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補正予算案が衆議院本会議をただいま通過した。自民・公明・民主・国民が賛成。社民・共産は反対した。しかし、「1・8兆円規模」の補正予算などアメリカ発の金融危機に端を発する世界的な経済危機に対応するには、何らの実効力のないことを市場が証明してしまった。今日の東京証券市場は、史上3番目の下げ幅となり「952円58銭安」の「9203円32銭」となってしまった。1万円割れどころではなく一挙に9000円に近づいたのだ。年金資金の株式運用など目も当てられない状態になってきているが、今日は予算委員会で年金記録問題を取りあげた。

 社会保険業務センターが「永久保存」しているはずの年金記録が、310万件廃棄されていたことが社民党の調査で判明した。政府はすでに、9月9日の「年金記録問題に関する関係閣僚会議」で260万件の旧台帳を廃棄していたことを発表しているが、その後のヒアリングと福島党首の参議院厚生労働委員会での質疑で、廃棄件数は310万件であることが明らかになった。

 そもそも、70歳以上の人々の年金記録を保存してきたワンビシ・アーカイブズに保管されていた旧台帳がきわめてズサンな状態にあることを社民党が指摘をしてきたことを踏まえて、7000万円かけて「データーベース化」が行われた。その結果、1365万件保管しているはずの台帳が、1167万件しかないことが判明した。その差は198万件となる。実際には、同一人物の台帳が複数存在をしていたということもあり、「260万件廃棄」との発表の数字とは異なると社会保険庁は説明している。

 社会保険庁は「これらの旧台帳は、オンライン入力されていて、各地の社会保険事務所に被保険者名簿として保存されているから大丈夫である」と答弁しているが、当時のオンライン入力のデータには「事業所名」は入力されていない。(厚生年金とだけ入力されている) 5000万件の「宙に浮いた年金」についても、名前のないデータが500万件も出現してしまい、唯一残っている「年金手帳番号」を頼りにワンビシ・アーカイブズに職員が泊まり掛けで突き合わせ作業をしてきたことも私たちは知っている。

 いくら探しても、「捨ててしまった」のであれば、見つかるわけもない。特例法で「時効撤廃」をなしたことで、96歳で2800万円以上の未払い年金をとり戻した人も出てきているが、未来永劫見つけることの出来ないケースが存在するのは明らかだ。社会保険庁は、「永年保存すべき文書ではないが」と嘘をついているが、実は厚生年金保険法28条には次のようにある。

第28条 社会保険庁長官は、被保険者に関する原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう。以下同じ。)その他厚生労働省令で定める事項を記録しなければならない。

 国会審議でも、社会保険庁長官が法的に保存義務を負っていることを昨年は柳沢厚生労働大臣が認めている。もし「旧台帳を捨てていたとしたら法令違反となる」ことも認め、その場合は「国民の皆さんに申し訳ないことをした」と発言しているが、舛添大臣は得意の居直りに終始した。

年金記録の「標準報酬月額」の改竄も問題だが、旧台帳という年金支払いの元となる台帳を310万枚「大量廃棄」したことについては、政府はしっかり国民に詫びる必要がある。私たちの「調査」「資料要求」「ヒアリング」が解きあかしたのがこの想像を絶するズサンな実態だった。まさに野党による執拗な調査と資料要求がこの構造を明かしたことをどう思うかと麻生総理に聞いたが、まるで理解出来ないような答弁した返ってこなかった。

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