- - 公式訪問の折、皇居で天皇皇后主催の昼食会が開かれた。かつて神として祭られた天皇と向かい合い語り合ったひとときは私の人生において忘れ難いものである。日本軍が占領した三年半の間、天皇は神であった。私は四十三年から一年間シンガポールの日本軍報道部で働いたが、その間何度となく深々と頭を下げ東京の皇居遥拝をさせられたものだ。いまその人物が私と妻の前にいるのだ。小柄でほっそりとした猫背の体。友好的で丁寧で、低い声でささやくように話す。天皇はまったくいかなる害も及ぼさないような人のようにみえた。我々は儀典官に導かれ天皇皇后と一緒に写真を撮った。そのあと座っていろいろと言葉を交わす中で、天皇は突然、戦争中シンガポール国民の味わった苦難に対して遺憾の意を述べたのであった。私は黙って頷いた。心の準備ができていなかったのだ。沈黙を保つのが一番いいと思った。 - -
『リー・クアンユー回顧録』
追記;
昭南神社は、四十五年八月二十五日、昇神祭を行い、同夜、暁部隊が用意した船で海へ出て、神体の鏡と連隊旗、そして、山下奉文が天皇から受領し、昭南神社に寄贈、神宝とされていた月山定勝銘の刀二振りを海に沈め、社殿は、軍自ら忠霊碑と共に爆破破壊し、わずか二年でその存在が消滅した。
- 「昭和の戦争記念館」、辻子実『侵略神社』から孫引き。 -
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リー・クアンユーセンセは御存命である。雑誌TIMEの最新号はSingapore's New Lookと題し、North Carolinaからきた家族5人+犬の写真を表紙に掲載している。
「シンガポールはより多くの外国人を求めている」
記事によると、リークアンユーセンセの年頭の挨拶つまりはシンガポールの国家方針演説では、;
Lee spoke dryly of free-trade agreement and strengthening economic ties with the region. But then he started talking about art exhibitions, jazz bands, museums and alfresco dining.
だそうだ。がんばれシンガポール!
国家の大局・施政方針で、alfresco dining!
それより、大カジノ構想が実現の途にあるとのこと。
*者の楽園になるだろ。
alfresco dining!
でも、よーく考えよう。
そういえば、昔からやってんだ。
alfresco dining!
恐るべし!シンガポール! リー・クアンユー大宰相!