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東京都青少年健全育成条例の改正案の内容があきらかになった。これをうけて23日にtwitter(http://twitter.com/hosakanobuto)を舞台に、東京都青少年条例改正案について意見を求めた。今年の春以来、関心を集めていたこともあってたくさんの意見をいただいた。これらの声を受けて、まずは土台となる見解をいくつか書いてみた。その「つぶやき」を再録することとする。

・皆さんありがとうございます。さきほどチェックをしたら、たくさんの皆さんから東京都青少年条例の修正案についての「御意見」をいただきました。今朝の新聞にも、都議会民主党で評価が二分しているとの記事が出ています。議論している時間は少なく、12月半ばの都議会で結論が出ることになる。

・政治の世界で、一昔前には「青少年の健全育成」と言えば、そこのけそこのけ正義が通るという「最強のアドバルーン」だった。「非実在青少年」という造語まで作ってマンガ・アニメ規制をしようとした東京都は、ふたたび修正案を準備。ざっと見る限り、何ら発想の転換はない。前の条例案の焼き直しだ。

・10代の青少年が性に目覚め、性的体験に興味を抱くのは人類普遍の万国共通の摂理。これに枠をはめて18歳以下の青少年から「性的情報」を排除し、日本発の輸出産業でピカイチの基盤力を持っているマンガ・アニメにまで「規制条例」の網をかけようという発想は間違っている。

・石原東京都知事がかくあるべしと推薦する「青少年の健全な性意識」とは何かを問うてみたい。18歳まで勉学とスポーツに邁進し、性的情報の誘惑を邪気としてはねつける姿か。かつて「旧体制の道徳秩序の破壊者」として登場し、老いて「青少年の道徳の頽廃」を嘆く姿に自己矛盾の自覚はないだろうが。

・18歳以下の青少年が性的関心を抱くのは「健全な発達を阻害する」ことになるのかどうか、東京都に適切な説明を求めたい。人口減少社会となり少子化対策に社会が取り組むべき時に、民法で婚姻可能な16歳から18歳までの少女の結婚は大いに祝福してあげるべきだろうが、東京都の見解はどうだろうか

・東京都の「マンガ・アニメ規制」への意欲は、江戸時代以来の「お上感覚」に他ならない。春の都条例の継続審議、そしていったん廃案は、都議会の常識を変える草の根世論の力だった。今、日本社会に本当に民主主義が根づいたかどうかが問われている。「お上」とは公僕であり、税金で雇われている存在だ。

・「思春期」は人間に二度訪れない。その激しい荒波は、カプセルに覆われた自我を打ち砕き、叩きのめす。恋愛への目覚めと悲しくも無残な結末は誰にも言えない苦渋の記憶を刻み、また人格の骨格を形作る。その不安定な揺れと激しい心の振幅を老いた者たちは忘れていく。「思春期」がなければ文学もない。

 

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