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5月12日、裁判員制度の凍結をめざす院内集会が「裁判員制度を問い直す議員連盟」の14名の国会議員(17人の代理出席)と、弁護士・市民・報道陣など約100人が第2議員会館に集まった。4月28日に確認した「12の論点」をもとに裁判員制度の凍結・延期を求める活動に、多くの国会議員が参加してきている。この日、議員連盟は53人となった。法案提出が可能な人数をはるかに超えているので、時間との勝負ともなる。だが、仮に5月21日を超えたとしても、この制度に多くの問題点があることが判明した以上は、国会の責任で徹底的な議論を行うまで凍結するという議論は、むしろ拡がるのではないか。



その様子を、「市民ネットワーク」の千葉千葉県会議員の大野ひろみさんの活動日誌「ケンケンゴーゴー」がを報告してくれている。

[引用開始]

午後3時に県ネットを飛び出して、東京へ入江さん吉澤さんと急ぐ。国会の衆議院会館で、「裁判員制度反対院内集会」が開かれるのだ。

会場は満杯。司会は保坂展人衆議院議員と、われらが弁護士及川さんとで、サクサクと要領よくすすんでいく。まずは超党派の国会議員による「裁判員制度を問い直す議員連盟」代表の亀井久興衆議院議員があいさつ。「この制度を全会一致で可決したことに忸怩たる思いだ。その後、裁判員制度がいかに欠陥だらけで、危険なものであるかが分かった。5月21日実施を目前にして廃止、あるいは凍結をめざして全力を尽くす」

狭い室内は超満員で立ち見も出る始末。出席者は最終的に、弁護士26人、市民35人、議員14人、議員代理出席(秘書)17人の計92人に上った。

主な発言はーーーー

◆この制度には「国民に強制的に参加させ、拒否する者には罰則を課する」など、少なくとも憲法違反が4点以上ある。

◆普通、こういう問題があるから、こういう法律を作るということになるが、裁判員制度に限っては、今の制度は森法相も「何の問題もない」と言っているのに、無理やり法律を作ってしまった。ハメルーンの笛吹きに連れられたネズミのように、国民が誤った方向へ連れて行かれている状態だ。

◆今回の裁判員制度は、実は、ナチスドイツに占領されていたフランスの「参審制度」にそっくりだ。最高裁が発行しているフランスへの調査報告書でも明らかにされている。60年以上も前の、いわば「ナチスの参審制度」というべきものを、「裁判員制度」と名前を変えて導入しようとする国家権力の狡猾さと恐ろしさを知ってほしい。

◆自分は衆議院議員でありながら、この法律ができたことも知らなかった。(おいおい) しかし、大変な問題があると分かったので阻止したい。

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特に興味深かったのが、実際に「模擬裁判」に参加した市民の方の発言。この男性は最初は裁判員制度に大賛成だったという。ところが、模擬裁判員になって、とにかく職業裁判官がシロウト裁判員を強引に誘導する姿を目の当たりにし、考えが180度変わったという。「自分は無罪だと判断したが、結局は裁判官の意向のとおり、有罪になった。これが実際の裁判だったらと思うと、もう二度と参加したくない」

私と吉澤さんも発言。私は、さくらネットで行ったアンケートから「人を裁くなんて、自分は絶対やりたくない」「墓場まで秘密を持っていかなければならないなんて真っ平ごめんだ」などの意見を紹介した。吉澤さんは「主権者たる国民を統治の側に強引にもっていく点に大きな問題がある」と指摘。

えん罪は増えるだろうし、国民の負担はもっと増える。何のための制度か。司法の負担と責任を減らすためだけとしたら、その代償は余りにも大きいのではないか。

[引用終了]

いよいよ5月21日の施行が迫る中、時間との戦いになってきた。続きは明日。


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