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 今夜、TBSラジオ『ニュース探求ラジオ DIG』という番組で「東京都青少年条例」が規定している「非実在青少年」の問題について取り上げるので、10分程度出演してほしいとの依頼があった。東京都議会の会議室で熱気ある記者会見や集会を開催する発信源になった藤本由香里さん(明治大学国際日本学部准教授)や荻上チキさん(評論家・αシノドス編集長)も出演する。23時~23時30分の間に電話でゲスト出演する予定だ。番組がこのテーマを取り上げるのは、22時30分頃だと言うので、ラジオが聴ける環境の方はチェックしてほしい。

たった今、ラジオでのトークが終わった。3月中旬から、久しぶりに東京都条例を読んだが、改めて「芸術」や「文化」の素養も「表現の自由」への配慮もない乾いた訓示規定が目についた。昨日の「たちあがれ、日本」とも共通の言語感覚で、「非実在青少年」という何とも荒っぽい概念規定からして粗暴だ。実際に存在しないのなら「創作物中の青少年」とすべきだろう。また、その規制の目的が「社会風潮の打破」だという。

「年齢、又は服装、所持品、学年、背景、その他人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から18才未満として表現されていると認識されるもの(以下、「非実在青少年」という。を相手方とする又は非実在青少年による性交又は性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を視覚により認識することが出来る方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な育成を阻害するおそれがあるもの」(東京都青少年健全育成条例改正案から)

 さすがに青少年は「性的関心」を持つなとは言えない。だが、「不健全な性的関心は持つな」とは言う。それなら「健全な性的関心」とは何なのか。青少年が性的関心を持つのは古今東西、世界中すべての国で常識であり、当然ではないのか。民法で16歳女子を婚姻可能年齢に定めておきながら、18歳以下の性的描写を「不健全指定」する矛盾をどう考えるのか。
気にいらないのは、『太陽の季節』などの小説で当時の若者文化の「健全育成」に貢献した都知事が老齢になって、「マンガ・アニメ」などのサブカルチャーを見下して、規制に前のめりになっていることだ。

 それでも、6月都議会ではこの条例が幾分かの修正で可決する可能性が十分にあるということだ。もっと議論を深めたい。

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