感染症診療の原則

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誰に狂犬病の検査をすすめるか

2006-11-19 | HIV:誰に検査をすすめるか
<ブログ編集部です>感染症のニュースから。
フィリピンで犬に噛まれた狂犬病の症例について情報が公開されていました。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/11/h1117-4.html
ヒトーヒト感染はしないのに、念のため患者と接触のあった人を調べるというニュースが18日の午前にネットのニュースになっていました。

編集部員「これはかえって一般人の不安をあおりませんか編集長?」
青木編集長「そんなまともすぎることは聞くんじゃないよキミ」
編集部員「検査するっていっても誰に検査をすすめるんでしょう?HIVのようにクリアじゃないですよね?」
青木編集部長「だから適切すぎる質問はしないでくれたまえ」

編集長によりますと、昔住んでいたケンタッキーのみならず、ご自宅のある練馬区でも夕方窓をあけているとバサバサとコウモリが部屋に入ってきたのだそうです(こ、怖い)。

なぜコウモリの話を書くかといいますと、狂犬病に関係があるからです。
今週、駒込病院感染症科でワクチン外来を担当されているの菅沼先生からいただいた資料によりますと、「2003年の米国における狂犬病感染動物7170」のうち、1位がアライグマ(36.7%)、2位スカンク(29.4%)、3位がコウモリ(16.9%)、狐(6.4%)、ネコ(4.5%)、イヌ(1.6%)とのことです。
コウモリが部屋に入ってきてバサバサっと子供などにおそいかかってきたとき、曝露前提でワクチン、とのことです。
http://www.cdc.gov/ncidod/dvrd/rabies/bats_&_rabies/bats&.htm

菅沼先生がくださった抜刷りは
「Modern Physician」2005年5月号ーこれだけは知っておきたい国際感染症各論ー
531-536ページ『いま国内にない感染症「狂犬病・リッサウイルス」』
http://shinkoh-igaku.jp/mokuroku/data/2505.html
です。ありがとうございました。
追記;ビジュアル教材「Rabies」
http://www.vaccineinformation.org/video/index.asp
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