一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ関東交流会2017(後編)

2017-06-03 01:13:16 | 将棋ペンクラブ
すでに午後1時40分になっているが、会員の入りはいまひとつだ。今年は常連も何人か見えないし、幹事もHak氏の姿がない。
上野裕和五段と井道千尋女流初段が戻ってきた。井道女流初段を間近で見ると、やはり彼女に教わればよかったかと思う。
「やっぱり井道ちゃんがよかったかなあ」
私は幹事のA氏につぶやく。
「何言っているんですか、上野先生でいいでしょう」
後方ではOk氏がスマホを持っている。
「上野さんとの対局になったら、大沢さんを撮っといてやりますよ」
「頭上からはやめてね、髪の薄さが目立つから。…あっ!」
上野五段に聞こえたかもしれない。
ともあれ指導対局である。私のほかにはKun氏、Tag氏が臨む。手合いはそれぞれ角、角、飛車である。
上野五段がカードを取り出す。天使の絵、子供の絵、赤鬼の絵で、これは下手が上手の力加減を選べるのだ。私は「鬼」、Kun氏は「超鬼」、Tag氏が「天使」を所望し、対局開始となった。
私は▲2五飛戦法。Kun氏は飛車を振り、Tag氏は飛車落ち定跡となった。
私は序盤で1歩得し、指しやすくなった。すると上野五段が指し手の合間にパソコンに向かう。これがもう一つのファンサービスで、棋譜入力をしてくれるのだ。
私は中、終盤も手堅く指し、何とか勝つことができた。この模様は「将棋ペン倶楽部」に投稿する予定である。
これで4勝2敗。大野教室での体たらくを思えば、2つ勝ち越しは出来すぎである。
続いて会員のおじさんともう一局。時間的に、これが最後となろう。
これは矢倉風味の相居飛車となったが、おじさんが時間を使わずに指すので、私も合わせる。
そこへ鈴木大介九段が現れた。スーツ姿の私を見て何か言いたそうだったが、知己ではないので、私は目礼するのみだ。
そこで湯川博士幹事から、今日はLPSAのパーティーがあり、そこへ向かう人も多いので、懇親会は3時半から行う旨が告知された。
おじさんとの将棋は、私の勝ち。最後はけっこう追い込まれたが、キッチリ1手勝ちした。
鈴木九段は二面指しを行っていた。ケツが決まっているので、30分の早指しである。
対局者のひとりはOk氏で、さすがに熱い。スマホを渡されて、記念に写真を撮った。
テーブルを運んで戻ってきたら、Ok氏は大駒をぶった切り、▲5三桂成(第1図)まで。やっぱりOk流が炸裂していた。

上野五段と井道女流初段の指導対局は続いている。井道女流初段のちょっと澄ました横顔がいい。
鈴木九段の将棋は進み、Ok氏が上手玉を追い込んだ。
あとは鈴木九段が下手玉を詰ますしかない。△6七歩成から清算して、△5五桂▲6六玉(第2図)。

ここは▲5六玉と上がってどうだったかと思うが、ともあれ第2図から△6八飛▲5六玉△4六金▲同玉△4八飛成(投了図)まで、Ok氏の投了。見事30分以内で終わった。

しかし投了図から▲5六玉と寄ったら、どう詰ませるのだろう。△3八角▲4七歩。ここでA△同竜は▲6五玉だからB△同角成とする。以下▲4五玉△3六馬▲3四玉△4三銀▲3三玉△3二金▲2四玉(参考1図)は打ち歩詰め?

いや以下△3五馬!!!(参考2図)

▲同玉△3四歩▲3六玉△4七竜▲2五玉△4五竜▲2四玉△3五竜(参考3図)まで、詰み!?

