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衆議院予算委員会の論議が始まった。と言っても、今日は自民・公明の与党で大半の時間を占めて、夕方に民主党の長妻昭議員の質問が1時間15分あっただけだ。長妻質問で、このブログでも問題にしてきた「自民党国会対策委員会による野党議員への資料提出についての事前検閲制度」について厚生労働省や農林水産省の官房長に問いただしつつ、麻生総理にも見解を求めていた。だが、麻生総理は「民主主義」への理解が浅いらしく、「自民党国会対策委員会が事前に資料を見る」ことに対して何の違和感も覚えないようだ。

行政組織の長は内閣総理大臣であり、各省庁のトップは大臣である。行政組織が野党議員に資料を提出する時に、大臣官房の官房長や事務次官止まりではなくて、
大臣・副大臣・政務官などのチェックを受けたり、意見を聞くというのは制度上ありえる話だ。けれども、自民党国会対策委員会という政党組織に「提出の諾否」を委ねるというのでは、行政府の長のさらに上に「国会対策委員会」という政党組織が乗っかることになる。たとえば、「薬害エイズ」や「肝炎」のように役所が長年にわたって資料を隠蔽していた場合は、担当者が交代していても「役所の責任」は追及出来る。

けれども「汚染米」に関して、猛毒のカビが発生していたコメがどこへ行ったかの資料は「自民党国会対策委員会」が提出停止を命じていたとしたら、後に責任の所在はきわめて曖昧なことになる。国会対策委員会の役員は1年たらずで交代していくし、政界再編でもあって政党組織だって5年後はどう存在しているか誰も確たることは言えない。麻生総理は、解散・総選挙後に例えは「年金問題」「汚染米」などのテーマで自民党が野党として政府追及の材料のために資料要求をしてきた時に「民主党国会対策委員会」が事前検閲するのも、「政府・与党一体だから当然」のうなずくのだろうか。

この間、野党が資料要求しているのは食の安全や年金支給に関わる問題である。
本来は与党議員も厳しく議会で追及していいテーマなのだ。ところが、役所の失敗をカバーし、隠蔽体質を助長するようなことばかりやっていると、「自民党=官僚組織」の悪い面が次々と出てくるという結果になってしまう。私は、12年前に国会議員になった時には与党だったが、次々と政府を追及する材料も遠慮なく扱った。
あの当時は、「政官財の癒着」など特定の個人や団体が絡んだ不正や汚職などの問題を取り扱うことが多かった。しかし、今日問題となってきているのは「食の安全」など生命に関わる重大問題ばかりである。

こうした情報を出すまい、出すまいという農水省や厚労省をかばってばかりいると、「国民に対しての背信行為」の共犯者になる危険だってある。今の自民党が危機的な状態を脱出するには、野党的な徹底追及を実現して「官僚組織」との一体化から一線を引くべきなのだが、そうするためには長いこと与党をやりすぎている。
この点をさらに考えていきたい。

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