今日は東京はいいお天気でした。朝夕はまだ寒いですが。札幌は東京と同じくらい暖かかったそうですね。
今夜21時のNHKニュースは検疫の様子を伝えていましたが「冷静な対応」を国民に期待するのは無理じゃないか～と思わざるをえないもので、続けて「テキサスの1歳児が死亡」、「さいたま市は明日から市立の学校で全員検温をはじめる」というニュースが冒頭で並んでいました。 “リスコミ”ウォッチとしてはめまい続きです、が前向きに学習ネタにいたしましょう。
さいたま市は調べてどうするんでしょうね？次なるアクションはアルゴリズムがあるんでしょうか。 混乱のサンプルのように感じます（個人的感想）。
（将来のためにに記録しておきましょう）
適当なことをしたり言うと親も黙っていない時代です。
優先順位の高くないことにマンパワーをさくと本来やるべきことが疲弊します。
「マニュアルにあるから思考停止」だとしたらマニュアルって怖い。
「発熱原因（鑑別）リスト」とか念頭にあるんでしょうか。微妙な体温のときはどうするんでしょうね～。
今回のこととは別に、感染症診療の基本を皆で浸透させるようがんばりたいですね！
「1歳児死亡」ですが、ニュースでは部分的な情報しか言わないので「きゃー赤ちゃんが新型インフルで死んじゃった！」という不安を感じる方もいるのではないかと思いました。
まず常識的なところから。
日本でも毎シーズンインフルエンザに感染して死亡する例は一定数報告されます。
たとえば昨年52週（12月最後の週）に報告された2例の急性脳炎の死亡例はインフルエンザが原因でした（6歳児と3歳児）。呼吸器感染症ですが脳炎で死亡することもあるんですね。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2008d/52douko.html
子どもがインフルエンザの影響を最も受けることは医療者ならば常識です。
（死亡が多いのは高齢者）
そして新型じゃなくてもインフルエンザでヒトは死にます。
米国はこども（18歳以下）のインフルエンザに関連した死亡動向を2004－2005年シーズンから正式にまとめています。 National Notifiable Diseases Surveillance System (NNDSS)というシステムです。
比較的最近なんですね。
現在公開されている新しいデータは2007－2008年シーズンのもの。
2003－2004年シーズンでは153名の死亡がCDCに報告されています。
2004－2005年シーズンでは47名が国のシステムの中で報告されました。
2005－2006年シーズンでは46名
2006－2007年シーズンでは76名
2007－2008年シーズンについては、2008年6月14日の時点では83名が報告されています。
http://www.cdc.gov/flu/about/qa/season.htm
通常インフルエンザのNICUでの院内アウトブレイクも時々報告されます。
薬やワクチンの考え方を知りました。このあたりがまだ編集部でも理解不足です。小児科の先生にきいてみようとおもいます。
Journal of Perinatology (2006) 26, 772–776.
Influenza in the neonatal intensive care unit
http://www.nature.com/jp/journal/v26/n12/full/7211625a.html
感染症の数字を見るときに必須なのは「ベースライン」（いつもの季節の、その人たちの発生動向）はどれくらい？です。
ベースライン値（を見る目）があるから異常にも気づけるんですね。
図は東京都の2009年1月の季節性インフルエンザの流行曲線です。年によって流行開始時期やピークがちがいますし、いろいろなことをこのグラフから読めます。
ふだんの数字が大切だなあ・・・と思いませんか？
感染症の発生動向はお忙しい現場ではたいへんな作業かと思いますが、報告対象疾患の保健所への報告をぜひよろしくおねがいします。
子どもや病人を守るべき医療者の多くがインフルエンザワクチンをスキップしている、、のほうがニュースとしては怖いです（2008年10月 USA Today)
http://www.usatoday.com/news/health/2008-10-16-flu-shot_N.htm
ハンタウイルスとかエボラ出血熱なら１例でも感染症的大問題ですが。
今夜21時のNHKニュースは検疫の様子を伝えていましたが「冷静な対応」を国民に期待するのは無理じゃないか～と思わざるをえないもので、続けて「テキサスの1歳児が死亡」、「さいたま市は明日から市立の学校で全員検温をはじめる」というニュースが冒頭で並んでいました。 “リスコミ”ウォッチとしてはめまい続きです、が前向きに学習ネタにいたしましょう。
さいたま市は調べてどうするんでしょうね？次なるアクションはアルゴリズムがあるんでしょうか。 混乱のサンプルのように感じます（個人的感想）。
（将来のためにに記録しておきましょう）
適当なことをしたり言うと親も黙っていない時代です。
優先順位の高くないことにマンパワーをさくと本来やるべきことが疲弊します。
「マニュアルにあるから思考停止」だとしたらマニュアルって怖い。
「発熱原因（鑑別）リスト」とか念頭にあるんでしょうか。微妙な体温のときはどうするんでしょうね～。
今回のこととは別に、感染症診療の基本を皆で浸透させるようがんばりたいですね！
「1歳児死亡」ですが、ニュースでは部分的な情報しか言わないので「きゃー赤ちゃんが新型インフルで死んじゃった！」という不安を感じる方もいるのではないかと思いました。
まず常識的なところから。
日本でも毎シーズンインフルエンザに感染して死亡する例は一定数報告されます。
たとえば昨年52週（12月最後の週）に報告された2例の急性脳炎の死亡例はインフルエンザが原因でした（6歳児と3歳児）。呼吸器感染症ですが脳炎で死亡することもあるんですね。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2008d/52douko.html
子どもがインフルエンザの影響を最も受けることは医療者ならば常識です。
（死亡が多いのは高齢者）
そして新型じゃなくてもインフルエンザでヒトは死にます。
米国はこども（18歳以下）のインフルエンザに関連した死亡動向を2004－2005年シーズンから正式にまとめています。 National Notifiable Diseases Surveillance System (NNDSS)というシステムです。
比較的最近なんですね。
現在公開されている新しいデータは2007－2008年シーズンのもの。
2003－2004年シーズンでは153名の死亡がCDCに報告されています。
2004－2005年シーズンでは47名が国のシステムの中で報告されました。
2005－2006年シーズンでは46名
2006－2007年シーズンでは76名
2007－2008年シーズンについては、2008年6月14日の時点では83名が報告されています。
http://www.cdc.gov/flu/about/qa/season.htm
通常インフルエンザのNICUでの院内アウトブレイクも時々報告されます。
薬やワクチンの考え方を知りました。このあたりがまだ編集部でも理解不足です。小児科の先生にきいてみようとおもいます。
Journal of Perinatology (2006) 26, 772–776.
Influenza in the neonatal intensive care unit
http://www.nature.com/jp/journal/v26/n12/full/7211625a.html
感染症の数字を見るときに必須なのは「ベースライン」（いつもの季節の、その人たちの発生動向）はどれくらい？です。
ベースライン値（を見る目）があるから異常にも気づけるんですね。
図は東京都の2009年1月の季節性インフルエンザの流行曲線です。年によって流行開始時期やピークがちがいますし、いろいろなことをこのグラフから読めます。
ふだんの数字が大切だなあ・・・と思いませんか？
感染症の発生動向はお忙しい現場ではたいへんな作業かと思いますが、報告対象疾患の保健所への報告をぜひよろしくおねがいします。
子どもや病人を守るべき医療者の多くがインフルエンザワクチンをスキップしている、、のほうがニュースとしては怖いです（2008年10月 USA Today)
http://www.usatoday.com/news/health/2008-10-16-flu-shot_N.htm
ハンタウイルスとかエボラ出血熱なら１例でも感染症的大問題ですが。
ありがとうございます。