TOP PAGE BLOG ENGLISH CONTACT




国連総会での日本代表団は「制裁決議案の早期採決」で突進するはずだった。ところが巨大な盟友であるはずのアメリカが「ちょっと待って」と急停止をかけたのだ。たとえ中国が拒否権を行使しようとも、採決すべしと勢いこんでいた麻生外務大臣にライス米国務長官から「中国の外交努力を見守りたい」と米国と英仏の立場を伝えたという。

もともと日本政府が提出しようとしたのは非難決議案だった。しかし、より厳しい内容の制裁決議案にひきあげたのは、アメリカだった。 制裁決議案まで踏み込めば、中ロの反発は予想出来た。一方で中国は独自の議長声明案を作成し、日米の制裁決議案の共同提案国になるはずの英仏も中国案を検討し始めた。

武大偉外務事務次官が訪朝して、すでに3日になる。説得は難航をしているのだろう。6ヶ国協議への即時復帰を北朝鮮が受け入れて、核開発とミサイル発射の即時停止を約束すれば、中国の調停は成果を収めたということになる。訪中しているヒル国務次官補との折衝次第では、米中間で決議案より6ヶ国協議再開を選ぶ可能性がある。

日本を外したところで、米中を機軸に多国間の協調の枠組みが作られていくとしたら麻生強硬外交は宙に浮く。「敵基地攻撃論」が政府与党内から浮上したことも、この時期の国連外交にいい影響を与えていない。ドメスティックで短兵急な安保理対応にサミット後の戦略があるとも思えない。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 品川東京入管... にわかに動き... »