
福島みずほさんと、ともに東京プライドパレードに参加(右は石川大我くん)
昨年に引き続き、東京レズビアン&ゲイパレードから、東京プライドパレードに名前を改めたパレードに参加してきた。去年は、「同性愛差別」と「政治」との関係について雷の中、会場にいた若者たちと話し合った。(06年8月12日『どこどこ日記』)今年は、社民党党首である福島みずほさんと、一緒に語り、一緒に歩こうという企画が持ち上がっていた。(『社民党・福島党首東京プライドパレードへ参加へ』)原宿で降りて、代々木公園の入口には社民党の車でデコレーションをこらした街宣車で、実行委員会の若者たちが呼びかけをしている。中心になったのは石川大我くんだ。
実行委員会の若者たちはずいぶんと張り切っていて、代々木公園にビニールシートとおいしい弁当に、クーラボックスで冷やしたお茶まで用意していて、一世代前の「政治おじさん」たちの気のきかない集会より、ずっと細やかかつ丁寧な準備がされていた。福島さんと私を囲んで、40人の若者が意見交換した。気温はぐんぐん上がっていて、35度を超していたのではないかと思うほどだったが、彼らが選んだ場所はちょうど木陰になる気持ちのいい場で、「緑陰政治四方山トーク」となった。私への質問は、法律を勉強している若者から「『判例百選』に載っている内申書裁判って保坂さんのことですか」だった。「ハイ、そうです。中学生の頃から政治活動していて、定時制高校を中退して『学校ルポ』を書き続けるジャーナリストになりました」と回答。
この後、友人に会って左手にまいていたリボン(パレード参加者の識別票)を見て、パレードに行ったことを話したら、「えっ、ゲイだったの?」と驚かれた。性的少数者(セクシャル・マイノリティ)の当事者でなくても、お互いが違いを承認して生きやすい社会をつくっていくために、理解ある政治家をめざしているんだよと説明した。
格差社会がいよいよ若い世代を蟻地獄のような競争・選別に追い込んでいく中で、ひとりひとりの生き方や暮らし方を相互に認め合い、より豊かな文化や人と人のつながり方をめざしていくために、「政党」の古いスタイルも思い切って変えた方がいいと思っている。一度、出来上がってしまった政治活動のスタイルは、なかなかそのパターンから抜け出せないが、今日のパレードで新鮮に感じたのは猛暑にめげてひいひい言っていいような過酷な天候の中で、誰からも強制されず、もちろん労働組合の動員もなく、みんなが生き生きと歩いていることだった。年に一回のお祭りだからか、遠く地方からバスをしたてて参加している人たちもいるという。
『どこどこ日記』を読んでいる人で知っている人は少数だと思うけど、20代前半の私は「お祭り男」と呼ばれていた。ライブハウスから、野外イベントまで主催したイベントは軽く30回を超えている。既存の政治運動の集会やデモに対して見切りをつけて、「楽しくなけれりゃ政治じゃない」と祭りをつくり続けた。今は参議院議員となっている喜納昌吉さんの東芝EMIからの再デビューを1990年にプロデュースするという役割もした。あれこれ、渋谷・原宿と昔よく歩いた町を歩きながら思い出すことも多かった。

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