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 私が国会議員だった2年前には、出会い系サイト規制法に反対した。この法律では10代の女の子と20代以上の男がメールをやりとりするだけでも売買春にされかねない内容だった。私の質問に、谷垣国家公安委員長はメールの行間を読んで取り締まると答弁したが、これには納得がいかなかった。

 しかし、国や自治体、警察がいちいち私(わたくし)の領域に踏み込んでいいのだろうか。事件が起これば、次々に規制をしたり、法律がつくられていくという、何でもござれという状況だが、それで「非行」がなくなることはない。東京都条例では、夜11時以降、18歳未満は親同伴でもカラオケボックスの入店を禁止して非行をなくすと言っていたが、別の場所に行くだけのことだ。

 石原都知事は、かつて散々“不良文化”を謳歌しておきながら、いまの子どもたちにはレトロでカビくさい道徳と倫理を押しつけている。東京都の設けた会議では、中学生のセックス禁止という話まで飛び出すようになってしまった。

 “オタク狩り”も、弱いところから叩こうということではないか。カッターやハサミを取り上げれば殺傷事件を未然に防げるという発想が信じられない。警察には、秋葉原をうろうろしている連中の性根をたたき直してやりたいという衝動があるのではないか。

 しかも、本来事件にもならないことを事件化してオタクや外国人を捕まえれば、警察が仕事をしているように見える。重大な事件が解決していないことを粉飾する意味もあるように思える。

 エロマンガがよくないというなら、人殺しの場面ばかりの時代劇や戦争映画、大河ドラマをなぜ禁止しろと言わないのか、子どもたちが真似をする殴り合いの格闘技の放送がなぜ問題にならないのか。しかし、テレビに出ているコメンテーターは決してこんなことは言わない。多数派の嗜好だからだ。その代りに、エロマンガのような市民権のない少数派の嗜好に犯罪の原因を求め、規制を強化して安心する。

 心のなかではどんな妄想をしてもかまわないと考えて、ボクらは育ってきた。でも、短絡的に「道徳」や「倫理」を強調し、子ども、若者の心を統制しようとする「心の教育」が叫ばれるようになってから、だんだんおかしくなってきた。

 佐世保小6殺害事件の背景も、そこにある。自分のことは自分で決められるというのが民主社会だったのに、公共の安全・秩序を基準にワガママを言わず多数に従い、物事を決めるべきだという戦前の隣組的な考えが蔓延しつつある。

 総選挙では、自民党は青少年の非行対策を絡めた「青少年健全育成基本法」の早期成立を目指すとマニフェストに記した。民主党は「残虐な暴力や性暴力などの有害情報から子供を守るため」という理由を掲げて、「特定暴力情報等からの子供の保護に関する法律」を制定するとしている。いずれも子どもを保護の対象にするという発想が色濃くにじみ出ている。

 子どもを権利の主体から遠ざけようとする動きにも対抗していきたい。



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