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本日午後4時、衆議院予算委員会で最初の質疑に立った。とりあげたテーマは2週間前に判明した「裁判員制度全国フォーラム」で発覚した金銭謝礼を支払ったサクラ動員の背景だった。この2週間、最高裁事務総局との間で頻繁に資料請求をして、平成17年度で3億4126万円の契約書(同年9月30日付)が作成された経緯を追及してきた。私が着目したのは、9月30日に契約書が示されて、翌日の10月1日に400人を集めた福岡県でキックオフイベントが始まるという不自然さだった。契約は前日だから、事前準備は「契約書作成前」にほぼ完了したことになる。これは、国の予算執行に対して「契約書作成」を義務づけた会計法に背くのではないかとの問題意識だった。

審議の中盤で驚くべき答弁が飛び出した。昨年12月に発表された内閣府と電通の随意契約による「タウンミーティング請負契約」の契約書が、「契約書の作成が実際の事業実施と相前後してさかのぼって行われる『さかのぼり契約』が行われていた可能性が強い」(タウンミーティング調査委員会調査報告書・委員長林芳正内閣府副大臣)と指摘されていることを林副大臣に答弁してもらってから、「まさか最高裁はやっていないでしょうね。契約書の日付は9月30日で間違いないですか」と質したら、「やっていません」と否定するものと思って念を押したのだが、

「9月30日よりも後にその契約書面を作った…その当時は私はいなくて前任者がやっておりましたので…可能性が高いととらえています」(小池裕最高裁事務総局経理局長)

という答弁が飛び出した。いやいや驚いたことに、「9月30日」という日付は虚偽である可能性が強く、事後的に「さかのぼり契約」されていた「可能性が高い」というのだ。平成17年10月1日に始まって全国50ヶ所で集中開催されて、1月29日に東京で終了した後に「見積書」「契約書」が作成され、その金額のままに「1円も違わない請求書」(最高裁・電通の見積書・契約書・請求書ともに同金額になっている)が作られていたのか。すると、最高裁と新聞社の共催した「裁判員制度全国フォーラム」は無契約状態で進行し、総計18061人(最高裁調べ)の人々を集めた同事業の終了地点(平成18年1月29日)まで推移したという疑いが強い。

すべての支出が終わって請求書と合致した「見積書」と「契約書」が作成されたので、裁判所の当初予算だった3億898万円よりいくらか上乗せされた3億4126万8900円で金額が揃ったのではないかというのが、「さかのぼり契約」のシステムだ。こんなにズサンでルーズなことを最高裁がやっていたとは、信じたくないが真相解明はこれからだ。

来年度予算の裁判所要求分にも13億円を超える「裁判員制度宣伝費」が計上されている。予算審議の前提として裁判所に対して会計書類を予算委員会に提出するように求めていきたい。「理事会で引き取りたい」と委員長は述べた。こんなに驚いたのは、裁判所に対しての信頼があってのことだ。この際、裁判員制度の湯水のように金をかけた宣伝方法についても、きちんとした検証を加えたい。

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