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 今朝、起きてみたら『どこどこ日記』へのアクセスが急増し、9942IP/31804PVでgooのアクセスサンキングで9位となっていた。このところ、連日5000IP前後なので、約2倍の人たちのアクセスに感謝したい。また、あちこちでリンクしてくれた模様で、昨日の衆議院法務委員会の「児童ポルノ」の定義をめぐる与野党の論争が他のサイト、ブログでも盛り上がっている。一方で、新聞・テレビを見ると、まるっきり低調で、「表現の自由」と「内心の自由」をめぐる重要な論争があったことで、掘り下げた報道をしているメディアは皆無に近い。だから、今日も記事を書き、情報発信していきたい。

 麻生総理の様子がおかしい……と複数のメディアから聞いた。安倍総理の末期に似ているという人もいる。そう言えば「東京都議会議員選挙の自民党候補」を短時間だが、すべて訪問していることも、不可思議だ。今の東京都議会議員選挙は、総選挙の前哨戦であり、一種の予備選挙的な色彩を深めている。麻生内閣・自公連立政権に対しての「審判」として行なわれるという位置づけであり、旗色が悪いのは読者の皆さんなら御存知の通りだ。そんな状況下で、全候補の事務所を訪問したら、都議選の敗北=退陣となるのは火を見るよりも明らかだ。そこそこに距離を置いていれば「都議選と言えども一地方選挙だ」と責任回避するいいわけも出来るが、もうそういう訳にはいくまい。

 実は、麻生総理だけが「東京都議会議員選挙に勝利する」ことを確信し、そして「引き続き総選挙にも勝利する」と信じて疑わないのだという。だからこそ、7月のサミットはもちろんのこと、来年のサミットも自分が総理で出席すると考えているようなのだ。そう考えると、自民党内が大きくあわてている7月2日解散、8月2日投票の麻生総理の意向も、すべて納得出来るではないか。ダブルで戦い、勝利する。その判断は自分が行なうと信じているが、実は自己暗示という気もする。私は、自民党議員の9割が反対する中で「麻生独走解散」でかまわないと歓迎する。

 考えてみれば「国民的な人気が高い」と麻生太郎氏が自民党総裁候補に急浮上してきた契機は、「マンガ文化に親しんでいてアキバ系の若者に人気がある」という都市伝説の力だった。その麻生内閣は、アキバ系どころか、言論・表現の自由が保証されている民主主義社会を「検閲・警察国家」に塗り替える危険性を持つ「単純所持を犯罪化」する児童ポルノ禁止法改正案(与党案)を提出して、「児童ポルノと疑わしきは1年以内に処分せよ」との主張を繰り広げた。麻生太郎氏は「アニメの殿堂」という天下り官僚が喜ぶ箱ものをひとつ創ればいいとでも考えたのか、何も考えなかったのかどちらかだろう。

 昨日の審議の前に意見を聞いたある友人は、「今回の児童ポルノの単純所持規制は、明らかにもう大きな流れになっている。選挙前にこの流れに逆らうことはリスキーじゃないか。筋を通すのもいいけど、あまり少数の立場に傾かないでほしい」との忠告だった。「規制慎重派」という烙印を押されると、「この人は下劣な児童ポルノ規制を邪魔しています」という攻撃対象となることを心配してのことだった。しかし、自問自答した。子どもの人権・子どもの権利条約と言えば、16年にわたる内申書裁判から、10年がかりのチャイルドラインの普及まで私の立場は一貫している。悪質な「児童ポルノ」の被写体となって、人権蹂躙された子どもの権利回復を徹底的に支援するスタンスに立つことは、相当程度に知られているはず。

 ならば、物言えば唇寒し的な「規制ムード」に押し流されるべきではない。10年前、20年前の写真集や古雑誌などが「禁書指定」されて、『Santa Fe』レベルの写真集ですら、「持っていることは犯罪に問われる」というのは明らかに過剰な規制暴走である。本来なら、新聞・テレビは大きく取り上げ議論する必要がある。『Santa Fe』は、発売当時に新聞に全面広告を打ったことでも話題になった。これが児童ポルノであれば、全面広告を掲載している「新聞の縮刷版」も同様だとして焼却処分しなければならない。そんなバカなとタカをくくっているのがメディアの鈍感さだ。

 昨日の参考人質疑で、児童ポルノの規制の論議にアメリカのFBI駐日代表も参加していたことが明らかになり、「児童ポルノの摘発のためには共謀罪が必要だという声もあると聞いているが」と前田雅英参考人に問うてみた。FBIの駐日代表の参加は認めたし、「アメリカに共謀罪があることもその通り」と答えるに止まったが、「児童ポルノ単純所持規制と共謀罪」の一見唐突な関係こそがすべてを解きあかす鍵になるかもしれない。銃の単純所持を野放しにしているアメリカは、兵器産業・戦争ビジネスの欲望が規制されない社会だ。イラクやアフガニスタン、パレスチナで地雷やクラスター爆弾が、どれだけ子どもたちを脅かしているかについて、ブッシュ政権はけっして敏感ではなかった。にもかかわらずシーファー駐日大使が、議員会館にまで来て、「児童ポルノ単純所持規制」の国会ロビー活動に乗り出すのはなぜかと疑問が解けないでいた。

 昨日判明したのは、「つくられた流れ」は変更可能だということだ。「言論・表現の自由」の原則を守れというのは、けっして少数派ではない。皆さんからの応援のメールも力づけてくれたし、ブログを書いている人はぜひトラックバックをしてほしい。その声はやがて力になり、乱暴な規制暴走を止めることが出来るはず。そう改めて思うのだ。

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