日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

垣根涼介「ゆりかごで眠れ」

2009-04-25 | 読書
かなり怖いストーリーで休み休み読み進めた。
(上)の合間に一休みで「蒼の悔恨」「ジウ1」を読み
(下)の合間に志水辰夫を挟んでようやく読み終えた。



南米のコロンビアの日系人、リキ・コバヤシ
暴力の応酬が渦巻き、殺人・麻薬・暴力が渦巻く世界
家族の報復のため、身を守るためマフィアの世界でのし上がる。
暴力沙汰がリアルで、頭の中の映像化で怖さが募り一休み

本でもテレビでも「イザこれから・・」と言う場面が一番怖い
ドキドキからクライマックスまで一気に進めない。
なら放り出すかというとそんな事はなく
沸点が下がるとまた読み進める。

コロンビアの政治不安から戦争まがいの殺戮(無差別殺人)が繰り返され
そんな世界でうごめく人達。
日本でコカインの市場を作り、進出してきた主人公リキ
コカイン中毒の破れかぶれ刑事と、刑事をやめた行き場の無い女性
コロンビア人以上に陽気なラティーノ風の老後を送る元サリーマン
3人+1人が世間や家族に違和感を持ち(多分自分自身にも)
破れかぶれに物語が進み終焉する。

元浮浪児の女の子が3人の救いの場(?)だろうか

最初から、途中から、終わりまで日本に生まれた日本人で良かった、と思う。
恥や失敗は日常茶飯事だが、人殺しや発砲沙汰はテレビや新聞の世界
身の回りで起こる事なんか無い。
緩んだ日常(それなりの緊張感はあるにはあるが)が一番いい!!
そんな事がしみじみ思える物語でした。

(作家垣根涼介はそんな事を思って書いたのではないのだろうが・・)
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