鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

第5回 庄内地域医療情報ネットワーク研究大会

2016-10-31 17:22:37 | 日記


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第5回 庄内地域医療情報ネットワーク研究大会
日時:10月29日 14:00~17:00
場所:東北公益文科大学鶴岡キャンパス大学院ホール
参加者:96名(医療・介護・行政・ベンダーなど)
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■開会

 鶴岡地区医療情報ネットワーク協議会会長 土田兼史

■事例発表

〇「ちょうかいねっと」のこれまでとこれから
  日本海総合病院医療情報課情報システム係長 佐々木 邦義 氏

 ・ちょうかいネットの概要
 ・開示病院:6, 閲覧施設:病院14、診療所64、歯科診療所16、老健9、訪看5、薬局19、福祉施設33
 ・庄内健診センターの参加:健診データの参照が可能に
 ・登録数:順調に推移、診療録のアクセスが多い、
 ・利用患者数:月400名程度、頭打ち?
 ・退院時の診療情報提供の簡素化に利用

 ちょうかいネットの特徴
 ・診療録の開示
 ・画像ダウンロード可
 ・検診結果の開示
 ・EMS機能による救急患者対応

 これから
 ・医療介護連携へのちょうかいネットの活用は困難 →非公開SNSの導入を検討
 ・薬剤情報開示の検討

〇Net4Uと連動した医療・介護者を繋ぐWEB連絡ノート「Note4U」を活用した鶴岡地区の医療・介護連携
  一般社団法人 鶴岡地区医師会 地域医療連携室 遠藤 喜恵 氏
 
 ・Net4Uの紹介と実績
 ・Note4Uの紹介と事例報告
 

〇べにばなネットの利用状況と完全管理
  山形県村山総合支庁保健福祉環境部医療監・村山保健所長 石井 仁 氏

 ・べにばなネットの事務局は村上保健所に設置
 ・ネットワークには、ID-Linkと Humang Bridgeを併用
 ・平成26年10月にスタート
 ・開示病院:10病院(ID-Link:4、Human Bridge:6)
 ・参加医療機関:75、月別登録数:200-300、頭打ち
 ・病院・診療所共にノート(診療録)の閲覧が多い
 ・医療情報と安全管理
   組織的、物理的、技術的、人的
 ・個人情報保護法
 ・県のICT活用の地域医療ネットワーク基盤整備への助成に関する予算情報提供
 ・地域医の情報化コーディネーター育成の研修に関する情報提供

〇県内医療情報ネットワークの現状とOKI-netの利用状況について
  公立置賜総合病院副院長 山田 昌弘 氏
 
 ・県内医療情報ネットワークの現状:アンケート調査から
  利用率(累計登録患者数の対人口比:ちょうかいネット:7.4%、Net4U:6.9%,OKI-net:7.0% (全国平均2%程度)
  登録患者数:ちょうかいネット、OKI-netは同じ伸び率で、3年の運用で対人口率で4%程度に達する
  医療機関の参加率:30-50% (全国では20%程度)
  ネットワークを超えた連携も行われている  
 ・ネットワーク普及のための課題
  開示情報の拡大、地域を越えた連携、介護分野も含む多職種連携
  わかりやすいインターフェース、サポート
  医療機関・施設への広報
  ヒューマンネットワークの構築(ITを使うことでヒューマンネットワークも広がる)
 ・OKI-Netの現状
  開示施設:12、参照施設:87
  患者登録数、閲覧者数は、頭打ちも、被閲覧者数は延びている
  公立置賜病院:登録患者(月):400、閲覧者数:200、
  少子高齢化社会へ →医療と介護の連携が必要 
  医療モデルと生活モデルの違い それぞれに適した情報システムと統合が必要 → オキトピアⅡを開発
  おきねっとポータル、TV会議システム(退院調整カンファレンス)

■システムメーカーからの情報提供

〇Straw-Hut
  株式会社ストローハット代表取締役 鈴木 哲
  
  ・Net4Uの全国展開
    鶴岡:120、新潟市:450、長野県佐久地域:78、宮崎県日南市:43、富山県小矢部市:33、長野県小諸地域:69
    特徴は、活用を続けるためのサポートの充実
  ・Net4Uの機能の紹介
  ・死亡診断書の記載支援にNet4Uを活用(佐久地域)
  ・ID-Link、地域連携パス、訪問看護システムとの連携機能
  ・Note4U :患者・家族・介護者参加型在宅高齢者見守りWEB連絡帳 →今後は健康管理ツールとしての展開予定
  ・ORCA、SS-MIXとの連携
  ・HPKIに対応:診療情報提供所に電子署名を付加することが可能に
  ・現場で良く聞かれる課題
    事業が終わったら使われなくなった
    どういうケースで使えばいいか分からない
    メリットを感じない今のままで十分 (現状で十分という考え方)
    市民にとってメリットがあるのか (今後は行政相手の交渉になる)

〇Fujitsu 地域医療ネットワークから医療介護連携システムへ
  富士通株式会社ヘルスケアビジネス推進統括部第二ヘルスケアビジネス推進部 城和 広之

  ・アップローダーを使った双方向連携:医療機関と調剤薬局の情報連携、診療所データをデータセンターで一括管理し共有
  ・在宅医療・介護連携モデル:地域包括ケアSNS、
  ・介護事業システムとの連携モデル:HBへの介護事業システムの追加
  ・その他:HPKIへの対応

〇SEC
  株式会社SEC医療ソリューション事業部クラウドソリューション部課長 盛長 志朗

  ・5940:導入実績、使われ続けている!
  ・地域連携が全国で認知された証拠:医療情報ネットワーク佐賀県小学校5年生の教科書に採用、診療報酬の算定対象に
  ・在宅、介護連携への取り組み:診療所の電子カルテも公開施設へ (あまり普及していない、課題はコストか)
  ・クラウド型EHRへ向け、業界標準化への対応 連携標準化
  ・拡張サービス:サマリービュー、フェースシート、公開施設でのモバイル活用
  ・BCP 患者登録の代行、地域で雇用を生むことが理想
  ・利用約款:患者情報を守るのが目的

■シンポジウム(座長:鶴岡地区医療情報ネットワーク協議会 三原一郎)

 以下のテーマで熱心なディスカッションが行われました。

・酒田地域での健診データの閲覧は、どのように同意をとっているのか?

・どの医療情報ネットワークも運用開始から2-3年で、ユーザ数は頭打ちになる、 新規の開拓をどうするか

・診療所の電子カルテがむしろ情報ネットワーク参加への足枷になっているとう意見が聞かれる
 今度どのような対策が考えられるか

・病院・診療所の連携と在宅医療を中心とした医療・介護連携は別システムが必要というのが大方の意見であるが、
 2つのシステムをどう統合していくべきか

・電子的な情報提供とその評価が診療報酬の対象となったが各地域での請求の現状は?


■閉会

 酒田地区医療情報ネットワーク協議会会長 佐藤 顕

■懇親会~二次会



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