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『いじめの光景』(集英社文庫)という本がある。1994年1月に出た文庫本で、当時の小学生から中・高校生の生の声を多く収録した書き下ろし本で、何度も重版して10万部以上が読まれてきた。この本が8月に3000部、10月に3000部と続けて12年ぶりに増刷がかかった。今、子どもたちをとりまく「いじめの光景」が、約15年前に筆者が取材し、手紙を受け取っていた頃の状況と変わらないのか、どのように読まれているのかが気になるところである。この文庫本は、3部作になっていて『続・いじめの光景』『学校はどう変わったか』(集英社文庫)と続けて出版された。本格的に「いじめ」の問題が国会で議論されることになったのは、安倍前総理がこだわった教育基本法の議論が始まってのことだった。「文科省統計で『いじめ自殺死』が99年からゼロ」というトンデモ統計を平然と出していることに強く抗議し、実態に即して議論をしようと呼びかけた。 したたかな文部科学省の官僚たちは、自分たちの不手際も「権限拡張」のために使った。今年になってからの教育3法の審議で、「子どもの生死にかかわるようないじめを地方の教育委員会が放置している場合に文部科学大臣が指導・介入ずきる」という仕組みをつくりあげたのだ。「いじめの実態をひた隠して文部科学省が漫然と放置していた場合に誰が指導・介入するのか」という回路は不在のままに、だ。それでも、「いじめ」の議論がようやく昨年から国会で始まったことを、更に生かす議論をこの秋の文部科学委員会では展開をしたい。 たった今、法務委員会の理事懇談会から帰ってきたところだが、法務省官房長は「継続法案」として共謀罪制定を34時間以上審議したとアピール、自民・公明ともに審議入りを求めた。どこまで本気かという問題は残るが、野党側はこれは難しいとやんわり拒否。私は、「条約制定課程の国の方針転換の資料を提出することが前提だ」と付け加えた。この国会には、共謀罪以外には「裁判官・検察官の給与・俸給」に関わる法案以外に提出されていない。参議院で逆転している国会で手荒なことをしてくる可能性は低いが、政府・与党の「共謀罪制定」への執念だけは軽視すべきでないと改めて思った。

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