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「児童買春・児童ポルノ禁止法」の審議の課程で明らかになった問題点について、葉山サツキさん(20代・学生)から問題提起をする投稿があった。「児童ポルノ」の定義と規制範囲がどこまで膨張するのか。あとは「当局によろしく任せましょう」という話にはならない。本ブログでも、皆さんからの意見を積極的に取り上げていくことにしたい。

「ジャニーズや『ウォーターボーイズ』、我が子の写真まで児童ポルノにするのか?」

最初に、私は決していわゆる「児童ポルノ」を認めたりはしない。むしろ、チャイルドラインに関わらせてもらうなど、子どもの側に立っていると思っている。だから「児童ポルノ」そのものを擁護する立場では決してないとここで表明しておきたい。

さて、宮沢りえさんの「Santa fe」など、18歳未満の女性の写真集が児童ポルノなのかどうかについて最近関心が高まっている。Yahooのトップページにも、一時期その記事が並でいた。これら児童ポルノに該当する法律が成立した場合、一年間のうちに家捜しをして、処分しなくてはならないそうである。

しかし一方で、18歳未満の「男性」の上半身裸、特に「男の乳首」も児童ポルノに該当する。というのはあまり知られていないように思う。世の女性たちをはじめ多くの人を魅力する、ジャニーズやジュノンボーイをはじめとする男性アイドルの関連媒体だって、なんと立派に(?)児童ポルノになるのである。

例えばドラマ「カバチタレ」。たまに再放送もしている人気作品だが、これに出演していた当時の山Pこと、山下智久は、当時18歳未満である。このドラマには、山下智久のお風呂上がりのシーンがあり、後ろから全裸が撮影されているシーンがある。それ以外にも、正面から上半身裸が写っているところなどもある。

これも、現在の与党案が通れば児童ポルノになるということなのだ。

さらにややこしいのは「WATER BOYS」である。人気シリーズで、映画とドラマ3作品が放映されている。この作品には総勢何十人という少年が出演している。ここには果たしてここに何人の18歳未満の男性の上半身裸が写されていることだろう。少なくともメインの役どころの木村了などは18歳未満だったはずだ。

しかし、メインで無い子にも、18歳未満の子がいたはずだ。このウォーターボーイズが児童ポルノであるかないか判断し、安心して見るためには、作品ごとに出演者の全員が18歳未満でないかどうか、いちいち調べなくてはならないということになる。まさに驚きとしか言いようがない。

そしてさらに考えてみれば、これのモデルとなった男子校の、埼玉県立川越高校のシンクロ公演は、学校公認の、名物児童ポルノショー、ということになるのだろうか。

もちろん他にも、様々な作品で、プールや、着替えシーン、あるいは暑さで衣服を脱ぐシーンなどがあることだろう。こうした作品のも児童ポルノだということに当然、今回の与党案の法律が通ればなる。

ここで、浮かんでくるのは、果たしてこうした作品に出てくるジャニーズやジュノンボーイなどの男性俳優は、自分たちの作品が児童ポルノとなり、いわば児童ポルノ男優となってしまうことに対して、どんな感情を抱くのか、ということであろう。こうした面も、考えなくてはいけないのではないだろうか。まさに、児童を護ろうとして、傷つけてしまうことになりはしないか?

こんなバカな話はもはや、妄想の世界だとしか言いようがない。

これに今後、創作物の規制が加われば腐女子などは、文句なしの児童ポルノ愛好者であろう。「乙女ロード」は、「ポルノロード」になるのか。いやむしろ、今でも実写版のBL作品などは立派に児童ポルノとなることから、今回の法案が通れば、腐女子の多くが児童ポルノ単純所持の犯罪者ということになってしまう。

そして、毎月MYOJOなどのアイドル雑誌の発売を楽しみにしている、女子高生や中学生女子も「児童ポルノ愛好者」として犯罪者のレッテルを貼られることになる。

その他、諸々、例を挙げればキリがない。 全く女性と言えども、今回の「児童ポルノ禁止法改正案」は他人事ではないのである。

さらにこのことについて、周囲の友人達と話していると疑問はさらに広がっていった。つい最近までやっていた、世界ウルルン滞在記という番組があった。多くの人が一度観たことくらいはあることと思うこの番組には、しばしば裸で暮らしている民族がカメラに写されていたが、そこに写る少年達の映像はどうなるのだろうか。これも処分対象なのか?

他にもスーパーなどの広告に出てくる子どもの水着写真は?

「お母さんといっしょ」などでやっていた子どもがパジャマを着替えるコーナーは?

個人的な家庭で撮影している、家族で過ごした夏のビーチでの思い出などは?

ここまで来ると「こういうのまで児童ポルノになるなんてそんなバカな」と思うかもしれない。しかし、実際に福島みずほさんがhttp://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-647.html(福島みずほのどきどき日記 ポルノ単純所持の処罰は妥当か)
という記事で、このように指摘している。

「ドイツで暮らしたという日本人に会ったことがある。自分の子どものお風呂上がりの写真を持っていたら、ドイツ人に、『危ないから、持つのはやめろ。』とアドバイスをされ、びっくりしたと聞かされた。」

こういう状況が外国であるなら、日本であってもいいというものだろうか。こんなことをすれば、日本の国風が変わってしまうのではないだろうか。

このように、児童を貶め、辱め、傷つける物を取り締まるはずのものが、反対に親子の愛なども取り締まり、規制する、このようになってしまうのではないだろうか。

ここで「まあ仮にそういう状況になったとしても、一々取り締まるなんてできないよ。」そういう人もいるかもしれない。

けれど、それでいいのだろうか? 国民のほとんど全てが、違法な、持っているだけで違法であり、逮捕されるかもしれない「児童ポルノ」を持っているという国。

真面目に言えば、こういう国をつくってしまうというのは、はたして法治国家としてどうなんだろうか。全員捕まえるのか、捕まえないのか。どちらにしてもはちゃめちゃである。

ここまでくるともはや、児童ポルノ禁止法ではなく、「国民総犯罪者化法案」としか言いようがない。

よく考えてほしい。ドラマや映画はもちろんのこと、スーパーのチラシや家族の思いでビデオまで、なんでもかんでも全てチェックし、一年以内に捨てないなくてはいけない。そんなことはできるはずがないのである。絶対に何かを取りこぼしてしまうのではないだろうか?

しかし、そうしたものを持っていることそのもの、「単純所持」が犯罪、となれば、国民みんなが犯罪者になるではないか。

そんなわけのわからない、妄想の法案は、止めるしかないだろう。

犠牲となる子どもを救うという本質を見失い、親子の愛や、国民の多くを犯罪者にする、などということになる法案は、有害なだけである。そうは思わないだろうか?

児童ポルノ禁止法を、本来の趣旨に沿った、適切な形にするため、もっともっと注意深く議論していかなくてはならないのではないだろうか? でなければ、子どもも含め、多く人が逆に傷ついてしまう。

そこで、この話を広める為に、ぜひこの「どこどこ日記」など、情報が集まったブログに、リンクをどんどん貼っていくことを私は提案する。男性女性なども関係なく、ここから始めたいと思うがどうだろうか?

[2009年7月6日 投稿・葉山サツキ]


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