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今朝の朝日新聞一面には、『グリーンピア再生頓挫 和歌山 業者、構想示し放置』というスクープが掲載されている。122億円の年金資金がつぎこまれた『グリーンピア南紀』は、わずか8300万円で那智勝浦町が買い取っているが、10年契約で中国・香港の企業にリースされて、その後に無償譲渡されるというシナリオになっている。計画では、「ブルー・オーシャン・アジアン・オリエンテーション・リミテッド」が再生事業をにない、総事業費57億円2000人の従業員を有する「超高級宿泊施設」を建設することになっていたが、現在にいたるも何ら事業は進展していないということがわかったという記事だ。

朝日新聞によるとこの中国系外資への事業委託と契約について、この間の憲法改正・国民投票法案や米軍再編法案の強行採決の司令官である自民党国対委員長が介在していることである。

「南紀の跡地を所有する地元自治体に業者を紹介したのは、地元(和歌山3区)選出の前経産相、二階俊博・衆院議員(自民)だった。跡地は賃貸後の2015年に無償で業者へ譲渡されるという異例の契約だったこともあり、地元で批判が高まっている。」「(オーナーの)蒋氏は、二階議員の「友人」として、町長や年金資金運用基金(06年3月解散)の最高幹部らと面会し、再生事業の請負先に選ばれた。グリーンピア跡地の大半が公募で請負先を決めている中では異例だった。二階議員は蒋氏を関係者に紹介し、契約書への署名の場にも同席した」(朝日新聞)

私が、8年前から追及してきたグリーンピア問題は、04年に国民の資産である年金積立金から6億3千万円を剥ぎ取って、一括処理された。多くの国民には、年金不祥事=社会保険庁というイメージ形成がされているが、これは真っ赤なウソである。社会保険庁は、厚生省・厚生労働省年金局が政策・制度設計をした年金制度を「執行する官庁」なのだ。

意外なことに、グリーンピア問題の責任は社会保険庁にはなく、旧厚生省年金局と自民党族議員にあったということを確認しておきたい。また、多くの国民は3年前の参議院選挙の前の年金国会で「グリーンピア事業をやめた」という政府与党の判断で、「ようやく無駄遣いが終わる」と安堵した人も多いと思うがこれも誤解だ。グリーンピアは、巨大な資金をローンで返済途上の物件だったのである。ローン中の住宅を売却しようとすれば、残債の一括返済が必須になるのと同じように、グリーンピアをやめるためには、国の財政投融資へ一括して返済したのである。(05年4月1日)このあたりの事情は、拙著『年金を問う』(岩波ブックレット)を是非読んでいただきたい。

 おりしもこの国会で、自民・公明は社会保険庁を解体・再編する「ねんきん事業庁法案」を推進する立場である。今日の問題を機に、「年金不信」をつくり出した厚生労働省と与党が「年金施設解体利権」にも関与していたのではないかという視点で、徹底した調査をしていきたい。






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