ちゃいまして…」
▲5四桂では▲5四歩を読んでいたと大野七段。それは私も考えたが、△7三桂取りではないうえに、△5四同金が△4五銀を見てお手伝いのような気がしてやめた。
しかし検討いていくうちに、▲5四歩に代え、▲2三歩が発見された。
「そうだこれがいいですね。本譜でも出てきたし、これがいいでしょう。△2三同玉は▲2五歩△同歩▲2四歩△同玉▲4六角…」
「そうか▲2三歩ですか! 言われてみれば、これが将棋の手という感じですね」
私が深く感心したところで、感想戦もここで終了となった。
(つづく)
部屋が暗い理由を聞くと、Fuj氏が天井を指す。そこの一部が剥がされ、ビニールが張られていた。先日雨漏りがあり、現在修繕の最中だという。
奥の和室の灯りは大丈夫だ。ここでは植山悦行七段がHanaちゃんらに2面指しを行っていた。
Hanaちゃんの実姉のAkiちゃんは、きょう(18日)女流王座戦の一次予選を戦ったが、竹俣紅女流2級に、武運つたなく敗れた。
Akiちゃんが▲3四飛と横歩を取ったのはさすがだが、そのあとの指し手が冴えなかった。実戦経験に乏しかったようだ。もっとも竹俣女流2級の指し回しも見事で、女流棋戦で横歩取りの将棋が見られるのは珍しく、収穫だった。
きょうは大野七段から教えていただく。部屋は薄暗いが、陽光でギリギリ指せる状態だ。
将棋は私の居飛車。△8五歩に▲7七銀か▲7七角かいつも迷うが、きょうはじっくり指そうと▲7七銀。以下矢倉城を作り、▲8八玉と入城した。矢倉に組んでも8八まで入るのは、私の将棋では珍しい。
私は3三で桂交換をし、それを▲5七桂と据える。次は▲4五歩が狙いで、△同歩▲同桂は銀の両取りだから大野七段は△4二銀の先受けだが、それでも▲4五歩と行った。
大野七段は△5五歩~△7五歩~△8六歩とポンポン突き捨て、猛攻にくる。たびたび書くが、角落ちは受けの勉強である。上手が攻めてきたら、ありがたく受けるようでなければならない。
お客さんがひとり来た。また新人さんだ。植山七段に指導を仰ぐことになったが、「電王戦を見て将棋を指したくなりまして」とか言っている。電王戦のニコニコ生放送はずいぶん観戦者がいたそうだが、こういう将棋ファンの増え方もあるのかと思う。
きょうの生徒はこの9人。スタッフのW氏はいないし、常連のHon氏、Na氏、Ok氏、Ii君らもいない。きょうは異例の日だ。
8六で銀桂交換になり、私の手番。ここで私は▲4七の銀をじっと▲5六銀と上がった。ここは▲4四歩△同銀▲5六桂とか攻めたいのだが、反動がきつい。
私が大野教室で教わったことに、「1.遊び駒を作らない」「2.焦って攻めない」がある。「2」などは面と向かって言われたわけではないが、大野七段の指し手をみれば分かる。この局面、大野七段なら▲5六銀と指すだろうと思った。
実戦は私の優位に進んだようにも見えたのだが、少しずつ駒損をしたのが悪く、投了のやむなきに至った。
終盤は1対1の対局だったので、感想戦は初手から行われた。ここで自身の読み筋を披露し、教えを乞うのだ。
前述の▲5六銀は、
「ここはこの一手でしょう」
と絶賛された。「▲4四歩△同金(銀)▲5六桂もあるけど、それだと戦いになったとき▲4七銀が置いてけぼりになる。▲5六銀は▲6七金とスクラムを組んで、いい形です」。
私はけっこう考えての着手だったが、▲5六銀を第一感で指せるようでなければならない。
ここで終盤の一場面を記す。
上手(角落ち)・大野七段:1一香、1四歩、2四歩、3二玉、3四歩、4二銀、4三金、4四銀、4五歩、7三桂、8三飛、9一香 持駒:金、銀、歩2
下手・一公:1六歩、1九香、2八飛、3六歩、3七角、5五歩、5六銀、5七桂、6六歩、6七金、7六歩、8七歩、8八玉、8九桂、9七歩、9九香 持駒:金、桂、歩5
(△8三飛まで)
以下の指し手。▲4五桂△4四銀▲5四桂△3一銀▲4二歩△8五桂▲2三歩△7七歩▲同金△同桂成▲同桂△6七歩▲4六角△3五歩▲2四飛△3三金!…以下、大野七段の勝ち。
▲4五桂△4四銀に、私は▲5四桂と打った。しかしこれがトンデモなく重い手で、△3一銀と引かれて不発になった。
「▲5六銀といういい手をを指す人が▲5四桂という手を指すなんて、これが同一人物の指し手かと呆れましたよ」
と大野七段が苦笑する。
「すみません、時々病気が出ちゃいまして…」
▲5四桂では▲5四歩を読んでいたと大野七段。それは私も考えたが、△7三桂取りではないうえに、△5四同金が△4五銀を見てお手伝いのような気がしてやめた。
しかし検討いていくうちに、▲5四歩に代え、▲2三歩が発見された。
「そうだこれがいいですね。本譜でも出てきたし、これがいいでしょう。△2三同玉は▲2五歩△同歩▲2四歩△同玉▲4六角…」
「そうか▲2三歩ですか! 言われてみれば、これが将棋の手という感じですね」
私が深く感心したところで、感想戦もここで終了となった。
(つづく)
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