感染症診療の原則

研修医&指導医、感染症loveコメディカルのための感染症情報交差点
(リンクはご自由にどうぞ)

国家全体としての抗菌薬使用量

2013-08-02 | 青木語録

現在、2012年のICAACDVDの学びは若干厳しい・・

暫く老健施設の問題です。

老健施設における感染症がメインで特に極めて新しいという事は少ないのです。

しかし国家全体として使用される抗菌薬の量、耐性菌のAcquisitionなどという点からは極めて重要な医療環境なのです。

米国でも欧州でも急性期病院・LTACH・老健施設を行き来するうちに、どこかで耐性菌を貰う。

老健施設での感染管理が難しい理由
1)患者さんがHigh Risk。(例:寝たきり・)、無症状でも耐性菌ついてる、感染症でも発熱しないので診断難>遅れ。
2)施設に居る:交差感染多い。選択圧大、スタッフ数少ない(大病院に比して)
3)急性期病院との行き来が多い。耐性菌貰いやすい。


多くのEpi研究は罹患率Prevalenceを検討するものが多いのですが、
発表の一部いIncidenceを検討したものがありました。
すなわち、入所してから4ヶ月毎に直腸の監視培養をして耐性菌がくっついていくようすをみたのです。

結果としては入所時、すでに1/4くらいは耐性菌あり。その後、更に同程度の新たな耐性菌のAcquisitionがあるのです。

米国ではESBL、VREの増加が続きます。欧州では北ヨーロッパには少なく、ラテン系の多いのは前と同じ。

耐性菌の選択圧として最大のものはUTIの予防と治療。

ちなみにLTACH(えるたっくと発音するようです)はLong Term Acute care Hospitalの略のようで、病院にいる必要はないが老健施設に行くほど元気でない方を収容する組織で、連邦政府・Medicareの概念です。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ドクターGのはがきをいただ... | トップ | 視聴ありがとうございました »
最新の画像もっと見る

青木語録」カテゴリの最新記事