感染症診療の原則

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キノロン系のアキレス腱

2016-05-14 | 青木語録
編集長に送られてくるMed pageという情報から以下のようなメールが昨日、来ました。

FDA: Avoid Cipro, Similar Drugs for Common Infections
Agency says risks outweigh benefits

(FDAはCiprofloxacinを始めとするFQを良くある他の抗菌薬でも治療可能な感染症に使うな・・というMessageを出した。FQによる副作用は使用によるメリットよりも遙かに問題が大きい・・)

http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/GeneralInfectiousDisease/57872?isalert=1&uun=g975415d5025R7506775u&xid=NL_breakingnews_2016-05-12

These side effects can involve the tendons, muscles, joints, nerves, and central nervous system," the FDA said.
(FDAによれば副作用が生じるのは腱、筋、関節、神経、中枢神経系など)

The panel agreed that the balance was unfavorable for sinusitis, bronchitis, and other common conditions for which multiple treatment options exist.
(勿論、他に代替抗菌薬が無いならば仕方がないけれど、副鼻腔炎、気管支炎、などには使わないで・・)

編集長が10年以上続けた抗菌薬の講義では、下記のようなMessagega・・

最重要ポイント:カルバペネム系同様に本抗菌薬が「適応となる臨床状況」が非常に限られている事を理解し乱用を避ける事である。
“Use it and lose it”


Medical letterが認める第1選択薬適応
赤痢、サルモネラ菌感染症
感受性の淋菌感染症
緑膿菌尿路感染症
レジオネラ感染症
The Med Letter : Aug 20, 2001 Vol. 43
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