麻疹は1000人に1人という高い確率で重篤になる怖い感染症です。
このため、「ワクチンはあまりさせたくないが麻疹の予防接種だけはしています」という人にもよくあいます。
世界で毎年たくさんの子どもが死亡し、その70%は東南アジアでおきていると推計されています。
リゾート旅行などでお手軽な東南アジアですが、まだワクチンを接種していない子どもを流行している地域につれていくのはとても怖いことです。(ちょっと前まで日本がその状態だったわけですが)
接種率ではなく、死亡減少が対策目標にあがる、重い感染症です。
「世界の麻疹死亡、2000~2008年」(Vol. 31 p. 57-58: 2010年2月号)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/31/360/fr3601.html
日本の症例
2007年 ワクチン未接種で麻疹脳炎に罹患し、重篤な経過をたどった13歳女児例
2003年 麻疹罹患後、急性脳炎で死亡した成人女性例
ワクチンが2006年から世界標準の2回接種になりましたので、1歳と就学時に接種した子もいますし、臨時で中1と高3で接種している人たちもよいとして、その他には2回接種ではない人たちがいます。
そのことを忘れてはいけませんし、世界はMMRの2回うちなのに、日本はMRになってしまっており、ムンプスの免疫を持っていない人たちの集積が今後の問題につながることは想像に難くありません。
今でも、各地で水痘と同じくらい流行していたりします。
(そして保護者には任意接種ワクチンの情報がいきわたっておらず、公費の支援のない地域がたくさんあります)
麻疹ですが、基礎疾患などの理由でワクチンを接種できない人が一定数いますので、社会全体で高い接種率(95%以上)を維持していないと、もちこみ症例(県外・海外からの輸入)などがきっかけとなり、集団発生につながることがあります。
麻疹排除は各国の目標になっており、すでに達成した先進国もあるのですが、ときどきアウトブレイクがおきたりしており、疫学調査をするとそこに特別な考えをもった親のかたまりがあたり、副作用説(デマですが)を恐れて接種を控えている親のかたまりが把握されます。
接種率は高く維持されなくてはならないなかで、「自閉症の原因だ」という説がこの「躊躇群・アンチ群」をつくっていました。その元になった論文がこのたび捏造ということで「刑事責任を問え」という話になっています。
ワクチン接種で自閉症はでっちあげ、英医学誌が結論(1月8日 CNN)
先進国なのにMMRワクチンがない日本(!)、しかも自閉症は増加している、というグラフがあって、これは海外の専門家の間でよく引用されています。
「ほら、カンケーないだろ?」。痛い・・・。
いずれにしても、これで接種率回復につながるか。モニタリングが重要です。
この話題をどう活用して啓発まきかえしをしていくか。
反ワクチン活動は各国にあります。
難しいのは、最初は自閉症不安だわ・・といったところからはじまったのに、いつのまにか予防接種を攻撃する活動が第一義的な目的にすりかわってしまっていたり、ライフワーク化してそこに高揚感のある人・それで講演料をもらうことの日常化している人までいる現実では、なかなかこうした運動を解体していくのはたいへんだということです。
昔のオウム、ちょっと前のホメオパシーもそうでしたが、周りから批判や非難をされ、理屈で説得をされても「いまさらひけない」状況の中では、一定の人たちは主旨や考えをかえないかもしれません。
「歴史をみると、正しいことは社会になかなか受け入れられてこなかった」的気合のスイッチがはいってしまいますし。
なので、ここでガチの勝負をするのは上手な人たちにお願いして、その不安の周辺にいる可動域の人たちをケアするのが専門職の仕事の根幹ですね。
日本も公表されている3期・4期の接種率は高くないので、感受性者はつみ残っている状況です。
「2回接種した?」とリマインド話をすることや、医療関係者が関連の話題を扱う勉強会のおりに、修飾麻疹のことなどもふれたほうがよいですね。
このため、「ワクチンはあまりさせたくないが麻疹の予防接種だけはしています」という人にもよくあいます。
