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ブッシュ大統領は中間選挙に敗北し勢いを失いながら、イラク「2万人増派」を進めようとしている。また、忠実な盟友であったブレア首相は政権中枢を痛打するスキャンダルに見舞われている。ブレア政権のナンバー3だったパウエル主席補佐官が訴追されるおそれもある。労働党に巨額の資金を提供した実業家を、上院議員に推薦したという「金で議席を売る」行為があったという疑いが浮上、ロンドン警視庁はすでにブレア首相自身の事情聴取も終えているという。→参考「英首相官邸幹部ら聴取の意向 主席補佐官、訴追の観測も」(朝日新聞1月6日)
そして、ブッシュ大統領のもうひとりの盟友であった小泉前総理は、ゆうゆうと政権を安倍氏に移譲し、「タウンミーテイング」でも「ホワイトカラー・エグゼンプション(=残業代不払い法案)」でも、取材ひとつ受けていない。私たちが必要とするのは「小泉政権の5年5カ月」の徹底した検証ではないか。

安倍内閣の支持率が急落した理由に、「郵政造反派復党劇」や「道路特定財源の一般財源化」など「チーム安倍」の政治的技量が未熟がゆえの問題もあったが、小泉内閣の残したものも少なくない。「タウンミーテイング」や「内閣・政府広報費」の大盤振る舞いは、小泉内閣そのものの問題だ。さらに、年頭で安倍氏が「少子化対策」と迷言を吐いた「ホワイトカラー・エグゼンプション(=残業代不払い法案)」も小泉内閣時代の既定路線だった。非正規雇用を増大させて「ワーキングプア」を波及させたのも「小泉構造改革」の結果だった。

「小泉の時代」が終わると、派手なアクションやサプライズで見えなかった問題点が白日のもとにさらされた。安倍政権の支持率が急落する中で、与党・永田町の一部には「小泉再登板」を話題にする向きも出て来ている。だからこそ、私たちの年明けの仕事は、「小泉内閣5年5カ月」を洗いざらい検証し「小泉政治の継承者」を自認する安倍政権に総括を迫ることではないだろうか。

自民党は「小泉マジック」で延命した。そして、「改革の党」というイメージ操作に成功して、03年の衆議院選挙で大勝した。その成功体験がある限り、逆境に立たされると「あの夢よもう一度」という誘惑にかられることになる。ジャーナリズムも小泉時代に「サプライズ」や「面白さ」に掻き回されることに慣れきってしまった。どうも、安倍政権は「面白くない」という印象が定着しかかっている。

竹下派・経世会が仕切ってきた時代の自民党は「古い自民党」だと小泉政治は切って捨てた。そして、経済財政諮問会議を司令塔にした超法規的権力を財界代表に預けて、規制緩和と市場主義を加速させた。その結果、膨大な利益を手にしたのは
「ライブドア」や「村上ファンド」だけではない。自ら描いた絵の通りに官僚に指示を出して制度改正・立法作業をやらせ、先乗りして事業投資をしておく……これぞインサイダーそのものだが、小泉政権時代に膨らんだ権益を手にした「改革派財界人」たちがいる。

「小泉内閣5年5カ月」の検証を始めていきたい。

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