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日本脳炎ワクチン と その後(12/15)

2012-12-15 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
日本脳炎ワクチンについて、接種したあとの死亡例2例がニュースになったあとに、厚労省が迅速対応をしていますが、このたび12月21日にQ&Aが改訂されました。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/annai.html

会議の様子は一般メディアでもニュースになっています。
以下、強調は編集部によるもの。

前回の会議はどこでおわったかというと、1例目について詳細な臨床の情報をもう少しもらいましょう、2例目については血中濃度等野データをもらいましょう、ということでした。

今回その情報を臨床現場の協力で得て、会議でその評価を行ったということです。
(医師の皆様的には理解可能でしょうが、ネットをみると、臨床症状の判断の訓練を受けていない立場の人たちが今でもワクチンのせいだといってたりします。その根拠はよくわかりませんが。)

報道3つ紹介。

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NHK  12月12日
日本脳炎の予防接種を受けた子ども2人がその後、死亡したことについて、厚生労働省の専門家会議は、いずれも明確な因果関係は認められないという見解をまとめ、今のワクチンを使った予防接種は継続されることになりました。
日本脳炎の予防接種を巡っては、ことし7月にワクチンの接種を受けた子どもが1週間後に急性脳症で死亡したことや、10月には岐阜県で10歳の男の子が接種直後に意識を失い、その後、死亡したことが厚生労働省に報告されています。
このため、厚生労働省の専門家会議が、検査データや血液などを詳しく調べたところ、急性脳症で死亡した子どもには、別の感染症の症状があり、接種の3日後に肺炎を起こしていたことが分かりました。
専門家会議は、感染症が急性脳症を引き起こした可能性が高く、ワクチンの接種との明確な因果関係は認められないという見解をまとめました。
また、岐阜県の子どもには、持病の治療薬として一緒に飲むと死亡する危険性があるとされる薬が処方されていて、血液からも薬の成分が検出されたということです。
専門家会議は、薬の副作用による突然死の可能性も考えられ、ワクチンとの直接的な因果関係は認められないという見解をまとめました。
こうした検証結果を受けて、厚生労働省は、今のワクチンを使った日本脳炎の予防接種を継続することを決めました。

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時事ドットコム 12月12日

男児死亡、改めて因果関係否定=日本脳炎予防接種-厚労省
 日本脳炎の予防接種を受けた岐阜県の男児(10)ら2人が死亡した問題で、厚生労働省の専門家小委員会と安全対策調査会は13日、新たな調査結果を検討した上で、改めて「直接的な因果関係は認められない」との見解を示した。
 専門家小委などは今後、日本脳炎で緊急性の高い事例が報告された場合、定期的な会合以外に検討会を開くことを決めた。

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キャリアブレイン 12月12日

ワクチン副反応報告への対応案を提示- 厚労省、厚科審日本脳炎小委で

厚生科学審議会予防接種部会の日本脳炎に関する小委員会の会合が13日に開かれ、予防接種後の重篤な副反応が相次いで報告された場合の対応案を厚生労働省が示し、了承された。検討会を緊急開催して対応を検討する場合と、定期的に開く会合まで経過観察する場合を整理する内容。日本脳炎以外にも適用するかどうかは、新たに設置される予定の予防接種制度に関する評価・検討組織で議論して決める。

 対応案では、副反応の原因を、▽ワクチンが適切に保存管理・接種されていても起こり得る▽ワクチンの製造過程での何らかの不備▽ワクチンの保存管理や接種の方法などが守られていない▽接種による痛みや恐怖▽ワクチン以外の原因で起こる「紛れ込み事例」-の5つに整理。その上で、「同一施設・地域での発生か」「同一製品・ロットでの発生か」などを確認して原因を分類する手順を示した。

 分類の結果、ワクチンの保存管理や接種の方法、製造過程に起因すると想定される場合には、調査を直ちに行い、緊急性があれば検討会を緊急開催する。一方、ワクチンが適切に保存管理・接種されていても起こり得る副反応が想定の範囲内の頻度だった場合や、紛れ込み事例だと思われる場合には、定期的に開く会合まで経過観察する。 (この先はリンクで)

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今までその対応はなかったのか?というあたりが皆をビックリさせるとは思いますが、放置しないで、今このように改善が行われることを前向きに考えて支援したいと思います。

新たに設置される・・・がどんなものなのか。注目しましょう。

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