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千葉景子法務大臣は、死刑廃止を推進する議員連盟の会員である。その千葉大臣から、就任直後に秘書を通して「脱会届け」を受け取ったのは私である。後に会った時には、「立場が立場ですから」と言っていた。まさか、「死刑執行の準備」のためだとは思わなかった。千葉大臣は、就任直後から「死刑制度について国民的な議論を行いたい」としながら、同じ民主党の国会議員が死刑廃止議員連盟を代表して会いたいと言っても、会いたがらなかった。国民どころか、与党の国会議員とさえ死刑問題を議論した気配がない。いや、その機会を避け続けてきた。

 そして、25日で終了した参議院議員の任期切れの1日前、24日に死刑執行命令にサインをした。そして自ら執行命令を出した2人の処刑現場を立ち会ってきたという。「死刑の執行は適切に行なわれ、私自身自らの目で確認させていただき、あらためて死刑に関する根本的な議論が必要だと感じました」(記者会見)と語った。そこで会見では「死刑のあり方について検討するために法務省内で勉強会を立ち上げることにした。私自身のもとに法務省内の関係部局によって構成することとしますが、開かれた場で外部の様々な方々からの意見をお聞きしたい」として、「死刑の存廃も含めた国民的議論が行なわれる契機にしたい」としている。

 ここに倒錯がある。今日まで「国民的議論」に背を向けて法務官僚の語る「死刑執行の職責」と向き合ってきた千葉大臣は、自ら命じた死刑執行を目で見て「根本的な議論が必要」との認識に至ったのだという。「死刑執行」の実行があってこそ、「国民的議論」がなされるという法務官僚のトリックにまんまとはまっている。自らが「死刑執行」を実行したら、「いかに死刑執行に国民的な合意と承認を形成するか」という視点で議論を進めなければならない立場に身を置くことになる。

 千葉大臣は、死刑廃止議員連盟を離れて、「適切な執行をこの目で見届ける大臣」へと成長した。
「国会議員なんてそんなもんだよ」と法務省刑事局で後世まで語り継がれるほどの転換をさせたのは何だったのか。「死刑執行を実行しない大臣」は「国民的な死刑の存廃も含めた議論」を行なう資格はないのだ。まずは、死刑執行をしてスタートラインに立つという「独特な論理」は、どんなに議論をしても「現行死刑制度の存置」という結論にしかならないような立場に千葉大臣の軸足を切り換えることになる。

 仙谷由人官房長官も、死刑廃止議員連盟の古くからのメンバーだ。菅直人総理は、これまで死刑制度についての発言は控えているが、仙谷氏は加藤紘一自民党元幹事長と共に2008年に「裁判員裁判における死刑判決の全会一致制度」「終身刑創設」法案をともに議論してつくりあげた要の役割を担った。法務省の勉強会は、始まる前から「死刑存置」の結論が見えている。せめて、菅内閣で総理直属で官房長官をトップとした「死刑制度調査会」を設置するぐらいのことは出来ないのだろうか。

 自民党時代は、法務・検察を向かうにまわすことなど出来なかった。政権交代がまだ続いているなら、この内閣でも総理直属の「死刑制度調査会」は出来るはずだ。千葉大臣は法務省内で事後勉強していればいい。もし、やるというなら私自身は全面的に協力したい。

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