いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

安定化する北東アジア情勢

2006年10月17日 20時29分56秒 | 日本事情


浅草寺 仲見世にて


■例えば、たまたまみたブログでは、北朝鮮を非合理的と恐怖している。そうだろうか?

負け犬は通訳を目指す; 行動の根拠が合理的でない国と隣国であることの難しさ (現在リンク切れ)


中国、韓国、北朝鮮とのつきあいには、難しいものがありますね。中でも、行動原理が合理的とは思えない北朝鮮と海を隔てて隣国であるというのは、本当に悩ましいものがあります。ナントカに刃物、みたいなものですからね。CNNでは、北朝鮮が核を持ったら、アルカイダ等のテロリスト・グループに兵器を売却して、のどから手が出るほどほしい外貨収入を得ようとするのではないか、とコメントしていました。でも、11月に中間選挙を控えており、それでなくてもイラク情勢の悪化やらスキャンダルやらで慎重な姿勢にならざるを得ないアメリカが、積極的に対応するでしょうか。WBS(ワールド・ビジネス・サテライト)では、「(国連安保理では、決議採択で足並みが揃わないことが予測されるので)アメリカと日本の有志連合でもいいから、制裁を行うべきだ」という専門家のコメントがありましたが・・・。ミサイル発射のときに、非難決議を採択しても、北朝鮮の行動の歯止めにはなりませんでした。どういう風に事態が推移していくのか、どういう解決があり得るのか。自分で解決策を考え出す力はないけれど、注目して見守っています。


安倍ちゃんでさえ、総理になる前、北朝鮮に行って直接キムさんに会ったあと、キムさんは「合理的」判断をする人、とコメントしている。この「合理」的とは、損得勘定から外れない生き方をする、というぐらいの意味だろう。

今回の「核実験」こそ、極めて合理的な国家理性が遂行したものである。ただおしむらくは規模と内容がちゃちいことであった。残念! 今度の核実験で相対的に一番腹に据えかねているのは北京政府にほかならない。なぜなら、北朝鮮の核ミサイルが北京を襲撃することが可能になったからである。北京政府も北朝鮮と心中するのはいやなので、今後は懐柔策に出るだろう。

相対的といったのは、絶対的脅威や被害は日本が蒙るものが一番である。ただし、日本人は「平和を愛する諸国民」の良心に依存し、国家理性など持たない、平和のためなら亡国もありという解脱状況にあることはいうまでもないので、問題ない。お悟り申し上げている方々へは、つける薬はない。

今回の核実験で北朝鮮は、やっと国家の錨を沈め始めたといえる。浮遊状態から安定へと向かう。米国は中共やソ連はどんなに民主制や人権問題に悖る国家であると認識しても、核兵器をもっていたから、民主化を武力で実現しないし、しなかった。イラクは弱かったから、めでたく!侵攻されて、民主化されたのだし、なにより、米国、特にネオコン、は日本は原爆で民主化されてよかったという価値観で現在生きている。

そういう環境で核兵器の保有こそ国家の「自存自衛」のため合理的である。

何も、アジア解放!と大義を掲げ、米国の保護国・日本を解放しよう!アジアを支配する白人帝国主義!米国をアジアから追い出そう!と真珠湾、じゃなくて、横田や沖縄に奇襲攻撃を、それこそお釈迦様が悟りをひらかれた日の未明に、するわけでもないのである。

そもそも、北朝鮮の核開発なぞ、毛唐あっ、もとい、KEDOなど米国の承認と支援でなされてきたものである。

今後5-10年は、北朝鮮の核ミサイルをやっかいだなぁと思う日米中がそれなりに安定して協調していくだろう。「村社会はならず者を一匹飼って、その管理を軸に結束するだろう!」。日本も米国からミサイル防衛兵器だのなんだの、基地維持費だの何だの出費するだろう。ただそれだけのことだ。

一方、韓国では次の大統領は保守派となるだろう。韓国国民はノムヒョンの左翼民族路線に嫌気がさしている。保守派の韓国大統領は、もちろん、太陽政策などやめて、南北朝鮮冷戦状況をやむなしとするだろう。日米に対する喧嘩腰の現在の態度も変わる。

日本政府は核武装をしないことを明言、かつ総理補佐官の小池百合子は、日本は核武装していないからこそ、日米安保が重要である、と米国の核の傘にすがりつく、これまた極めて合理的な、対米すがりつき路線を改めて明言。

一方、ついはねあがってしまった、昭一センセには、なんと米国大統領がじきじきに、日本の核武装を憂慮する中国を理解する、(*1)とクギをさした。トラの尾を踏んだキタキツネ。昭一センセ、ションベンちびったかも。

●さて、合理的なバカ、をどうするということこそ近代最大の難問であることはいうまでもない。

▼考えられるシナリオで、実現性の低いのが、米中による北朝鮮転覆である。米国が侵攻して、中国が黙認する。でも、イラクで事実上負けた民主教の米国はためらってできないのだろう。できることといえば、せいぜい日本の核武装を牽制することである。

なんて へたれ なんだ! ネオコン!


 *1; 米大統領が日本の核武装論に言及、中国の懸念に理解

【ワシントン=五十嵐文】ブッシュ米大統領は16日の米FOXテレビとのインタビューで、北朝鮮の地下核実験実施に関連し、「(核兵器に関する)立場を再検討しているという日本側発言を、中国が懸念していることを知っている」と述べた。

 自民党の中川昭一政調会長が、日本の核保有に関する議論があっていいと述べたことなどを念頭に置いた発言と見られる。

 大統領は、「中国は、北朝鮮の核保有を深く懸念している。北朝鮮から自らを守るために、近隣諸国が軍拡に走ることも懸念している」と指摘。

 北朝鮮の核実験が日本の核武装を促し、東アジアの核開発競争につながりかねない、との中国側の認識に一定の理解を示した。

 米国内では、日本の核武装を警戒する声が米メディアや専門家の間で広がっているが、大統領が北朝鮮の核実験実施を踏まえて日本の核保有論について言及するのは初めて。

(2006年10月17日19時28分 読売新聞)


 
ヒグマ       キツネ








最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。