一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

8月20日の大野・植山教室ファイナル(1)

2016-08-22 19:56:42 | 大野・植山教室
昨日の全国高校野球決勝戦は、作新学院7-1北海で、作新学院の勝ち! 54年ぶりのうれしい優勝となった。北海高校は残念だったが、準優勝は誇れる成績である。両校とも、お疲れさまでした。渡部愛女流初段も、お疲れさまでした。


20日(土)は午前中、自家用車に乗ったのだが、このクルマは久しぶりの運転だったので感覚が掴めず、車庫出しの時、右の軽トラックに接触してしまった。バンパーを激しく壊してしまい、取り返しのつかないことになってしまった。

このまま家にいても陰鬱になるので、午後から「大野・植山教室」に行った。1時20分ごろに教室に入る。と、ほぼ同時に見知らぬおっちゃんも2人入ってきた。
ここに来る途中で私が抜かしてきた人だ。大野八一雄七段はうち1人を知っていた。1年前にここを訪れた人で、その人が新規の友人を連れてきたというわけだった。
今日のほかの生徒は、Taga氏、E氏、Ok氏に、Homma君、S君、Sar君ら。見知らぬお母さんがいたが、新規の小学生の付き添いだった。こうして大野・植山教室は、ますます発展していく。
なお、今日はFuj氏が休みとのこと。私はまず、大野七段に教わることにした。

第1図までの指し手。△5四歩▲7六歩△6二銀▲5六歩△5三銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲2四歩△同歩▲同飛△5二金右▲3六歩△4二金上▲4八銀△6四歩▲3七桂△2三歩▲2八飛
△8四歩▲4五桂△4四銀▲4六歩△8五歩▲7八銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲5七銀△6三金▲6八玉△7四金(第1図)

右ではE氏が飛車落ちで挑んでいた。駒の損得はないのだが、下手の角の頭には△8六歩が垂れ、飛車の近くにはと金が出来ている。
大野七段△4六桂と金取りに打つ。駒の効率が違い過ぎて、どう見ても上手必勝である。E氏、▲5五銀と角を取ったが、それを△同歩と取ったのが大野七段の小ミスだった。▲3五角と△6二への王手を打たれ、△5三銀に▲4六角と、打ったばかりの桂を取られてしまったからだ。△5五同歩では△5八桂成▲同金を挟むべきだった。
とはいえ大野七段の勝勢に変わりはない。それまでの差が開きすぎていた。
さて本局。相居飛車はいつものこととして、久しぶりに▲3七桂の早跳ねをやってみた。
しかし△8五歩に▲7八銀と上がったのがミス。▲7八金と上がらねばならなかった。

第1図以下の指し手。▲7七桂△9四歩▲6六銀△6二飛▲8六歩△6五歩▲5七銀△8二飛▲8七銀△6四金▲7八金(第2図)

次に△6五金と出られたら終わる。▲7七銀には△8七飛成があるからだ。それを防いで▲7七桂と跳んだが、こんな手を指さざるを得ないようでは失敗だ。ちなみにふつうに▲7八金と上がっていれば、△7四金に▲6八銀△8五金▲7七銀が間に合っていた。
私は▲6六銀と上がったが、これも疑問。というのは、▲7五銀△同金▲同歩でも、▲7五歩△8四金でも、7六の地点が空くと、△4五銀~△7六桂が生じるからだ。どこまでいっても▲7八銀の罪が大きいのである。
大野七段は△6二飛。私はすぐに▲8六歩と突く。△6五歩▲5七銀で撤退を余儀なくされたが、これは構わない。
△8二飛に▲8七銀と上がり、悪形が解消できて、とりあえずホッとした。

第2図以下の指し手。△9三桂▲9六歩△8五歩▲同歩△同桂▲8六歩△7七桂成▲同角△1四歩▲1六歩△8一飛▲5八金△7四歩▲2四歩△同歩▲同飛(第3図)

私の右にはS君が入った。手合いは香落ち。研修会員のS君らしい要望である。
将棋は相振り飛車になった。居飛車党のS君が飛車を振るとは珍しいが、これなら端攻めをされる心配がない。が、自分の得意(居飛車)も封じてしまって、この取引は果たして得をしているのか?
S君はよく考えたほうがいいと思う。
本局――。大野七段は△9三桂と跳ねた。私は端を突いて待ち、大野七段は△8五歩。以下桂交換になったが、私は負担の桂が捌け角にも陽が当たって、ずいぶん視界が開けた。さっきの閉塞感を思えば夢のようである。
△7四歩は、次に△7五歩▲同歩△7六歩▲同銀△8四桂を狙っている。
ぐずぐずできない私は、▲2四歩と合わせた。

第3図以下の指し手。△6六歩▲同角△5五歩▲同歩△2三歩▲2九飛△5五金▲同角△同銀▲2四歩△同歩▲2三歩△5六歩▲4八銀△4四歩▲3五桂△2五桂(第4図)

▲2四同飛は、△2三歩なら▲4四飛△同歩▲同角のネライ。しかし駒損の攻めだし単調なので、こう進んでも自信はない。
「なんかダサイ攻めだけど…」
と私がつぶやくと、大野七段は
「イヤイヤ…(けっこうイヤな攻めですよ)」
と返し、△6六歩と紛れを求めて来た。△2三歩▲2九飛に、△5五金。私はよろこんで▲同角と取る。さっきまで蟄居していた角だから、金と交換になるならオンの字だ。
△5五同銀に▲5六歩は、△同銀▲同銀△3八角を心配した。もっとも、▲5六歩に△4四銀と引かれてもおもしろくない。そもそも5筋の歩は、5四に打ちたいのだ。
それで、▲2四歩と突き捨て、▲2三歩と垂らした。
実はこの手に明確な読みがあったわけではない。こう指したら上手が嫌がるんじゃないか、と思ったのだ。よって、△2三同玉と図々しく取られたら、継続の手が分からなかった。
大野七段は△5六歩を利かして△4四歩。玉の懐を拡げつつ桂取りで、実はこう指してくると思った。
私は▲3五桂と置き駒を増やす。次の狙いは▲2二金△同銀▲同歩成△同玉▲2四飛だ。
ここ、たんに▲2四飛は、△1三角が気になった。何かの時の△4六角が王手になる。▲3五桂はその角の利きを前もって遮った意味もある。
大野七段は△2五桂と飛車走りを防いだが、実はこの手も読みの内だった。

(つづく)
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