世界4大映画祭と言われる、映画祭が6/20~29までモスクワでおこなわれて、ガーラー部門で特別賞を受賞したことで有名になった「少年H」が川口ムービックスで上映されたので去る8/18に見ました。当日売店で買ったパンフレットを見ると
少年Hは1997年に妹尾河童初の自叙伝的長編小説として刊行され、ベストセラーにもなり、平成9年の毎日出版文化賞特別賞を受賞し、刊行から15年以上経った今も重版を続ける小説でした。
水谷豊氏はプロヂューサーの河童基弘さん、伊藤伴雄さんと一緒に何かやろうと話していた時、お2人から「これいかがでしょうか?」と「少年H」の原作本を渡され、読了したとき、この盛夫というお父さんの役は他人にやって欲しくないと思って、出演を決め、敏子の役は蘭さんが良いと、プロヂューサーの河童氏も思っていたので、蘭さんに原本を渡し読了したところで、蘭さんから面白いと言う感想を聞き、その直後河童氏夫妻と食事をした機会に、蘭さんが「ところで敏子役はどなたが演じるのですか?」と聴いたところ「貴方だよ」といきなり言って決まったというエピソードもあり、子役も2000人以上のオーデションの最終選考で満場一致で決まり、相手役も肇との相性で、好子も万場一致で決まったと言う。
映画は昭和16年に神戸で洋服仕立屋を営む家族がいた。父・妹尾盛夫は、仕立ての腕で、居留地に住む世界各国の外国人をお客にしている。母・敏子は敬虔なクリスチャンで礼儀作法や言葉使いにも厳しい。その二人の間に育った肇は少学5年生で母親が編んだセーターに刺繍されたアルファベットのせいで周囲から「H」と呼ばれている、妹の好子は2歳年下だ。
妹尾が通う教会の宣教師ミセス、スーテープルがアメリカへ帰った頃から、戦雲が立ちこめ、Hにオペラのレコードを聴かせてくれた近所のうどん屋の兄チャンが思想犯として警察に逮捕され、召集令状が来た映写技師の「オトコ姉チャン」が入隊せずに脱逃して憲兵に追われ、太平洋戦争が始まり、盛夫はスパイや非国民と見なされないよう、考えや信仰を心の中にしまっておくことが大切と家族を諭す。盛夫は消防署に勤める様になり敏子は隣組の班長に、好子は田舎に疎開する。戦況が不利になり日常生活は激変してゆく、ついに神戸大空襲に襲われ、終戦を迎え、H一家も小さいが確かな一歩を踏み出してゆくと言うストリーでした。
それにしても焼け跡の風景は素晴らしと思いましたが、パンンフレトを見て、セットを丸ごと全焼させたとの事を知りもっともだという実感がしました。
戦争を知らないで育った人達に平和の尊さを教え、戦争はいやだと教える教材にはもってこいの映画と思いました。
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