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26日、午後12時40分過ぎに民主党津田議員・共産党小池議員の到着を待つ福島みずほ党首と保坂展人

「年金記録」問題で予想外の窮地に陥った安倍政権だが、「検証」「解決」モードへの幕引きをはかろうとしている。第三者委員会なるものが総務省で発足し、権限も役割も不明なままに活動を開始したようだ。

一方で党・年金プロジェクトで一貫して追及してきた「旧台帳」問題は、つまるところこの記録がマイクロフィルムと紙台帳で保存されている倉庫(ワンビシ・アーカイブズ)に出向く以外にないと考えてきた。10日前から福島みずほ党首が厚生労働省・社会保険庁に要求したが、「いくつかの政党で組んでくれると見せやすい」(社会保険庁幹部)ということなので、25日(月曜日)出発で、民主・共産・社民の視察団を編成した。ご丁寧にも日曜日には、社会保険庁の担当者の携帯電話番号まで書いたペーパーが送られてきて受け入れ体制が整っていることを先方が知らせてくれている。しかし、朝になってから社会保険庁幹部からドタキャンされたのだ。私は、抗議のために霞が関の社会保険庁に出向いて、早期に視察をやり直すことを申し入れた。

昨日午前、第2次の野党視察団が編成され国会を出発した。民主党津田弥太郎氏(参議院厚生労働委員会野党筆頭理事)、共産党小池晃氏(同厚生労働委員会)、社民党福島みずほ党首(同厚生労働委員会)に私という構成だった。ところが、考えられないほど異常なことが起きた。東京から1時間半、埼玉県の奥にある倉庫前に国会調査団が到着すると、ワンビシ側の責任者が現れ「社会保険庁から連絡があって、今日の視察は中止になりました」とのたまったのだ。おいおい、視察は議員団が実行しているのであって、社会保険庁が中止を指令することは出来ないのだ。とりあえず、応接室へと案内を受けたのでしばらく社会保険庁からの連絡を待った。

待てど暮らせど連絡がない。津田弥太郎議員がワンビシの応接室から社会保険庁に電話を入れて、青柳親房社会保険運営部長を呼び出して大声で怒った。津田氏は青柳部長と電話で何回か話していて、出発する直前もまた「これからワンビシに向うから社保庁の人間を差し向けろ」と要求していた。ところが、青柳部長は「与党も入っていないと超党派とは言えないのではないでしょうか」とのらりくらり。津田氏は「自民党理事にも話したが、これは委員会マターではない。野党さんで行きたいならどうぞ行って下さいと話はついている」と一喝。「社会保険庁長官に電話をいれるように」と通告した。

5分後、「村瀬です」と社会保険庁長官から津田氏あてに電話。「超党派ではない。(自民・公明がいない)」「社会保険庁職員のやりくりがつかない」と視察中止を求めてきた。ところが、現場の倉庫責任者は「社会保険庁がOKしてくれれば案内します」と明言していた。そこで、津田氏は村瀬長官の電話をワンビシ責任者に渡して「長官として指示するように」と求めた。村瀬長官はワンビシ責任者に「社会保険庁職員が立ち会えないので見せるな」と指示をした。

前代未聞の出来事だ。年金記録の調査にやってきた野党視察団を村瀬長官が拒否をしたのだ。午後4時から国会内で記者会見したが、残念ながら事の重要性がメディア関係者にあまり伝わらなかったようで、あまり報道されていない。調査の肝心の入口をふさいでおきながら、安倍政権はこんな呼びかけもしている。

「年金記録のずさん管理問題の生じた原因と歴代厚生労働相、厚生相らの責任を明らかにする総務省の検証委員会(座長=松尾邦弘前検事総長)の第2回会合が26日開かれ、年金記録の確認や訂正の際にトラブルを経験した人や、社会保険庁の現役と元職員、社保庁の委託を受けて年金の実務処理に当たっていた人たちに、記録管理に関する情報提供を呼びかけることを決めた」(朝日新聞)

この問題は、参議院厚生労働委員会の審議にあたっての重要な火種となった。

(お断り・「ワンビシ・アーカイブズ」を「ワンビシ・アーカイブ」と誤って表記していました。正しくは「ワンビシ・アーカイブズ」です。訂正します)

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