これが最善の進行かどうかは分からないがOk氏、どうせなら最後はもう少し粘ってもらいたかった。

さて、ここから懇親会である。ちょっとテーブルが少なかったが、今年は参加人数も40人ぐらいだったので、何とか足りた。私の向かいにはTag氏とバトルロイヤル風間氏、右にはブルーベリー氏が座った。
まずは将棋の成績発表だが、今年はNi氏が7勝で優勝。私は5勝で2位タイだった(3位だったかもしれない)。私はNi氏との直接対決で敗れたのが痛かった。
もっとも入賞と景品はほとんど関係なく、名前を呼ばれた順番から、色紙や棋書を選べる。私は2番目だから余裕である。中原誠十六世名人など一流棋士の色紙が並べられていたが、私は井道女流初段の色紙「希望」をいただいた。今の私にふさわしい言葉ではないか。
Tag氏は河口俊彦氏の「新・対局日誌」全8巻を入手し興奮の面持ちだ。「何でみんな持ってかないんだろ」。
いや対局日誌はおもしろいが、8冊全部は荷物になる。色紙が手軽でいいのだ。
会員が賞品を受け取り、上野五段、井道女流初段が挨拶を行う。上野五段は、プリンタの調子がわるく、指導対局の記譜が出力できないとのこと。また井道女流初段は会員の棋力を讃えたが、所用があって、これで退席した。
さらに鈴木九段も挨拶。今いる棋士はこの3人で、やや少ない。
最後に木村晋介会長の挨拶があり、同時に乾杯となった。
たまたま周りに知った顔が揃ったので、話が弾む。最近は藤井聡太四段の活躍で将棋界もニュースが多いが、もし「週刊将棋」が健在なら、バトル氏の4コママンガが冴えただろう。
それをバトル氏に言ったら、バトル氏が口頭で藤井聡太ネタを教えてくれた。
窪田義行六段が見えたので、早速挨拶してもらう。窪田六段はペンクラブを応援してくれており、当会のヒーローなのだ。
私の前にはポップコーンの大袋がある。他の席にもおつまみやポテトチップがあるのだが、私はポップコーンを頬張る。これから銀座で豪華な食事にありつけるのに、これで腹を満たしていいのだろうか。
バトル氏は請われ、似顔絵を描きに「出張」してしまった。お疲れ様である。
青年氏が向かいに座る。さっきの指導対局で、あとから私の左に入った人だ。四枚落ちの天使モードで、果敢に攻めて勝勢になっていた。
私のブログは知らなかったようで、室谷由紀女流二段の画像が載った記事を見せたら、室谷女流二段の美しさにいたく感激していた。
青年氏もカメラをやるそうなので、いい写真を撮ってアップしてくれたらうれしい。
鈴木九段はLPSAのパーティーに向かうため、ここで中座となった。
上野五段が再びマイクの前に立つ。プリンタが直ったので、順次出力するとのこと。後に私もいただいたが、好手が丸で囲ってあって、その配慮がありがたかった。
湯川博士幹事が見える。相変わらずの鬼瓦だが、氏の著書である「奇襲大全」が文庫化され売れ行き好調のようで、機嫌はよさそう。
「オレもね、昔はゴーストライターの話が来たよ。だけど断った。自分の名前で本を出せなかったら、何の意味があるんだ、ギャオワッ‼」
おおー、湯川節は健在である。
もっと話を聞きたいが、時刻は5時半にならんとしている。銀座のLPSAパーティーは6時30分開演なので、いまから出れば間に合う。そろそろ出ようかという時、犬塚氏の放送が入った。
今年は参加者が少なかったので、さらに棋書を1冊ずつ持って行ってもいい、とのことだった。私は森けい二九段の「中飛車好局集」をいただき、将棋会館を後にした。
今年も楽しい「オフ会」だった。

   ◇

この交流会の8日後、中野隆義さんは急逝された。
団鬼六さんや二上達也名誉会長に呼ばれてしまったのかもしれない。
心よりご冥福をお祈りいたします。

コメント (2)
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