世界で毎年たくさんの子どもが死亡し、その70%は東南アジアでおきていると推計されています。
リゾート旅行などでお手軽な東南アジアですが、まだワクチンを接種していない子どもを流行している地域につれていくのはとても怖いことです。(ちょっと前まで日本がその状態だったわけですが)
接種率ではなく、死亡減少が対策目標にあがる、重い感染症です。
「世界の麻疹死亡、2000~2008年」(Vol. 31 p. 57-58: 2010年2月号)
http://idsc.nih.go.jp/iasr/31/360/fr3601.html
日本の症例
2007年 ワクチン未接種で麻疹脳炎に罹患し、重篤な経過をたどった13歳女児例
2003年 麻疹罹患後、急性脳炎で死亡した成人女性例
ワクチンが2006年から世界標準の2回接種になりましたので、1歳と就学時に接種した子もいますし、臨時で中1と高3で接種している人たちもよいとして、その他には2回接種ではない人たちがいます。
そのことを忘れてはいけませんし、世界はMMRの2回うちなのに、日本はMRになってしまっており、ムンプスの免疫を持っていない人たちの集積が今後の問題につながることは想像に難くありません。
今でも、各地で水痘と同じくらい流行していたりします。
(そして保護者には任意接種ワクチンの情報がいきわたっておらず、公費の支援のない地域がたくさんあります)
麻疹ですが、基礎疾患などの理由でワクチンを接種できない人が一定数いますので、社会全体で高い接種率(95%以上)を維持していないと、もちこみ症例(県外・海外からの輸入)などがきっかけとなり、集団発生につながることがあります。
麻疹排除は各国の目標になっており、すでに達成した先進国もあるのですが、ときどきアウトブレイクがおきたりしており、疫学調査をするとそこに特別な考えをもった親のかたまりがあたり、副作用説(デマですが)を恐れて接種を控えている親のかたまりが把握されます。
接種率は高く維持されなくてはならないなかで、「自閉症の原因だ」という説がこの「躊躇群・アンチ群」をつくっていました。その元になった論文がこのたび捏造ということで「刑事責任を問え」という話になっています。
ワクチン接種で自閉症はでっちあげ、英医学誌が結論(1月8日 CNN)
先進国なのにMMRワクチンがない日本(!)、しかも自閉症は増加している、というグラフがあって、これは海外の専門家の間でよく引用されています。
「ほら、カンケーないだろ?」。痛い・・・。
いずれにしても、これで接種率回復につながるか。モニタリングが重要です。
この話題をどう活用して啓発まきかえしをしていくか。
反ワクチン活動は各国にあります。
難しいのは、最初は自閉症不安だわ・・といったところからはじまったのに、いつのまにか予防接種を攻撃する活動が第一義的な目的にすりかわってしまっていたり、ライフワーク化してそこに高揚感のある人・それで講演料をもらうことの日常化している人までいる現実では、なかなかこうした運動を解体していくのはたいへんだということです。
昔のオウム、ちょっと前のホメオパシーもそうでしたが、周りから批判や非難をされ、理屈で説得をされても「いまさらひけない」状況の中では、一定の人たちは主旨や考えをかえないかもしれません。
「歴史をみると、正しいことは社会になかなか受け入れられてこなかった」的気合のスイッチがはいってしまいますし。
なので、ここでガチの勝負をするのは上手な人たちにお願いして、その不安の周辺にいる可動域の人たちをケアするのが専門職の仕事の根幹ですね。
日本も公表されている3期・4期の接種率は高くないので、感受性者はつみ残っている状況です。
「2回接種した?」とリマインド話をすることや、医療関係者が関連の話題を扱う勉強会のおりに、修飾麻疹のことなどもふれたほうがよいですね。
アメリカのドキュメンタリーですが、とても面白かったです。18日に再放送されるようです。MMRと自閉症の件も出てきます。
NHK BS世界のドキュメンタリー シリーズ
医療の現場から「予防接種 大論争」再放送
2011年 1月18日(火)BS1 午後11:00~午後11:50